ファイナンシャルプランナー青山 創星

2020年 06月 01日

バフェットの投資法をしっかり学びたい方へのおすすめの書、3選(その3)

こんにちは、青山創星です。

BOS(バフェット・オンライン・スクール)で学んだ学生の方々が更にバフェットの投資法を深く理解するには何を読んだらいいでしょうか?

今日はその最後、3冊目のご紹介です。

これは、

私たちの先生メアリー・バフェットさんではなく、パット・ドーシー氏の書かれた本です。
パットさんは、Dorsey Asset Managementの創設者で、Dorsey Asset Managementの公式ページによると、
「2000年から2011年まで、パットはモーニングスターのエクイティリサーチのディレクターを務め、モーニングスターのエクイティリサーチグループを20人から90人のアナリストに成長させました。パットは、モーニングスターの経済的な堀の格付けの開発と、競争上の優位性を分析するためのモーニングスターのフレームワークの背後にある方法論に尽力しました」(Google翻訳)とあります。

本の名前は「千年投資の公理 売られすぎの優良企業を買う」(原題:The Little Book That Builds Wealth: The Knockout Formula for Finding Great Investments)です。

 

amzn.to/2BcBY0X


この本の原著が発行されたのは2008年3月3日。
リーマンショックのあった2008年9月15日のちょうど半年前です。
2007年ころからサブプライム住宅ローン危機が起こり始めていましたが、株価暴落の起きた半年前にこの本を既に書いていたことになります。

リーマンショックの当時、この著書を手にし活用できた人々は大きな経済的利益を得ることができたのではないかと想像します。
そして今、再びこの著書が大きな価値を持つ時期を迎えています。

BOSで学んだ学生にとっては、MOAT(経済的堀)は最も難しい概念だったと思います。
それは、数字で表わされるような客観的なものではなく、極めて主観性の強いものだからです。

この企業にはMOATがあるのか、あるとすればそれはどのようなMOATなのか、見つけ出し、判定するのには手こずっているのではないでしょうか。

そんな方のためのMOATの教科書と言ってもいいのが本書です。

無形資産、乗り換えコスト、ネットワーク効果、コストの優位性、規模の優位性、どれも習ったことのある言葉です。

それぞれについてたくさんの事例を挙げながら説明されています。

BOSで学んだことをより深く理解できるでしょう。

 

本書では、MOATがある企業かどうかを判断するためのステップを3つのステップに分けて説明しています。

ステップ1:過去に堅調なROCを示しているか

ステップ2:MOATのうち1つ以上あるか

ステップ3:MOATはどれくらい強力か。それは長期間持続するか、それとも短く終わるか

そして、モーニングスター社では、MOATのある企業を2つに分類しています。

WIDE MOATを持つ企業とNARROW MOATを持つ企業です。

WIDE MOATを持つ企業は概ね20年間NARROW MOATを持つ企業は概ね10年間、そのMOATが有効性を保つとしています。

 

ここで、BOSの学生には聞きなれないROCという言葉が出てきます。

ROCというのはReturn on Capitalの略で、資本利益率のことです。
ROIC(Return on Investment Capital 投資(下)資本利益率)と呼ばれたりもします。

               ROC=利益÷資本

利益には営業利益を置く場合が多く、経営者目線での指標と言われたりもします。

「企業がどのくらい効率的に資産ーー工場、人材、投資などーーを活用して株主のために利益を生み出しているかを測定するための指標」です。

 

BOSで学んだ、ウォーレン・バフェット氏が好んで使っているのは、ROE(Return on Equity 自己資本利益率)でしたね。

               ROE=当期純利益÷自己資本

こちらは、投資家目線の指標と言われたりもします。

ROCとROEの大きな違いは、分母の違いにあります。
何を使って生み出した利益の割合かということです。
分母がROEは自己資本ですが、ROCは自己資本+有利子負債です。

つまり、ROEは株主が投下した資本を使ってどれだけの利益を上げたのかROCは株主の投下した資本に加えてその企業が借り入れによって調達した負債を加えた資本を使ってどれだけの利益を上げたのかという指標だというわけです。

この本では、ROIC(ROC)に重きを置いています。
たくさん借り入れしてその利益を出している場合は、利益は同じであってもROCに比べてROEが大きくなります。
逆に言うと、ROEが大きくなっていてもその原因はたくさんの借り入れによるものかもしれない、それを見抜くためにはROICの方が役立つというわけです。

借り入れをすることがわるいということではありませんが、多すぎる借り入れは利息負担や返済の負担が大きくなるので経営にとってマイナスの影響を与えやすいことに注意が必要です。

 

 

ちょっと横道にそれました。

そして、この本では割安株を探す評価のためのツールとして、4つの倍率(PSR(株価売上高倍率)、PBR(株価純資産倍率)、PER(株価収益率)、PCFR(株価営業キャッシュフロー比率))と利回りについて説明されています。
これらのツールを組み合わせてこの本に書かれた5つのヒントに従って、練習とある程度の試行錯誤を重ねれば割安の銘柄を見極める能力が身につく、とされています。

 

そして、優れた投資家になるためには、幅広く情報を集めなければならないとしながらも、「短期のマーケット動向や、マクロ経済のトレンドや金利予測などについて読むよりも、企業に関する記事を読んだ方が投資のプロセスでは、はるかに価値があると筆者は考えている」「1冊の年次報告書の方が、FRB議長のスピーチ10回分よりずっと価値がある」としています。

これはまさにウォーレン・バフェット氏の考え方と一致していますね。

 

年間200ドルほどの会費を払ってmorningstarの有料会員になると、morningstarのMOATの分析や適正価格の数字を見たりすることができます。

この部門の礎を築いたのがこの本の著者であるパット・ドーシー氏というわけです。

 

私の知る限り、日本語で書かれたMOATについて理解を深めるための唯一の良書だと思われます。

奇しくも10年ほど前のクラッシュの直前に書かれたこの本が、その時にもまして輝きを増しているかのように感じるのは私だけでしょうか。

BOSの学生なら手垢で擦り切れるくらいになるまで読み込むとよい本ではないでしょうか。


青山創星

P.S.

BOSで学んだ外国株と外国株オプションを組み合わせた投資手法を実践するためには、IB証券(インタラクティブ・ブローカーズ証券)ほぼ一択の状況でした。

しかし、今般サクソバンク証券でも外国株オプションを取り扱うこととなり選択肢が広がりました。

では、IB証券とサクソバンク証券のどちらを選んだらいいのでしょうか?

どちらもカタカナの名前で似たような感じです。

しかし、両社は全く異なります。

いざという時にどうなるかや手数料やサービスの内容などあらゆる面で全く異なっています。

ネットを検索してもほとんどその違いを知るための情報にたどり着くことはできません。

そこで、それについてまとめてみました。

書き加えているうちに1万5千文字ほどになってしまいました。

前半は無料ですが、どちらを選ぶかの基本的な事項は網羅されていると思います。

後半はちょっとマニアックな内容で有料となっています。

現在格安でご提供させていただいています。

6月2日で価格がアップします。

ご興味のある方は今のうちにご購入いただければと思います。

<記事はこちらからどうぞ>
bit.ly/2XPcChz

 

 

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