青山 創星

米国株式投資をする時の為替手数料はどの証券会社が安いのでしょうか?

ご相談
米国株式投資をする場合の為替手数料はどの証券会社が割安なのでしょうか?

米国株式に投資するためには、口座に入金した日本円をUS$に両替する必要があります。
また、米国株式を売却して使うためには日本円に両替する必要があります。

この時の両替の手数料(為替手数料)はどれほどになるのでしょうか。

日本のネット証券、Saxoバンク証券、外国証券であるIB証券の為替手数料率を比較したのが次の表です。

【為替手数料の料率の比較】

為替手数料IB
証券
SBI
証券
楽天
証券
マネックス
証券
サクソ
バンク
証券
米国株式月間取引量
<=1,000,000,000
0.2 bp x0.0001
x取引価格
最低:1注文あたり
2ドル
0.25円
(住信SBI
ネット銀行を使うと
0.06円)
0.25円同左取引金額x0.25%
米国株式
オプション
取引金額
x1%

(2022年7月31日現在。各社HPを参考に青山創星が作成)

料率表だけでは実額でどれくらいの差があるのかがわかりにくと思います。

いくつかの事例で実額を計算してみました。

日本のネット証券3社は同じ料率となっています。

売買代金がUS$1,000での為替手数料は日本のネット証券では250円、Saxoバンク証券ではUS$2.5、IB証券ではUS$2となっています。

為替レートが1ドル100円では日本のネット証券とSaxoバンク証券は同額、IB証券が割安となっています。
しかし、円安になるとSaxoバンク証券やIB証券の為替手数料の割安さが少なくなったり割高となったりすることになります。

日本のネット証券の中では、SBI証券で取引する場合にSBI証券の関係会社である住信SBIネット証券で両替をしてSBI証券に振り替えて使うと1ドルあたり25銭の為替手数料が6銭になります(振替の手数料は無料)。

マネックス証券では、2022年7月末現在、外国株取引口座における円を米ドルに交換する為替手数料(買付時)は無料となっています。但し、定期的に見直しとなるためその都度確認が必要です。
また、マネックス証券ではNISA口座における米国株の買付時の国内取引手数料(税込)を恒久的に全額キャッシュバックし、実質無料としています。

IB証券では、両替の手数料率がとても割安となっているため、売買代金がUS$1,000の場合でも為替手数料はUS$2となっています。
日本のネット証券やSaxoバンク証券に比べると格安となっています。

特に注意が必要なのは、Saxoバンク証券では現金は日本円でしか口座に置いておくことができないという点です。

これにより、Saxoバンク証券で保有している株式の銘柄を入れ替える場合には、為替手数料が2回分かかってしまいます
今持っている米国株を売却して別の米国株を買うという場合、売却して得られたUS$資金は必ず日本円に両替が必要となります。
そして、この際に為替手数料を支払う必要があります。

さらに入れ替える米国株を買う際にその日本円を再度US$に両替する必要があります。
この際にも為替手数料を支払う必要があります。

日本のネット証券や外国証券であるIB証券では、現金をUS$でも置いておくことができます。
そのため、Saxoバンク証券の場合必要だった2回の両替は不要となります。

そのための為替手数料も不要ということになります。

株式の入れ替えを頻繁に行う場合はこの点を十分に考慮する必要があります。

米国個別株オプション取引は、実質的にIB証券かSaxoバンク証券が選択肢となります。
Saxoバンク証券の場合、両替手数料は株式では0.25%ですが株式オプションでは1%となっています。
更に、先ほどご説明したようにオプションの売買の都度日本円への両替やUSDへの両替が必要となります。
これに対して、IB証券では株式の場合の格安の両替の料率と同じ料率となっています。また、口座にはUS$のままでも置いておくことができます。

以上より、特にSaxoバンク証券で個別株オプション取引をする場合には為替手数料に十分に留意する必要があります。

【為替手数料の事例】

為替手数料
(1ドル=100円)
IB
証券
(月間取引量10億ドル以下の場合)
SBI
証券
楽天
証券
マネックス
証券
サクソ
バンク
証券
SBI証券住信SBI
ネット銀行
(入出金無料)
US$1,000株式US$1,000×0.2
x0.0001
Min US$2
=200円
US$1,000
x25銭
=250円
US$1,000
x6銭
=60円
US$1,000
x25銭
=250円
US$1,000
x25銭
=250円
US$1,000
x0.25%
=US$2.5
=250円
オプションUS$1,000
x1%
=US$10
=1,000円
US$5,000株式US$5,000×0.2
x0.0001
Min US$2
=200円
US$5,000
x25銭
=1,250円
US$5,000
x6銭
=300円
US$5,000
x25銭
=1,250円
US$5,000
x25銭
=1,250円
US$5,000
x0.25%
=US$12.5
=1,250円
オプションUS$5,000
x1%
=US$50
=5,000円
US$10,000株式US$10,000×0.2
x0.0001
Min US$2
=200円
US$10,000
x25銭
=2,500円
US$10,000
x6銭
=600円
US$10,000
x25銭
=2,500円
US$10,000
x25銭
=2,500円
US$10,000
x0.25%
=US$25
=2,500円
オプションUS$10,000
x1%
=US$100
=10,000円

(2022年7月31日現在。各社HPを参考に青山創星が作成)

Buffett投資家にとっては、株式の頻繁な売買はしないため為替手数料の若干の差よりもそのほかのサービスも含めて総合的に判断の上証券会社を選ぶとよいでしょう。