ねんきん定期便相談事例集|ねんきん定期便に関わる相談事例をまとめました。

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ねんきん定期便の見方に関する相談事例 メイン

2018年 05月 07日

ねんきん定期便が封書できました。見方がわかりません。

ご相談者様DATA

(年齢)59歳

(名前)田澤 昭文 さん(仮称)

(職業)農産物加工会社役員

(性別)男性

(家族構成)妻57歳 長男27歳

相談しようと思ったきっかけ(アンケート抜粋)

先日地元で開催された「ねんきん定期便の見方」というセミナーを受けました。そろそろ老後のことが気になってきており、勉強しようと思ったからです。ねんきん定期便のハガキは毎年受け取っていたのですが、保管しておらず、セミナーではモデルケースで説明を受けました。とても興味深い内容だったので、今年の誕生月を楽しみにしていましたが、今年は封書で、だいぶ形の違うものが届いてしまいとまどっています。おそらく、節目の年に送られてくる定期便なのでしょう。もう一度詳しく教えてもらいたいと思い、セミナー講師の寺田さんに相談しました。

 

ご相談内容

今回届いた「ねんきん定期便」には、セミナーで伺った、これまでの加入期間や、老齢年金の見込み額の他に、これまでの加入履歴が載っていますが、見方がよくわかりません。表の見方と、この定期便をみて何かしなければいけないことがあれば教えて欲しいとのご相談でした。

 

ご相談でお話しした内容

ハガキと封書の違い

(出典:日本年金機構)

「ねんきん定期便」は毎年1回誕生月に、国民年金・厚生年金保険の加入者に対し送られています。35歳、45歳、59歳以外の方はハガキで、35歳、45歳、59歳のお誕生日を迎える方には封書で送られます。35歳、45歳、59歳がなぜ節目の年になるのでしょう。

年金の受取りに必要となる加入期間を確保しているか確認しておきたい歳だからです。

平成28年8月以降に老齢年金の受給資格期間が原則25年から10年に短縮されたのはご存知ですね。ですが、短縮されたのは老齢年金の資格期間だけです。すでに老齢年金の受取りが始まっている人などの死亡によって遺族年金を受け取るためには、保険料納付済み期間が原則25年以上必要となることは変更されていません。

35歳は60歳まであと25年の節目。もし、今まで保険料を全く払っていない方は、今から25年払いましょう!というお知らせ。45歳は20歳から25年の節目。遺族年金の要件そろそろ満たしているかという確認が必要な年です。そして、年金の請求を目前にした59歳の方には、今までの年金記録に漏れや誤りがないか確認してもらうために、封書が送られています。

ご相談者の昭文さんは、ご自身のねんきん定期便を見て自分史をみているようだとおっしゃいました。この頃、大学でバイトをしていて、親から援助もなかったから、保険料を払えなかったとか、そういえば、この辺りで転職考えたんだなあ、など、振り返りのきっかけにもなるツールです。

封書版ねんきん定期便の見方

1.これまでの年金加入期間

ここは毎年送られてくるハガキと同じです。

(日本年金機構のデータをもとに筆者が作成)

これまでの国民年金加入月数122月と厚生年金加入月数283月を合わせた月数が表示されます。昭文さんの場合、合計405月。老齢年金受給資格期間120月をクリアしています。

2.老齢年金の見込額

ここも毎年送られてくるハガキと同じです。

(日本年金機構のデータをもとに筆者が作成)

昭文さんの場合、65歳からの老齢基礎年金は682,588円。老齢厚生年金は報酬比例部分532,913円と経過的加算部分236円。合計で1年間の年金見込額は1,215,737円です。昭和32年生まれの昭文さんは、年金支給の開始年齢を60歳から65歳へシフトする改正の経過措置として、63歳から特別支給の老齢年金532,913円が支給見込みとなっています。

昭文さんの会社は60歳が定年です。それまでの給与に大きな変動はないだろうとのことで、この見込額がほぼ確定となるであろうお話を付け加えました。なぜなら、年金見込額は、ねんきん定期便発行時点の被保険者状況が60歳まで継続されることを前提とした見込額であり、当然ながら収入の増減等があれば、見込額も変動するからです。

3.これまでの年金加入履歴

ここは、今までのハガキになかった情報です。

(日本年金機構のデータをもとに筆者が作成)

表示されている「年金加入履歴」に「もれ」や「誤り」がないか確認します。

チェックポイントは2つ

①最初に資格を取得した年月日の前に学生で国民年金に加入していたり、妻の扶養で国民年金に加入していなかったか?

②加入制度が変わるタイミング(国年から厚年に変わっているところ)または加入履歴の最後に空いている期間はないか?例えば、勤めていた会社の合併や社名変更があった。転職の時に年金手帳が複数回発行されていた。自分の名前にいくつかの読み方があるなどの事情があると、記録漏れが発生していて空白の期間がある可能性があります。

昭文さんが確認したところ、何回か転職されていましたが、空き期間もなく間違いはありませんでした。

4.これまでの厚生年金保険における標準報酬月額などの月別状況

厚生年金加入時の標準報酬月額が記載されています。表示されている金額が、当時のお給料と大幅に違っていないか確認する必要があります。大幅に違っていた場合は、お勤めの会社で申告が誤っていた可能性がありますので、わかる限りの情報を、同封の「年金加入記録回答票」に記入して、日本年金機構へ提出しましょう。

(日本年金機構のデータをもとに筆者が作成)

空欄の所は国民年金のみに加入していた月(国民年金保険料は、収入に関わらず定額なので、標準報酬月額という考え方がそもそもありません)で、何年も飛んでいるところは、その間ずっと国民年金のみに加入していたことを表しています。

5.これまでの国民年金保険料の納付状況

国民年金のみ加入時の納付状況が記載されています。厚生年金に年度すべて加入の年は表示されていませんが、1年のうち、国民年金のみと厚生年金加入が混在している年は、厚生年金加入の月が「/」と表示されています。

(日本年金機構のデータをもとに筆者が作成)

昭文さんの場合、学生時代国民年金保険料を払っていない期間が何年かありました。その期間は「未納」と書かれています。「未納」は受給資格期間に算入されません。ご自身のお子さんには「学生納付特例制度」を活用していらっしゃるようですが、ご自身が学生の時にはまだこの制度がなかったのです。(学生納付特例は2000年4月より開始)特例制度で猶予を受けた場合、その期間は支払いをしないので、将来の年金額には反映されませんが、障害基礎年金や遺族年金を受け取るための受給資格期間には算入されます。猶予や免除申請を利用して、できる限り「未納」をなくすことが得策です。

後納制度もありますが、昭文さんの場合未納期間が30年以上前になります。現在の後納制度は、平成27年10月~平成30年9月までの3年間に限り、過去5年分まで納めることができる制度なので対象外でした。後納制度や追納制度を使うと、将来の年金額を増やすだけでなく、払った年は社会保険料控除の対象となり、所得税や住民税の軽減にもなります。ご本人の後納はあきらめるしかありませんが、お子さんが現在猶予している分は早めに追納することをお勧めしました。

まとめ

ねんきん定期便をじっくりご覧になった昭文さんは、今までの歩みを振り返りながら、楽しく確認ができたと喜んでおられました。ただ、学生時代が長く、保険料未納が多かったことと、自営で事業をされていた時間が長かったせいで年金見込額は月にすると10万円程度、奥様の年金と合わせても20万円をきるくらいです。今後元気ならば、70歳までは働き続けたいと考えておられます。年金をいつから受け取るのが一番いいか、次回、セカンドライフ・サードライフまでの資金設計のご相談をお約束させていただきました。

また、昭文さんが役員を務める会社の福利厚生のご相談もお受けすることになりました。今回のねんきん定期便のお話から、国の制度をしっかり理解し、早い時期からご自身のライフプランを見据えた資産形成の必要性を感じていただいたようです。今の会社には退職金制度がないため、従業員のためにもなにか制度を講じたいとのお話です。企業型確定拠出年金の導入や従業員様向けライフプランセミナーの実施など、ご提案にお伺いする予定です。

※記載されている老齢年金額などの数字は筆者が試算したものであり、特定の個人の情報ではありません。

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