こんにちは。FP相談ねっと認定FPの前田です。
給付型奨学金や授業料が減免される大学無償化制度を利用している学生さんや保護者は、大学生のバイトはいくらまでなら制度を利用できるのか、気になる人も多いと思います。実は、この年収ライン、ここ数年、毎年のように変わっています。
来年も変わると思います。1年前、2年前の情報は今は通用しないので、ここでは、2026年現時点での最新情報をお伝えします。このコラムでは、大学無償化の年収の壁がわかるのはもちろん、2027年はどう変わるのかもお伝えするので、正しい情報をつかんで、損をしないようにしてください。
2026年 大学生の年収の壁
2026年の大学生の年収の壁です。

上記表は『給与収入のみ』の場合。フードデリバリーのバイトなどは、委託契約が多いと思います。この場合、給与所得ではなく事業所得に該当するため、必ずしもこの数字にならない点、ご注意ください。
上記の表を説明すると・・・
年収の壁には社会保険の壁と税金の壁の2種類がありますが、150万円のみ社会保険の年収の壁、他は税金の年収の壁です。さらに、159万円は親の税金に関する壁、110万、134万、178万は学生本人の税金に関する壁です。
大学無償化制度で一番重要なのは『住民税』に関係するラインです。つまり、110万円と134万円です。なぜ、住民税が関係するのかというと、大学無償化の判定基準は「世帯の住民税がいくらか?」で判定されるからです。
世帯全体でいくら稼いでいますか?ということが問われます。通常、住民税がかかり始めるラインは年収100万〜110万円程度です。地域によって住民税がかかる年収ラインは異なりますが、大体100〜110万円です。
なので、この金額以上稼ぐと、学生本人の年収も大学無償化判定に関係してきます。
とはいえ、世帯全体で無償化制度の所得制限内に収まっていれば良いため、このラインを超えたら必ず対象外になるというわけではありません。この年収を超えると住民税がかかってくるため、判定基準に関係ない年収に収めておいた方が安全ということで、住民税発生のラインをバイト代上限の目安にすると分かりやすいということです。
年収の壁を引き上げる方法
110万円が住民税発生の年収ラインですが、もう少し稼ぎたい時は、年収の壁を引き上げることができます。学生さんには『勤労学生控除』という学生だけが使える控除があります。「控除」、つまり、差し引けるものなので、勤労学生控除分の金額はあなたの年収から差し引いて税金を計算します。という制度です。
これを使うことで、住民税がゼロになるラインを引き上げることができます。では、いくら引き上げられるのかというと、26万円です。
では、「110万+26万=136万まで稼げる」ということではありません
なぜなら、110万円と勤労学生控除26万円は同じジャンルの計算ルールではないからです。110万円は一律で住民税がかからない年収ライン、勤労学生控除は、110万のラインを超えて税金の計算スタートラインに立って初めて使える控除です。そのため、110万円と26万円は足し算できません。では、税金計算のスタートラインに立って26万円を使えるとしましょう。
その場合の住民税非課税となる最大年収は134万円です。
ただし、注意点があります。『110万、134万円』という目安は、2026年時点の制度に基づいた金額です。
住民税は『前年の収入』で今年の税額が決まります。つまり、前年の収入で今年大学無償化制度を利用できるかが決まる仕組みになっています。134万、110万は今年の制度を利用できるかどうかの判定基準、つまり去年の年収がこの金額までなら今年利用できるということです。
今年の年収がこの金額以内なら来年制度を使えるということではありません。では、今年の年収(2027年に制度利用するための2026年に稼ぐバイト代)はいくらかというと、
110万円は119万円に引き上がります。134万円は143万円に引き上がります。
勤労学生控除適用には申請が必要
勤労学生控除は学生であれば自動で適用されるわけではありません。年末調整の際に、バイト先から配られる『扶養控除等申告書』の『勤労学生』という欄に自分でチェックを入れて提出する必要があります。
年末調整は電子申告の会社が多いかもしれませんが、紙の申告書の場合は、こんな用紙です。

赤枠の勤労学生の欄に学校名と入学年月日、給料いくらを書いてバイト先に提出してください。
第4区分や多子世帯の場合は?
いわゆる大学無償化というと、国の制度での区分で言うと、第1区分から第3区分を言います。しかし、そのほかにも私立理工農系への支援第Ⅳ区分や、奨学金をもらえる多子世帯の無償化制度を使っているんだけど…という方もいるでしょう。
その場合のバイト代はいくらかというと、同じく110万円(119万円)と134万円(143万円)で基本ルールは全く同じです。支援の枠組みが違っても、学生本人の所得要件は共通していますので、同じように考えて問題ありません。
