会社で知らないうちに入らされていた確定拠出年金、やめられますか?

ご相談者DATA

【年齢】 30代後半

【職業】 会社員

【性別】 男性

【家族構成】 妻、子

 

相談しようと思ったきっかけ(アンケート抜粋)

勤め先で、数年前から確定拠出年金を導入したのですが、「自分で老後の資産形成を」といきなり言われてもよく分からず、結局、会社が退職金制度を無くして、自分たちに責任を押し付けているようにしか思えず、不満に思っていました。

正直なところ、60歳以降のことなど考える余裕もなく、今こそお金が必要なのに、と考えると余計に会社に対しての不満が増し、いっそのこと、確定拠出年金をやめてしまいたいと思ったこともあり、相談させてもらいました。

 

 

ご相談内容

お勤め先の確定拠出年金の制度について、内容がよく分からないということもあり、不満に思っておられました。

結局、勤務先の会社が退職金制度を無くして、従業員に責任を押し付けているとしか思えないということが、一番ご不満のようでした。

先のことは分からないのだから、今の給与を上げてくれる方がよほど嬉しいというお考えもあり、会社全体での制度とは言いながら、確定拠出年金をやめて自分が今すぐに使えるお金としたい、というお気持ちを強く持っておられました。

 

お答えした内容

 

会社で知らないうちに、確定拠出年金に入らされていたとのことですね。

 

お気持ちとしては「会社が勝手に退職金制度をやめて、運用を自分たちに押し付けているだけじゃないか!そんなことなら、月々の手取りの給料を増やして欲しい!」ということだと思います。

お気持ち、すごくよく分かります!!

 

特に子育て中の方であれば、将来の老後資金と言ってもまだ実感がわかないでしょう。

 

毎月のやり繰りそのものに関心が向きがちですので、「今の手取りを増やす」ということが、一番関心が高いのは、よくわかります。(私自身も子育て真っ最中なので・・・)

 

とはいえ、10人中9人以上が必ず迎える「退職後の生活」ですので、いずれはその準備も必要です。

 

ひと昔前までは「会社が用意してくれるまとまった退職金」を、老後の生活費の大きな柱、と考えることもできましたが、大きな環境変化から、それも難しくなってきました。

 

お勤め先の会社が「確定拠出年金」を導入されたのも、会社自身を守るためでもありますが、ひいてはそこにお勤めの皆さんを守るためでもあります。

 

どうしてそう言えるのか、これからのお話で、少しでもご理解いただけたら嬉しいです。

 

ご質問者の会社が導入している「企業型の確定拠出年金」の制度について簡単に説明します。

 

企業型確定拠出年金の3パターン

 

企業型確定拠出年金には、以下の3通りあります。

 

A 企業が掛金を拠出するパターン

B 「選択制」という、従業員が自分の給与から拠出するパターン

C 上記ABを併用するパターン

これら掛金の拠出パターンは複数ありますが、ご相談者の会社は、企業が全社員に掛金を拠出するパターンです。

毎月の給与明細に「確定拠出年金拠出金」という名称で記載されている額がそれにあたりました。

 

企業型確定拠出年金が広まった背景としては、例えばこんなことがあります。

 

・厚生年金基金が解散になり、その受け皿として、受け入れられやすい制度であること

 

・退職金という将来必ず支払わなければならないまとまった資金を、企業が管理し、運用し続けていくことが、大きな負担となっており、企業型確定拠出年金の導入により「退職金の管理、運用」の大きな負担を無くすことができること

 

「退職金制度」は、企業にとっては大きな負担です。なぜならば、いつか社員に対して払わなければならない借金だからです。

これを「将来債務」と呼びますが、この負担が時として会社の経営にも悪影響を及ぼしてしまうこともなるため、「企業型確定拠出年金」に切り替えている会社が多くなっています。

 

以前は60歳等で受け取っていた退職金を、前払いで月々受け取っているイメージです。

 

そして、運用自体も従業員自身が行うということになります。

 

 

このあたりの背景は、ご存知だったかもしれませんが、一応書かせてもらいました。

 

さて、お尋ねの「確定拠出年金をやめられるか」というご質問ですが、結論としては確定拠出年金をやめることはできません。

(例外はありますが、かなりレアケースなので割愛します)

 

このようにお話しすると、「なんだ。結局は全部会社の都合じゃないか!」と思われるかもしれません。

 

確かに会社の都合という一面もあります。

 

しかしながら、従業員さんにとって、メリットも少なくありません。

 

企業型確定拠出年金の良さ

 

例えば、

 

会社が倒産した場合でも、会社の資産とは分離しているので、完全に自分個人の財産となっており、無くなってしまう心配がない。

 

ということがあります。

 

花形企業と思われていた会社が、わずか数年のうちに業績が悪化し、最悪の場合、倒産ということもあり得ない話とは思えません。

 

 

それに比べて、確定拠出年金であれば、掛金を受け取った瞬間に従業員自身の資産となり、あとから返済を迫られることもありません。

 

この差は大きいのではないでしょうか!

 

さらに、次に勤めた先に同じ確定拠出年金制度があれば、そのまま移換(持ち運び)できます。

 

2017年1月より、確定拠出年金の加入対象者が大幅に広がったため、転職したとしても、移換できないケースはかなり少なくなってきました。

 

確定拠出年金というと、「60歳まで一切引き出しができない」というデメリットが目につきがちですが、最初にお話しした通り、10人中、9人以上の方は60歳を迎えます。

 

そしてまた、ほとんどの方が、残念ながら年金だけでは老後の生活がかなり厳しくなる、ということを考えますと、ここは腹をくくって、「1つの勉強」や「スキルアップ」だと思って、挑戦してみてはいかがでしょうか?

 

分散投資や、ポートフォリオなど勉強していくと、意外に面白いものですよ!

 

実は私自身、保険業界にいるため「積立なら保険で」という考え方が強かったのです。

ところがさすがに近年、積立の率が非常に悪くなってきています。

 

場合によっては、「販売停止」になる商品もなることもあり、イヤでも、「自分でお金を増やす」ことを考えざるを得ません。

 

また私自身は自営業ですので、「会社が拠出してくれる」なんて、正直なところ、「なんてうらやましいんだろう!」と思ってしまうくらいです。

 

「勉強する機会をもらった」と、とらえることができるなら、素晴らしいのではないでしょうか。

 

「投資」と言うと、「怖い」とか「大損したらどうしよう」と思う方が多いですが、あまり難しく考える必要はありません。

 

運用のプロを目指しているわけではありませんし、FXトレードをするわけでもありませんから、短期の成果を求めて1日1日一喜一憂する必要はありません。

 

30代、40代の方であれば、まだ時間がありますので、いくらでも取り返すことも可能です。

 

分散投資ができるからリスクが低くなる確定拠出年金

 

もちろん、損失が出る可能性もあります。

 

それでも「確定拠出型年金」は、「月々の積立」ですから、まとまった資金を一気に投資するよりも、グンとリスクが低くなります。(時間的な分散になるということです)

 

また運用する商品も、値動きの違ったものを、数種類組み合わせることができますので、商品的にも分散投資が可能です。

値動きの大きさも、「元本確保型」から「低リスク低リターン」「中リスク中リターン」など、さまざまな商品が提供されていますので、ぜひ一度ご自身の確定拠出型年金の「マイページ」にログインして、ご覧になられてはいかがでしょうか。

 

ご相談者は40歳ですから、60歳まであと20年あります。

 

最初の10年は、運用にチャレンジされ、50代に入ったら、値動きの少ないものに徐々にシフトし、最終的には元本確保型の商品に切り替えていけば、不安も少なくすることができます。

 

それに、拠出したお金の評価が下がったとしても、命まで害されるわけではありません。

 

ギャンブルと違って、0か100か、という世界ともまったく違います。

 

さらには、そもそも会社が拠出してくれているお金ですから、そのお金を「リアルな投資を学べる資金」として考えることができたなら、私たちの人生にとってプラスになっていくはずです。

 

「確定拠出年金」の大きなメリットの1つとして、「運用益」が非課税!ということがあります。

そういう意味でも、投資しないと、せっかくの「運用益非課税」というメリットが受けられませんので、もったいないです。

 

 

ちなみに、今回のご相談者の会社は違いましたが、会社が「B 選択制(従業員が拠出)」というパターンですと、給与から、掛け金が切り離されますので、「社会保険料」が安くなります。

 

ただし、「B 選択制」の場合は、社会保険料が少なくなる分、雇用保険や、健康保険での傷病手当金の給付を受ける場合、その受取りも若干少なくなってしまう点は気に留めておく必要はあります。

 

それでも、確定拠出年金制度による、「所得控除」や「60歳までの積立」によるメリットが、圧倒的に大きいので、使った方が良い制度です。

 

また、従来の退職金制度からの変更ということであれば、できれば制度変更前以上に、退職金が受け取れるような運用を目指したいものです。

 

「長期目線での運用」ということを意識すれば、堅実に増やしていくことは、そんなに難しいことではありません。

 

人間は生涯、学べることがあります。

 

会社からお金をもらって学べるチャンス!ととらえて、一緒に老後の資産作り、頑張っていきましょう!

次回の面談では、運用商品の選び方をお伝えすることになりました。

 

 

 

 

 

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伊田 洋
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