村松 繁

こんな定期預金があったら、銀行に並びますか?

1915年、新潟のある銀行が実際に、この商品を販売しました。

「当銀行から超高利回りの定期預金が発売されます。 金利は6%(1年複利)です。満期前に解約したら金利は0.01%(1年複利)となります。 最低預入金額は50万円 運用中の課税はありません。」

当時、新卒の初任給は20円程度だった時代です。

その時代に50円が最低の預け入れだとしたら、今でいうと50万円くらいの感覚です。

金利は6%。100年後、

「父の遺品を整理していたら、満期になる証書が出てきた」

と言って銀行に証書をもって来た人がいました。

確かに証書としては有効だったそうです。

しかし、その方は満期の手続きをせずに、

「記念に保管します」

と言って証書を持ち帰ったそうです。

どうしてでしょう?

金利6%で100年間預けると、計算上339倍になります。

当時の価値として、初任給の2.5か月分、50円を100年間預けた結果、

利息が16,950円、元本50円を合わせて、払い出し金額は17,000円です。

もし、この商品が現代に発売されたとしたら、

預け入れ金額50万円は、100年後に1億7000万円です。

100年前に契約した方と同じように、みなさんはこの商品を求めますか?

問題は100年後、1億7000万円がどのような価値になるのか?ですね。

100年前から今に至る過程で、2度の世界大戦や、高度成長などがあり、

6%の金利が付いても、お金の価値の下落には追い付かなかったわけです。

お客様のお金が、将来にも価値のあるものであり続けていただくために、

長期にお預かりするお金については

敢えて元本保証の商品をご案内しない。

そんなスタンスで、アイマークは個人営業時代から20年間、

運用商品をメインとする提案を続けてまいりました。

新型コロナウイルス対策として、

世界中の政府がお金を国民に供給しています。

経済理論から言ったら、この状態はお金の価値を落とします。

それが、インフレーション(インフレ)につながります。

6%複利でも対応できないようなインフレに打ち勝つ対策を、

できるだけたくさんのみなさんと実行し、

元本保証の不安定さに対しては、伴走者としてフォローしていく姿勢で臨んでいきます。