ファイナンシャルプランナー森次 美尊

2021年 01月 01日

夫婦で申込む住宅ローンをおすすめできない理由。特徴とメリット、デメリットについて。

夫婦で申込む住宅ローンをおすすめできない理由

こんにちわFPの森次です。

最近は女性の社会進出が普通になり共働き夫婦で経済力がある家庭が増え、

住宅取得についても夫婦それぞれが2本立てローンを組むケースが増えています。

コロナの影響でテレワークなども普及していき、

住居には今まで以上にこだわる方が増えるかもしれません。

こだわればこだわるほど住宅費があがるかもしれません。

住宅ローンを借りるとき、銀行などの金融機関は、

借主の年収や仕事からこの金額までなら貸せますよという上限を計算します。

もし、欲しい家の見積額を銀行が貸してくれなかったら?

一般的な方法は4つです。

ご主人一人でほしい家の見積額を借りれない時は?

1、コストカットしていき住宅費を下げる

2、頭金を準備する

3、住宅ローン以外のローンをプラスで組む。

4、夫婦でローンを申し込む

ではないかと思います。 

1、コストカットしていき住宅費を下げる

これは、不動産屋やハウスメーカーが当然反対してきます。

というよりそうさせないようにあらかじめ手を打ってくるでしょう。

つまり2.3.4を最初のうちに準備確認してきてるので、

なかなかあとから1に話がいくことは稀です。

具体的には、頭金は準備できるのか、ぎりぎりなら奥様の収入はあるか、

などを確認しておき、場合によっては夫婦でローンを申し込むように最初から勧めてくるでしょう。


2、頭金を準備する

これはできない人はできないですよね。

できたとしても、住宅購入時は、家電や家具代、引っ越し費用などもかかります。

手持ちの貯金だってある程度は必要です。

当初の予定より無理して頭金をいれたら、購入後に大きなリスクを背負うことになります。

このあたりは決して無理しないように

第3者(ハウスメーカー、銀行以外)に相談しライフプランを作成することをお勧めします。


3、住宅ローン以外のローンをプラスで組む。

これはとても金利が高くなるのでお勧めできません。

ということで、


4、夫婦でローンを申し込む

最近では気軽に、夫婦で住宅ローンを申し込みケースが増えています。

銀行や不動産屋にとってはメリットですが、お客様にとってはどうでしょうか?

よく言われるのは『住宅ローン減税』をフル活用できるから、

という理由で勧められますが、是非そこは慎重に考えてください。

住宅ローンは借金です。

しかもとんでもなく大きな借金です。

簡単に勧められますがそこにはリスクがあることを理解し慎重に判断してください。

一般的に夫婦で申込む場合

3つの方法があります。

夫婦で申込む3つのローン

1、連帯保証型

まずはこちらを検討するべきじゃないでしょうか。

というのも、この方法だと、夫婦の収入を合算して、借入額の上限を持ち上げるだけなので、

取得する住宅の所有権は単独名義になります。

つまり、よりご主人一人のローンに近くなり、借り換えや、離婚時のリスクは少なくなります。


収入合算者は連帯保証人になります。

合算者である連帯保証人は

債務者が返済不能となったときには返済義務を負うことになります。

離婚時に、連帯保証人を外す手続きを忘れないようにしなければいけません。

通常は他の連帯保証人を立てれたら外せます。


また、連帯保証人は直接債務を負っているわけではないので、

住宅ローン控除を利用することはできません。(これがこの方法の最大のデメリットでしょう)

2、連帯債務型


夫婦のどちらかが住宅ローンの主債務者となり、


もう一方が連帯債務者として、同じく債務を負う方法を連帯債務型といいます。

連帯債務者は主債務者と同等の返済責任を負います。

つまりローンは1本なのだが、主債務者が2人いて同等の責任があるということです。

取得する住宅の所有権は夫婦共有名義です。


住宅ローン、贈与、相続、現金などすべてを含めて、住宅取得のために夫婦のどちらがどれだけ出資したかに応じて


所有権の持ち分を登記します。


そして、その住宅ローンの割合で、住宅ローン減税も受けることになります。

ここ、かなりややっこしいのでまとめますと、

銀行 → 夫婦ともに同等の責任つまり、100%:100%で借金を背負ってると考えます。

司法書士(法務局) → 登記上は、実際の拠出額で見ます(間違うと贈与と見なされますので注意です!)

つまり、頭金も含めてどちらがどれだけ出したかで登記します。

例えば

3000万の家の頭金を妻の親からの住宅資金贈与で拠出した場合、

すでに妻が1000万拠出したわけですから、夫婦ともにローンを組むと

残り2000万のローンの割合を夫婦で決めます。

例えば割合が半分ずつですと、

夫ローン1000万:妻ローン1000万+贈与金1000万となり、

登記上は、3分の1が夫、3分の2が妻となります。

税務署 → 住宅ローンの割合は1000万ずつなので、

そのそれぞれの割合で住宅ローン減税を受けることになります。

この特性を活かし、住宅ローン減税をMAXで受けれるように、

住宅ローンの割合を決め、その形に添った持ち分割合で登記をする必要があります。

例えば

上の場合で、夫婦1000万ずつにしたとしても、奥様の方は500万ぶんが住宅ローン減税のMAXであれば、

住宅ローン割合は夫1500万、妻500万にしたほうがいいですよね?

でも、その後妻が産休や育休、時短勤務の可能性もあるのであれば、

ご主人の住宅ローン減税のMAXを調べる。

それが仮に1800万なのであれば、

住宅ローン割合は夫1800万、妻200万となります。

そして、そこから登記上の持ち分割合を決めるので、

夫ローン1800万:妻ローン200万+贈与金1000万となります。

つまり、その住宅の持ち分を、夫1800万:妻1200万で登記することになるわけです。

あとは、連帯債務型を選ぶ最大の注意点として団信の問題があります。

団信=団体生命保険

つまり、債務者が万が一お亡くなりになってしまったときに、

ローンがなくなるように(支払い免除になるように)

死亡保障をつけておく機能です。

連帯債務型の場合の団信の特徴

・基本的には主債務者が加入。

・連帯債務者は金融機関によって異なる

例えば夫婦ともに加入できる「デュエット」という商品などもあります。


・主債務者死亡時の保障額を100%または50%に設定しておく団信などもあります。

が!これすべてにリスクがあることを知ってください!

連帯債務型ローンを選ぶ場合は、団信には加入せず、

民間の死亡保険でカバーすることをお勧めします!!

なぜか!?

連帯債務型の場合、上記のように

夫婦ともに同等の責任、つまり、100%:100%で借金を背負っています。

仮にその状態で、ご主人がお亡くなりになると?

自分の借金がなくなったことになりますので、

債務免除益として、奥様の一時所得扱いになり、

税金が課税される可能性があるということです。

他のタイプの団信や、民間で死亡保険に入っておけば、

相続扱いになり、通常は税金は課税されないのがほとんどです。

もちろん銀行の取り扱い商品次第で、

ご主人は団信加入必須である場合もありますが、

可能なら、団信には加入せず、民間の生命保険会社での死亡保険で準備しましょう!

3、ペアローン


1つの住宅について夫婦がそれぞれ住宅ローンを利用する方法です。

住宅ローンを2本組むので、夫婦それぞれに団信が付き、

それぞれがそれぞれの住宅ローン残高分の住宅ローン控除を受けれます。


ペアローンは2つのローンを借りるので、

1人は固定金利型、もう一方が変動金利型というようにミックスローンとすることもできます。


2本立てのローンになり、それぞれが自分で債務を負うとともに、

互いに相手方の連帯保証人になります。


取得する住宅の所有権は夫婦共有名義です。

持ち分は上記の連帯債務型といっしょで、実質の拠出額に準じる形となります。

事務手数料や契約印紙代・抵当権設定登記費用など

諸費用が原則として2契約分必要になります。

(これがペアローン最大のデメリットです)

また、申し込み時に夫婦それぞれの審査が必要になり、

それぞれが審査基準を満たさなければ利用できません。


また個人信用情報もそれぞれ提供する必要があります。

ペアローンと連帯債務型は、金融機関によって、

どちらか一方のみを扱っている場合が多いように思います。

次に一般的に考えられる2つリスクについて説明します。

1、借り換え

住宅ローンを、ペアローンもしくは連帯債務型で借りた場合、

その時点でどちらかの収入がないとか、将来借換えすることになったときは、

夫婦がそれぞれの借り入れ分をそれぞれ同時に借換えなければなりません。

また、仮にどちらか一方がローン全額を借換えることができたとしても、

もう一方は経済的利益を得たものと見なされ、贈与税が課税されることがあります。

2、離婚


ともに住宅ローンを利用している夫婦が離婚することになると、


ローンをどう処理するかという問題に直面します。


住宅を売却して完済することに合意すれば問題ありませんが、


売却しても住宅ローンを完済できないとか、


どちらかが住宅に住み続けたいとなると解決が難しくなります。


例えば妻の持ち分を夫が買い取ることも考えられますが、


その資金を住宅ローンで調達しようとすると、


離婚届を提出する前であれば親族間売買となるため一般的には融資が承認されません。


住宅を出た者のローンは、その住宅に住まないことから、


「住宅」ローンではないとして一括返済を求められることもあります。


また無事離婚はできたものの、保証人の位置をそのままにしていることを失念していたために、


数年後に前夫の債務の返済請求が来たという例もありますので注意が必要です。

まとめ


住宅ローンは返済が長期にわたるため、将来を見据えてライフプランに合わせた選び方が大切です。


一般に夫婦共働きの場合、夫婦ともに住宅ローン控除を受けられるような借り方を考えますが、


将来夫婦どちらかが仕事を辞める可能性がないか、


夫婦とも将来にわたって働き続けるのか、


一旦育児休暇を取得してから復帰するかなど、


ご相談者によってライフプランも異なると思います。

まずはご主人一人での住宅ローンを検討し、

やむを得ず夫婦で住宅ローンを検討するときは、

しっかりと、思いを伝えたライフプランを作成し、返済計画を立て

自分たちにあった形の住宅ローンを探しましょう。

 最後までお読みいただきありがとうございます。


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