こんにちは。
確定拠出年金 相談ねっとわーく 認定ファイナンシャル・プランナーの加藤博です。
コラム「SBI証券のiDeCoで選ぶ「新興国ファンド」では、以下のような理由から新興国ファンドの研究をご提案してみました。
“国外への投資は為替が変動するリスクがあります。
先進国にくらべて、政治や経済活動が不安定な面があります。
このところが、リスクが大きいと考えられるところでしょう。
一方で、成長の余地は先進国よりも大きいですね。
人口も増加し、経済発展がすすめば大きな経済価値を生む可能性があります。
リターンが大きくなる可能性があります。
先進国への投資よりも大きなリターンを得る可能性は「新興国」の方が大きいと考えられます。
どのくらいの割合で新興国へ投資するかは人それぞれの考え方で違うと思いますが、確定拠出年金口座の運用益非課税メリットを大きく活用するために、「新興国の投資信託を選択する」のもベターと考えています。怖いと思って敬遠するのはもったいないかも知れません。
調べてみて判断してみてはいかがでしょうか。
一緒に「新興国へ投資する投資信託」を研究してみましょう!“
新興国の投資信託を研究してみます。SBI証券の個人型確定拠出年金WEBサイトは検索が便利ですので、SBI証券を活用いたします。
今回は『SBI-EXE-i新興国株式ファンド』研究しています
WEBサイト左の 「投資地域」 でエマージング(=新興国)を選択します。
2016年11月4日の検索結果はこちらです。
SBIアセットマネジメントのWEBサイトです。
◆商品の選定理由
“新興国の株式市場の値動きに連動する投資対象ファンドを複数組合わせることにより、信託財産の中長期的な成長をめざします。ETFを通じて低コストで新興国株式に投資するファンドとして選定。”
◆目論見書(2016年8月13日)
目論見書で確認すべき4つのチェック項目はこちらでしたね!
<1>何に投資するのか?
<2>どんな運用をするのか?
<3>ベンチマークは何か?
<4>コストはいくらか?
順番に確認していきましょう!
<1>何に投資するのか?
「主としてETF(上場投資信託)への投資を通じて、新興国の株式へ実質的に投資します。」
ETFへ投資を通じて、新興国の株式へ投資するファンドです。
「本ファンドが投資対象とするETF(上場投資信託)については、後述の投資対象ファンドの概要をご覧ください。」
とあります。投資先の概要は目論見書の2ページに記載されています。
2015年2月に変更したようです。
シュワブ エマージング・マーケッツ エクイティ ETF
連動する指数 FTSE・エマージング・インデックス
iシェアーズ コア MSCIエマージング・マーケッツ ETF
連動する指数 MSCIエマージング・マーケッツ インベスタブル マーケット インデックス
<2>どんな運用をするのか?
「新興国の株式市場の値動きと同等の投資成果を目指します。」
「新興国の株式市場の値動きに連動する投資ファンドを複数組み合わせることにより、信託財産の中長期的な成長を目指します」
<3>ベンチマークは何か?
「FTSE・エマージング・インデックス(円換算ベース)」が参考指標です。
「FTSE・エマージング・インデックスとは、FTSE社が開発した指数で新興国株式市場全体の値動きを表す指数」となっています。
もう少し詳しい説明が以下WEBサイトに記載されていましたので、参照します。
“参照先 「ノーロド投資信託 徹底ガイド」
FTSE・エマージング・インデックスは、新興国21ヵ国の投資可能時価総額の96%以上をカバーする浮動株調整時価総額指数であり、計953銘柄で構成されています。
新興国株式市場の最も代表的なベンチマークであるMSCIエマージング・マーケット・インデックスと比べ、FTSE・エマージング・インデックスには韓国が含まれていないことが大きな違いです。(FTSE社では、韓国は先進国扱いのため)
平均配当利回りは年3.25%です。
構成銘柄については年2回(3月と9月)に定期的に見直しが行なわれます。
(2016年1月11日更新)“
<4>コストはいくらか?
購入時手数料 なし
信託財産留保額 なし
運用管理手数料 年率0.248%(消費税抜 0.23%)
投資対象とする投資信託証券の信託報酬 年率0.142%
実質的な負担 年率0.3904%程度
海外ETF(上場投資信託)2つに投資するための信託報酬が加算されます。
これが 年率0.142% というようです。
その他の項目もみていきましょう!
【ファンドの仕組み】
ファンド・オブ・ファンズ方式とは
「投資家の皆様からお預かりした資金を他の投資信託に投資することにより運用を行う方式」とあります。
もう少し詳しい説明が以下です。
引用先サイト モーニングスター社WEBサイト
“「ファンド・オブ・ファンズ」ってなに?「ファンド・オブ・ファンズ」とは、複数の投資信託を組み入れる投資信託のことです。一般的な投資信託は、複数の株式や債券を買いますが、「ファンド・オブ・ファンズ」は複数の投資信託を買い付けています。
「ファンド・オブ・ファンズ」の長所として運用の安定性を高める効果があります。一般に投資信託は複数の株式や債券を買うことで運用の安定性を高めていますが、「ファンド・オブ・ファンズ」は既に複数の株式や複数の債券を買った投資信託をいくつも買うことになるので、分散効果が効いて運用の安定性がさらに高まります。また、いろいろな運用会社の投資信託を買い付けることができるため、債券運用を得意とするA社の投資信託と、株式運用を得意とするB社の投資信託を組み合わせることもできるのです。
ただその一方で、「費用」には注意が必要です。「ファンド・オブ・ファンズ」を買うということは、実質的に投資信託を二重に購入するということになるからです。そのため、信託報酬が一般の投資信託よりやや割高になる傾向があるのです。投資信託説明書には、「実質的な信託報酬率」が書かれていますので、購入前の確認が必要です。“
これをみると、「コストが2重にかかる」ため、信託報酬が割高になるとあります。
「実質的な信託報酬率」が書かれているので、確認が必要なようです。
「EXE-i新興国株式ファンド」の信託報酬の以下となっています。
運用管理手数料 年率0.248%(消費税抜 0.23%)
投資対象とする投資信託証券の信託報酬 年率0.142%
実質的な負担 年率0.3904%程度投資対象とする投資信託証券の信託報酬 年率 0.142%はこの2本のETF(上場投資信託)の
費用ということです。
シュワブ エマージング・マーケッツ エクイティ ETF
iシェアーズ コア MSCIエマージング・マーケッツ ETF
特定の指数、例えば日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)等の動きに連動する運用成果をめざし、東京証券取引所などの金融商品取引所に上場している投資信託です。
ETF = Exchange Traded Fund (上場投資信託)
“ETFは、“Exchange Traded Funds”の略で、「上場投資信託」と呼ばれています。指数は株式だけでなく、債券、REIT(リート)、通貨、コモディティ(商品)の指数もあります。投資先も日本から海外に広がり、投資しにくい国と地域と資産に手軽に投資ができるようになりました。
似ている商品として投資信託に「インデックスファンド」がありますが、 ETFは、そのインデックスファンドが金融商品取引所に上場しているようなイメージの金融商品です。 ETFもインデックスファンドも運用の目的は同じで、指数の動きに連動する運用成果をめざす、指数連動型の投資信託です。対象指数と同じ銘柄・比率で株式や債券を保有する方法や、定量的な分析によってその株式や債券の保有比率を工夫する方法、また、派生商品を使う方法で、指数の動きに連動する運用成果が可能になります。インデックスファンドは、1日1回算出される基準価額で、1日1回しか取引きできませんが、ETFはそのインデックスファンドを投資家の判断で、金融商品取引所の取引時間内に、株式と同様に相場の動きを見ながら売り買いができるとイメージするとわかりやすいと思います。ETFは、運用方法としてはパッシブ運用で、非上場の投資信託のインデックスファンドと中身にほとんど違いはありません。ただ投資家の取得方法が株式と同じという点が、非上場の投資信託と大きく異なる点です。“
参照先:日興アセットマネジメントWEBサイト
ETFは上場しているインデックスファンドみたいですね。
取引手数料が安いのが特徴です。
「EXE-i新興国株式ファンド」はETFが投資先ですので、ファンド・オブ・ファンズ方式であっても低コストとなっています。
確定拠出年金口座では、ETFや株式は直接購入できません。
ETFを購入するためには、「ファンド・オブ・ファンズ」という方式で購入すると理解したいほうが良いですね。
『月次レポート』をみていきましょう。
基準日は2016年9月30日です。
純資産は約36億円弱。グラフをみると上昇傾向が続いています。
リターン(騰落率)の推移です。
参考指標は「FTSE・エマージング・インデックス(円換算ベース)」です。
1年間の収益率とリスク(標準偏差)は月報には掲載されていませんでした。
WEBサイトの「評価情報」のところに掲載されています。
評価情報はこれ
パフォーマンス情報
σ:シグマが 標準偏差(リスク)です。
組入先情報(上位10位)
国別では、中国が20%程度、台湾が14%程度、インドが11%程度、以下ブラジル、南アフリカと続いています。
業種では、金融が26%程度、情報技術が16%程度となっています。この2業種で42%占めていますね。新興国でも成長が見込まれている分野なのでしょう。
先進国ファンドでも、IT企業への投資が多いですし、日本のTOPIXも上位は情報産業と金融が占めています。
成長が見込まれそうと考えて中国やインド、ブラジルの企業の株式を直接購入するのは、手間も費用もかかりそうです。
投資信託なら手間はかかりません。確定拠出年金なら低額な信託報酬で購入できます。
長期的に成長が見込まれる国々ですから、長期運用となる個人型確定拠出年金の運用先として、注目して研究してみましょう。
【ご注意頂きたい事項】
このコラムに記載している事項は投資商品・保険商品等の購入あるいはサービスを提案もしくは勧誘するものではございません。
また、本資料に含まれるいかなるアドバイスも購入または売却を推奨するものではありません。
本情報を元に発生する損害についてはご利用者個人の責任とし、弊社はその責任を負わないものとします。
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