ねんきん定期便相談事例集|ねんきん定期便に関わる相談事例をまとめました。

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2018年 05月 29日

子供達の学生納付特例制度、払ってあげるべきですか?

ご相談者様DATA

(年齢)53歳 藤堂 綾子さん(仮称)

(職業)学習塾講師(自宅で開催)

(性別)女性

(家族構成)夫55歳(私立高校教員) 長女28歳(結婚し県外在住)

                 長男26歳(未婚 就職し県外在住) 次女24歳(未婚 同居 地元銀行勤務)

 

相談しようと思ったきっかけ(アンケート抜粋)

次女が小学校の時お世話になった担任の先生が定年を迎え、お祝いの会をやることになりました。小さな学校で1クラスしかなく親子ともども仲が良かったので、久々に親達も集まりました。末っ子の多いクラスでしたので、子育て一段落の人も多く、誰からともなく、大学でお金が苦しかった時の話になり、特例の申請をしていた何年かの年金、穴埋めした方がいいのかしら。という話になりました。その日、結論は出なかったのですが、私も子ども3人全員に特例申請をしています。収入のない学生時代の年金は、払ってあげるのが親の責任なのかもしれません。同じ学年に地域でマネーセミナーを開催している寺田さんがいることを思い出し、相談してみようと思いました。

 

ご相談内容

今まで3人のお子さんの学費や生活費に追われていた綾子さん。金銭面も少しずつ楽になってきました。ずっと払ってあげなくちゃと思っていたお子さんたちの学生納付特例の穴埋めをどうしようかと悩んでおられます。3人は全員大学在学中、特例の申請をされていたので、20歳から約2年間ずつ年金記録に穴が空いてしまっています。長女の分から順に払ってあげればいいのか、親が払ってあげられるのかなど、詳しいことをお聞きになりたいというご相談です。

 

ご相談でお話しした内容

ご質問にお答えする前に、学生納付特例制度のポイントをお伝えしました。

 

学生納付特例制度とは?

現在、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての方に、国民年金への加入が法律で義務付けられています。

20歳の誕生月の前月または当月上旬に日本年金機構から「国民年金被保険者資格取得届出書」が送られますので、市役所に提出します。その際、綾子さんのお子さん達のように、大学などの在学中で要件を満たし、納付を猶予したい場合は同時に「学生納付特例制度」の申請書を提出することができます。

(出典:日本年金機構)

 

要件とは?

前年所得が基準以下の学生を対象としています。

前年所得の目安

118万 + 扶養親族等の数×38万円 ≧ 前年所得

綾子さんのお子さん達は、バイトはしていたものの、お子さんが扶養していたご家族はいませんでしたので左側の計算は118万円。バイトの所得も月4万円をこえる収入はなかったようなので、前年所得は118万円を超えることはなく対象になります。

また、対象になる学校にも制限がありますが、学校教育法で規定されている修業年限が1年以上の過程がある学校。という定義なので該当し、対象となりました。

 

審査結果の確認

申請書提出後、日本年金機構から「承認通知書」が届きます。承認期間は4月~翌3月の1年間です。

 

承認され猶予を受けた場合、将来受取る年金は?

将来受取る年金の受給資格期間(現在120ヶ月)には算入されますが、年金額には反映されません(老齢年金の額は増えません)。メリットとしては、申請することによって、万一のことが起きた時保険料を納めていないと受取れなくなる「障害基礎年金」や「遺族基礎年金」を受取ることができるようになることです。

 

追納するためには?

さて、ここで本題の追納です。

綾子さんのお子さん達が申請して受けていたのは、「免除」ではなく「猶予」です。「猶予とは、実行時期を先送りし、余裕を与えること」と辞書に載っている通り、先延ばしにしているだけなので、本来払う必要があります。綾子さんは申請当初、お子さん達に詳しく説明せず申請を出してしまったとおっしゃっています。多くの親御さんがそうなのではないでしょうか。3人のお子さん達が大学在学中は、成人と言えど扶養しているわけですので、保険料は払ってあげたかったのですが、経済的にやむを得ず特例を受けていた訳です。綾子さんと同様、いつか穴埋めしたいと思っている親御さんは私の周りにもたくさんいらっしゃいます。

追納の条件

ここで、追納できる期限をお話ししましょう。

追納は遡って10年前の分まで納めることができます。

           過去に学生納付特例の承認を受けた年度の保険料を平成30年度に追納する場合

(出典:日本年金機構)

遡って支払うことは可能ですが、原則古い期間の保険料から納めることになります。加えて、猶予を受けた期間の翌年度から数えて3年度目以降に追納する場合は、当時の保険料に一定の加算額が上乗せされます。追納するには「国民年金保険料追納申込書」を提出することが必要です。

(出典:日本年金機構)

 

追納のメリット

追納することにより、将来の老齢年金(老齢基礎年金)額を増やすことができます。平成30年度の老齢基礎年金満額は779,300円(20歳から60歳までの40年間一度も保険料未納がない方が受け取れる年金額)ですから、1年あたりの加入の価値は約2万円です。(779,300円÷40年=19,483円)従って学生納付特例2年分を追納することで約4万円、65歳以降の終身年金を増やすことができます。

 

綾子さんのお子さんの場合3人とも追納できる期限にまだ間に合うことがわかりました。

綾子さんが3人のお子さん達の保険料を払ってあげるには、もう一つ条件があります。払ってあげるお子さんと、生計を一にしていることです。とすると、長女、長男はすでに婚姻されていたり県外で生計を別にされておられますので、残念ながら直接支払ってあげることはできません。お二人とも順調に頑張っておられるようですので、是非、追納期限までにご自身で穴埋めされることをお伝えいただくようお話ししました。

地元の弘前年金事務所に問合せたところ、学生納付特例の申請をした年から2年度目と9年度目の5月に追納のご案内が届くことがわかりました。2年度目の追納案内はスルーしてしまったかもしれませんが、期限間近の9年度目の案内の際は、是非見逃さず追納することをお勧めします。

次女の娘さんはまだ卒業したばかりで家への生活費を入れてはいるものの同居の事実があるので生計を一にしているとみなすことができます。本来3人同じようにしたい意向はありましたが同居の娘さんの分だけは払うことにお決めになりました。支払いの額は少し大きくなりますが、払った分全額社会保険料控除となり節税にもなります。早速追納申請を年金事務所に出されるようです。

 

まとめ

都市圏以外の子育てでは、大学進学の出費が大きな負担になります。綾子さんの3人のお子さんの内、2人は県外への進学でした。自宅外通学者への仕送り額の年平均は145万円(日本政策金融公庫H28年度教育費負担の実態調査結果)とのデータもでています。学資保険などにも加入して準備はされていたようですが、現実はなかなかきびしい経済状況だったようです。

現在は自宅で学習塾を営まれ、小学生の勉強を見ておられます。個人事業なので、元気なうちは続けられるだけ続けるとのこと。長女のお子様が3歳と1歳。娘にしてやれなかった分、孫のために何かできないかとお考えで、次回ジュニアNISAのご相談で娘さんと一緒にいらっしゃることになりました。

子育てを卒業された綾子さんは、これからご夫婦ふたりの生活を本格的に考える時期でもあります。ご主人様の定年まで、もう少し時間がありますが、まだ老後がピンとこないご主人様とは、私(寺田)が主催するマネーセミナーに二人でご参加いただけるとのことでした。個別ご相談の前にセミナーで全体像を把握していただくのは良い考えだと思います。では、セミナーでお待ちしておりますね(笑)

 

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