ファイナンシャルプランナー井上 佳子

2020年 05月 22日

葬儀一式40万円のカラクリ

先日私の友人がお父様の葬儀を執り行い、その費用を巡って嫌な思いをしたという話です。

「互助会に入会していただくと葬儀一式が40万円でご利用いただけます。」私の友人は40万円でできるなら安いし面倒でないと説明を受けたあと、即入会したそうです。
でもまさかこんなに早くお父様とお別れする時が来ようとは思ってもいなかったようですが、実際にその日が来ると何をどうしたら良いのか?
ただでさえ悲しく辛いのに・・・・。

互助会に連絡して、お葬儀は無事に行われ故人を見送り、やっと落ち着きを取り戻そうとした頃に葬儀社からの請求書を見て愕然としました。
「葬儀一式40万円」が150万円を超える請求だったからです。

友人は、どこに訴えたらいい?
40万円を超える部分は支払いたくない、約束が違う!と主張しています。
そんな悪徳業者は許せないから訴えると言うのです。
友人の言い分はもっともな気もしますが・・・・・?
そんなに悪徳業者ばかりじゃないような気もします。

葬儀の費用は大きく2つで成り立っていることはご存知ですか?
1つは、「葬儀一式」の部分。
2つ目は「実費」の部分。
そもそも、急を要する状況下だと見逃しがちな部分も多いですから、しっかりとポイントを抑えておきましょうね。

まず、「葬儀一式」:祭壇一式、棺、安置費用、人件費および諸経費
   「実費」  :通夜飲食代、香典返し、式場利用料、火葬料など
参列者の人数によって変動する費用は、葬儀一式には含まれないのが一般的な葬儀費用となります。
そして実際の支払いはこの「葬儀一式」と「実費」の合計金額となるわけです。

この仕組みを理解していないと「予算は300万円でお願いします。」と依頼したところ、豪華な祭壇の葬儀一式を用意され、そこに実費が加わって総支払額が500万円でした。ってことになりかねないのです。
このようなトラブルは実際にあるようですから注意が必要です。

トラブルを回避するためにも「見積書」を取ってください。できれば2社以上取りましょう。見積書はどこの業者でも出してくれます。応じないならそこは使わない方が良いと思います。
支払いの時のトラブルは多くの場合、依頼する側が葬儀費用の仕組みを理解していないことに起因します。見積もりを取って、その中身についてしっかり確認をしてください。

葬儀トラブルの背景として、病院に出入りしている葬儀社に依頼してしまう、ということが多いようです。その業者が悪いと言うわけではありません。
遺族の方は身近な人の死に接して悲しみの中にありますから、また気も動転しているでしょう。そんな中で早く手配をしなければと焦ってしまいよく考えないで依頼してしまうことが多いのです。
そしてちゃんと要望を伝えられず、つい「お任せします。」とか「普通でお願いします。」などと言ってしまうのです。その結果、想定外の請求額に愕然としてしまう。支払いの時になって気づいても契約書にサインしてしまった以上はもうどうすることもできないのです。
ですから複数の業者から見積もりを取ること、内容についてよく吟味し確認をすることを心がけておいてください。
お住いの近くに複数の業者がなくても、今はネットなどですぐ業者は探せますし、比較検討のためだけでもネットで見積もり依頼をしてもいいですよね。

見積書を見る時に気をつけて欲しい点。
総額はもちろんですが、まずは、「葬儀一式」(固定費)と「実費」(流動費)がきちんと分けて明確に記載されているか?
実費の飲食代や香典返しの部分が人数分の総額になっているかを見てください。
ダメな見積書では1人あたりの単価だけが記載されています。

通夜飲食代30万円(3000円×100人)
香典返し代36万円(3000円×120人)など具体的に想定人数で計算してある見積書が信頼できます。この人数が変われば総額がかなり変わってきますから、この人数分の総額はたとえあとで変わるにせよ頭に入れておきたいのです。

また、式場についても要チェックです。
人数によって規模が変わってくるため、見積書に式場利用料が記載されてない場合があります。100人規模の2日間の式場代は20万〜30万円が相場です。最終的にその分が増えることになります。
この点も担当者に確認するようにしましょう。

仏式の葬儀の場合は、お布施がかかります。これは葬儀代とは別枠です。お布施には読経と戒名の一式が含まれ、この戒名の「位」で価格が大幅に違ってきます。
本来、お布施は「お気持ち」ですが、昨今では葬儀社、僧侶が用意した「お布施の目安表」なるものが用意されているようです。
宗派によっても変わるようですから、注意が必要です。

戒名(浄土真宗では「法名」)の位別金額

・ 院居士・院大姉 : 100万円〜
・ 院信士・院信女・居士・大姉 : 50万円〜
・ 信士・信女 : 10万円〜
これがよく見かける相場です。

これを書いていて、ふと考えました。もしも、私の両親が他界したら、どの「位」が適当なのかしら?
今はぴんぴんしてますが、二人ともとうに85歳を超えてますからね、もしもの時に備えて今しっかり考えようと思います。

見積書の内容で、その他にも「式場大看板」「指差し案内看板」が記載されていたら注意してくださいね。
本当に必要か、希望するのか?
無駄な費用は省きましょうね。

・ 霊柩車は必要か?・・・式場と火葬場が併設されていたらストレッチャーで良いのでは?
・ エンバーミング・・・最近耳にする言葉ですね。ですが、あまり一般的ではありませんから、
           「皆さんされてますよ。」は無視で良いでしょう。
・ 花祭壇を供花組み込みに出来たら30万円くらいは節約できるかもしれませんね。
  (1基15,000円の供花を外部からいただいた供花を祭壇に使う場合、20基で)
・ 通夜の料理・・・足りないと困るからと多めに用意しても、大抵はあまります。一般的には想定
参列者人数の5割〜6割が適正と言われてます。100人なら60人前で充分ではないですか?

あとは、施工例の写真を見せてもらいましょう。
担当者の好感度も重要です。信頼できそうですか?

お葬式の後悔は法事のたびに思い出すようです。親戚の法事のたびに同じ話を聞きます。
たまに会う親戚なのに、話題はそれしかないの???と思いますが、それくらい悔やまれたのだとも言えます。
ちょっとだけ頭の中に入れておいてくれて、後悔のない葬儀社選びの参考になれば幸いです。

ありがとうございます。


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