こんにちは。
確定拠出年金相談ねっと 認定ファイナンシャル・プランナーの加藤博です。
確定拠出年金口座では、投資信託商品を購入することができます。
投資信託とは、投資家からお金を集めて、金融機関が株式や債券などに投資する商品です。
運用会社が投資信託の設定・運用を行います。
信託銀行が投資家から集めた資金を管理します。
販売会社が投資家に投資信託を販売します。
一般的には、このように役割分担して販売されています。
投資信託は、投資家から集めた大きなお金で多種多様な株式や債券に投資します。
個人ひとりでは、色々な株式や債券に投資するのは資金的に無理な場合がありますが、投資信託であれば少額からスタートできます。
個人型確定拠出年金(iDeCo イデコ)では、投資信託商品を月5,000円から購入することができます。
投資信託を売買する際の価格を「基準価額」とい言います。
投資信託では、まとまった資金を株式や債券等で運用します。このため、運用する株式・債券等の価格が変動することにより、投資信託の基準価額が変動します。
基準価額の考え方
例えば、新しいファンドをつくったとして考えてみましょう。
投資信託「がんばれ日本!先進企業株式ファンド(仮)」という名称とします。
この投資信託の投資対象が3企業「A自動車・B通信・C電機」とします。
この投資信託の開始時は、投資家から集めた300億円で
A自動車の株式 100億円分 B通信の株式 100億円分 C電機の株式 100億円分を購入します。
基準価額は1万口あたりの値段です。
投資信託開始は1万口あたり1万円としてスタートします(300億円÷300億口×10,000口=10,000円)
投資する株式の価格が日々上下するのを反映させて、1万口あたりで表示したのが「基準価額」です。
全体の資産÷全体の口数×1万口=基準価額
各銘柄が上昇し、全体の資産が365億円となった場合は、1万口あたりの基準価額は 12,167円となります。
各銘柄が異なる動きをした結果、全体の資産が288億円となった場合は、1万口あたりの基準価額は 9,600円となります。
基準価額の算出は1日1回
投資信託に組み込まれている株式は、証券市場が開いている間、株価が変動しますが、投資信託の基準価額は証券市場が終了してから計算されます。
1日に1回値段が計算され、公表されます。
※実際の計算方法(参照先:モーニングスターWEBサイト)
(1)投資信託が投資している全ての資産の時価の合計に利息・配当収入を加えます。
(2)信託報酬等、必要な費用を差し引きます。分配があった場合は分配金も差し引き、「純資産額」を計算します。
(3)(2)で計算された金額を、投資信託全体の口数で割ります。
基準価額とは「投資信託の時価」です。正確には、この基準価額の計算では、まず投資信託が投資しているすべての資産(株式や債券など)を毎日の値段(時価)で評価します。次に、株式や債券などの利息や配当などの収入を加えます。
そこからさらに手数料などの費用を差し引いて「純資産額」というものを計算します。この「純資産額」はいわば、投資信託の規模を表します。 そして最後に、純資産額を投資信託全体の口数(受益証券の総口数といいます)で割り、「投資信託の1口当たりの価額」を算出しますが、これを「基準価額」と呼んでいます。
整理すると
投資信託は1万口あたり1万円でスタートします。1万口が基準価額の単位と考えましょう。
ここを基準にして、投資先の値段が上昇したり、下落するから基準価額が変動します。
購入した時の基準価額が増えたり、減ったりする率を収益率(リターン)と言います。
基準価額は他の投資信託の基準価額と比べても意味が無い?
例えば、株式でも今日の「トヨタ自動車」と「ソフトバンク」の株価だけをくらべても、どちらの収益率(リターン)が良いか分かりませんね。
それぞれ、前後の株価で比較しないと収益性(リターン)が良いかは判断できません。
違う銘柄の株価だけを見て、善し悪しを判断できないのと同じです。
時々、基準価額が11,000円の投資信託Aファンドと基準価額8,000円の投資信託Bファンドと比べて基準価額8,000円のBファンドがお得だと勘違いされている方もいます。
投資先が同じ分類、例えば日本株式に投資する投資信託(ファンド)だと、基準価額が安いファンドがお得に感じてしまうようです。ファンド毎の基準価額の大小を比べても意味がありません。
でも、基準価額が安いほうがお特だと思ってしまう気持ちはわかりますね。
10,000円と8,000円のファンドだったら8,000円を選んでしまう人が多いと思います。
投資信託は設定するときに1万円をスタートしているだけです。
違う投資信託の基準価額を比較しても意味がないのです。
1年間の収益率(リターン)は1年前と今の価格の変動率を出していますが、1年間を通して価格がどのように動いているかはわかりません。
下の図をみてみましょう。
赤のグラフと青のグラフは1月1日の価格と12月31日の価格が同じです。
この2つは同じ収益率(リターン)になります。
でも、実際の価格変動を見ると、まったく違いますね。
赤の投資信託は価格のブレ幅が小さいので、リスクが小さく安心感がありますよね。
青の投資信託は価格のブレ幅が大きいので、不安な気持ちになるかと思います。
つまり、リスクが高いと言えます。
この価格のブレ幅をリスクと言います。
リスクは投資信託を検討する上で、とても重要な指標です。
「リスク」については、次回、詳しく解説します。
なお、投資信託のリスクは「危険=デインジャー」の意味ではありません。
「価格のブレ幅=リスク」と理解してください。
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