大地 恒一郎

新NISA成長投資枠の対象ファンド公表(第1弾)

こんにちは、
FP相談ねっとの金融教育家、投資信託ナビゲーターの大地恒一郎です。

2023年6月21日、投資信託協会は、下記の通り「新しいNISAの成長投資枠対象商品リスト」を公表しました。
(投資信託協会のウェブサイトから引用)


その内訳は、非上場の投資信託が、941本、上場投資信託(ETF)が54本、上場投資法人(REIT等)が17本となり、合計は1,012本でした。
詳しくは、こちらのサイトでご確認ください。
www.toushin.or.jp/static/NISA_growth_productsList/

皆さんも既にご存知の通り、2024年から始まる新しいNISA制度においては、現在の「つみたてNISA」を引き継ぐ「つみたて投資枠」と、現在の「一般NISA」を引き継ぐ「成長投資枠」が設けられました。

現在は、「つみたてNISA」と「一般NISA」を併用することはできず、どちらか一つを選ぶ必要がありますが、新NISAでは、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」が併用できることになります。

ただ、「成長投資枠」で買付可能な投資信託については、①信託期間20年未満の投資信託、②毎月分配型投資信託、③デリバティブ取引を用いた一定の投資信託等は、除外されるとされていました。

そのため、2023年5月末現在で6,000本弱あるファンドのうち、「成長投資枠」で投資可能なファンドは、どの程度になるのか関心を集めていました。業界筋では、全体の30~40%程度にあたる2,000本程度になるのでは、といわれていましたが、具体的な商品リストの公表が待たれていたところです。

今回公表されたETF・REIT以外の投資信託を運用会社別に見ると、三菱UFJ国際投信のファンドが133本と最も多く、次は三井住友トラスト・アセットマネジメントが103本、そして大和アセットマネジメントが93本、アセットマネジメントOneが86本と続いています。
5月末現在、公募投資信託の運用会社は81社ありますが、そのうち今回の公表では41社のファンドがリストアップされていました。

今回の941本のリストには、「つみたて投資枠」の「対象」か「非対象」かの区分も表示されています。それによると、「つみたて投資枠」の対象となっているファンドが162本入っていました。
また、「つみたて投資枠」の対象ファンドにはならない、主に債券に投資するファンドやテーマ型ファンドも多く見られます。

ETF(上場投資信託)については、今回54本が対象商品として公表されましたが、運用会社の数が5社と少なく、ブラックロック、大和アセット、日興アセットなどのETFはまだリストに掲載されていません。

今回は合計で1,000本余りとなっていますが、投資信託協会では今後の公表スケジュールも下記の通り発表しています。
(投資信託協会のウェブサイトより引用)

上表にある通り、協会では、「各運用会社に、各社が税法上の要件を踏まえ対象として判断した商品について本会に届出をいただき、届出のあった商品について本会で取りまとめのうえ公表することとしています。」としていますので、7月以降も順次、対象商品は追加されていくことでしょう。年末の12月には、2回リストの公表が行われますので、駆け込み届出もあるかもしれません。

新NISAのスタートまでまだ半年ありますので、対象商品リストの更新状況を見ながら、じっくり投資対象のファンドを見極めてみてはいかがでしょうか。