塚越 菜々子

やらないほうがいい?iDeCoで節税にならない3パターン

 

iDeCoは節税のためだけにやるものではありません!!!
iDeCoは節税のためだけにやるものではありません!!!

大事なことなので2回言いました(笑)

iDeCoは確かに「節税の王様」といってもいいほどのパワーがあります。どこで聞いても、いの一番に節税推しです。
でも、節税がないからiDeCoはやらない・・・・という考え方はちょっと残念です。そういう案内の仕方をする金融サービス提供者も残念です。

どれくらい税金がお得なのかはいくらでも調べられますので、今回の記事は「iDeCoの節税」があまり効果がない人についてまとめてみました。

節税額の基本:それぞれの所得税(率)しだい

(イメージ画像:イデコナビより)

iDeCoの掛け金でどのくらい節税になるかは、それぞれの所得税率(+住民税率10%)で決まってきます。

簡単に言うと、iDeCoで自分の老後に送ったお金は「税金が掛けられる”もと”」から外すことができます。
所得税や住民税は、所得に対してパーセンテージで決まるものなので、掛ける「もと」が小さくなれば、税金の負担が少なくて済みますね。

他にも払うと節税になるものには生命保険料控除などがありますが、そちらは「一部だけ」です。
対してiDeCoは送ったお金「”全額”所得控除」というルールです。

例えば毎月23000円を一年間かけた場合は、276,000円が所得から控除(差し引き)されます。もともとこの276000円に掛けられていた税金のパーセンテージがなくなるので、その部分が節税になるというわけです。

例えば、所得税が10%だとしましょう。住民税は原則として誰でも10%ですので、合計20%の税金です。
276,000円の20%分がかからなくなるので、55,200円が年間で節税できる金額です。
 

私の所得税は何%なの?と思ったら、源泉徴収票を手に▶こちらのページをご覧ください。
それに+住民税の分10%を足した金額が「自分の税率」です。
一年間のiDeCoの掛金合計にその税率をかけてみてください。

お給料の場合は、毎月先払いで給料天引きで納めてしまっていますので、結果としてiDeCoの掛け金分が年末調整で戻ってくるスタイルですね。自営業などの場合は、そもそも確定申告の時に納める税金が減るので還付ということにはなりません。
また、住民税はそもそも後払いなので、還付にはなりません。

それでは、ここからはiDeCoの節税の恩恵を受けにくい人をご紹介します。

そもそも所得税・住民税がない(少ない)とメリットが少ない

節税というのは「節約」するわけですから、もともと払っていない人は節約しようもありません。
では所得税・住民税がない人とはどんな人でしょうか?

そんな場合は、やっぱりiDeCoはやらないほうが良いのでしょうか?

専業主婦など所得の無い方

所得税や住民税は所得(収入)に応じて負担するものですから、そもそも収入がない場合は税金が課されようもありません。

生命保険料などは夫が支払っていると年末調整の時に夫にまとめて節税することができますが、iDeCoの掛け金はそれができません(小規模企業共済掛金というジャンルに分類されます)
契約者本人の所得からしか差し引くことができないので注意しましょう。
(よく間違って説明されるところです)

ただし、会社員の妻で専業主婦は年金の区分は「3号」になります。
保険料負担はなく国民年金に加入していることになりますが、当然、専業主婦は公的年金が非常に少ないです。

『いつまでもあると思うな夫とカネ』です。
老後のことを考えたら、むしろ積極的にiDeCoで「じぶん年金」を作ることも検討したほうが良いでしょう。

 

もし夫が自営業(国民年金に加入)の場合、専業主婦でも扶養内でも年金の分類は「1号」です。保険料負担が発生します。こちらも勘違いしている人が多いので、1号の奥様は気を付けておきましょう。
ご主人が国民年金のみの場合は、ましてや老後の年金は世帯でも少なくなります。
こちらはiDeCoだけに限らず、夫婦で老後の資金作りを計画的にしていきましょう。

 

扶養内パート(103万円以下)の方

1年間の収入が103万円以内の場合は所得が0ですので、所得税がありません。お住まいの地域によっては少しだけ住民税がかかっている場合があります。その場合は住民税がわずかに節約できるケースもあります。

扶養内パートの場合は、夫の社会保険の扶養に入っていると思いますので、年金の区分は「3号」です。
専業主婦と同じく国民年金にのみ加入していることになりますので老後の公的年金は少ないです。

むしろ、「共働きに収入でがある暮らしぶりで、片働きの年金しか入らない老後を迎えること」を危惧しておく必要があるかもしれません。