こんにちは。
確定拠出年金相談ねっとわーく 認定ファイナンシャル・プランナーの加藤博です。
来年2018月1月からスタートする「つみたてNISA」で購入することができる「投資信託(ファンド)」が金融庁から発表されています。
つみたてNISAは20年間非課税で積立投資ができる制度として注目されています。
つみたてNISAの対象となった投資信託
www.fsa.go.jp/policy/nisa/20170614-2/26.pdf
アクティブファンドは14本選ばれています。
これに対してインデックスファンドは92本。
合計で106本です(2017年10月5日時点)
アクティブファンドとはベンチマークより上回る成績を目指す投資信託です。
ファンドマネージャーが投資先を研究して選択するため、その分コストがかかっていると言われています。
一方インデックスファンドはベンチマークに沿った運用を目指すため、低コストの投資信託と言われています。
金融庁が「手数料が低廉であること」を主要条件としたので、インデックスファンドが中心となっています。
この中でエントリーされたアクティブファンドは興味ありませんか?
つみたてNISAに選ばれたアクティブファンドの条件 |
・信託報酬 国内型 1.0%以下 海外型1.5%以下 |
・純資産額50億円以上 |
・信託期間の2/3で資金流入超 |
なんか、アウェーで試合しているサッカーチームを応援するような気分です(笑
つみたてNISAのアクティブファンドで積立をしてきた場合、どれくらい資産形成できたのか?
インデックスファンドと成績の違いはどれくらいあるのか?
興味ありますね。
海外型のアクティブファンドを検証してみました。
20年間データがとれるのが少なかったので、15年間データがとれるファンドでシミュレーションしてみました。
15年以上データが取れるアクティブファンドはこの4本。
モーニングスターWEBサイトからデータをダウンロードして検証します。
www.morningstar.co.jp/
【期間】
2002年9月~2017年8月までの180ヶ月(15年間)
2002年9月30日の基準価額を10,000円としてグラフ化
インデックスファンドは「野村 外国株式インデックスF(確定拠出年金) ※ 」のデータを使用
※
つみたてNISAに指定されているインデックスファンド海外型で15年データがとれるファンドが無かったので参照しました。
つみたてNISAに選ばれた「野村インデックスファンド・外国株式」と同じマザーファンド(外国株式MSCIKOKUSAI マザーファンド)。
インデックスはMSCIコクサイ・インデックス。
【価格のグラフ】
フィデリティ・米国優良株と海外株式インデックスファンドの値動きは似ています。
投資対象に公社債を含んでいるハッピーエイジング30と40は値動きが他3本と違いますね。
値動きの上下幅が狭くなっており、リスク分散として、「株式と債券を組み合わせる」効果が見えます。
特に2008年9月15日からのリーマンショックの下落時においても、下落幅が押さえられています。
この5つの投資信託に毎月1万円を積立投資した場合の結果はどのようになったのでしょうか?
【成績のグラフ】
2017年8月末の成績はフィデリティ・米国優良株と海外株式インデックスファンドがほぼ同じです。
グラフを拡大してみると
海外株式インデックスファンドが僅差ですが、勝ちました。
5本とも、積立元本である180万円を上回る結果です。
リーマンショックから5年弱は元本を下回っている時期がありますが、その後上昇し、以下のような結果となっています。
2017年8月31日時点
年換算利回りは結果から逆算。
値下がり時にも継続して積立し続ける事が大切です。
価格グラフと成績グラフをみてみると、価格が少し反転すると成績は回復していることがわかります。
結果論ですが、ここが辛抱する時だったとわかります。
下落時に解約してしまった人は損をし、積立を継続できた人は大きな利益を獲得できました。
積立投資は一括投資とは違う特徴がいくつかあります。
下落時から、少し反転すると成績が回復するのも積立投資の特徴のひとつです。
長期間の積立ですから、必ず下落時も上昇時も発生します。
積立投資の特徴を理解すれば、慌てずに積立を継続できるでしょう。
【信託報酬】
【リターンとリスク】
15年間の年当たりの標準偏差(リスク)とリターンです。
シャープ・レシオをみると、フィデリティ欧州株、海外株式インデックスの投資効率が高いことがわかります。
リスクとリターンについてはこちらのコラムを参照ください
リターンについて
リスクについて
「確定拠出年金口座で積み立てよう!投資信託の「リスク」を理解しよう!」
シャープ・レシオとは
(年リターン-無リスクリターン)÷標準偏差 |
投資効率をはかる指標で、複数の資産やファンドを比較する際に使用されます。 米国の経済学者ウィリアム・フォーサイス・シャープ博士(1990年ノーベル経済学賞受賞)が考案。 |
【iDeCoとつみたてNISAの制度比較】
金融庁WEBサイト 「つみたてNISA関係」から
www.fsa.go.jp/policy/nisa/20170614-2/13.pdf
金融庁WEBにまとめたものが掲載されています。
共通しているメリットは「運用益が非課税」ということです。
今回シミュレーションした投資信託の場合は、5本とも15年後に利益がでていました。
一番利益がでた「海外型インデックスファンド」の利益額は約182万円。
20%課税されないという事は、約36万円儲かったということです。
毎月1万円の積立ですから、36ヶ月分(3年分)に相当しますね。大きいです。
税制メリットをできるだけ利用したい人は、「iDeCo」と「つみたてNISA」の両方を研究してみましょう!
税制メリットを最大限活用したいですね。そのためには、どのような投資信託を選べば良いのでしょうか?
投資する資産は株式?債券?
投資する国は、日本?先進国?新興国?
投資するタイミングは?
毎月積立の仕組みを利用するのが良いのか?
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