確定拠出年金相談ねっと認定FP
アイマーク株式会社 代表の村松です。
iDeCo、つみたてNISAなど長期投資をスタートする環境が整い、そろそろ投資を始めようかと思っている方にお伝えしたいこと。
アイマークは長期投資を案内して18年になります。今回はアイマークがお客様とともに実践してきた『ほったらかし投資』のデータを確認しながら私たちが18年前にお客様を導いた仮説が正しかったかを検証してみたいと思います。
少し歴史をさかのぼります。
1998年、外国為替法が改正され戦後の日本人が制限なしに外国に投資できる環境が整う。1999年、外国為替法改正を受けて、証券会社、保険会社が海外投資や外国為替を利用した商品を市場に投入し始める。
2000年、アイマークの代表村松繁が『ほったらかし投資』を本格的にお客様に案内し始める。
この2000年のタイミングでアイマークはどんなご案内をしていたのでしょうか。それが仮説1です。
【仮説1】世界経済が成長を続けると、その価値の集合体の先進国の株式市場は必ず上昇する
日経平均の過去最高値は1989年の38,915円です。29年前の記録をいまだに越えられない日本の株式市場。それだけを見ている日本人には信じられないでしょうが、欧米の株式市場はたえず、過去最高値を更新しています。ほとんどの場合、その時が株式市場の高値新記録なのです。そんな分析だけをたずさえて、大胆にもお客様を欧米の先進国株式市場に導いたのでした。しかし、2001年9月衝撃的な事件が起こります。
仕事を終えて自宅でテレビをつけた瞬間でした。
ニューヨークの世界貿易センタービルに1機目の旅客機が突っ込み、まだマスコミですら何が起こったかわからない状態。テレビでは久米宏さんがキャスターを務めるニュースステーションの中で『どうなっているのでしょう?』と確認していた瞬間、スローモーションのようにもう1機の旅客機が突っ込む。誰もが偶然の事故ではないということを確信した瞬間でした。
世界経済の中心地であるニューヨーク、金融の象徴でもあった世界貿易センタービルが地煙を立てて崩れ去る映像。日本時間では22時前後、米国は朝の9時前後。事故当日のニューヨークの株式市場は閉鎖されます。その瞬間から私は、夜を徹して数日間テレビに釘付けになりました。なぜなら、私のお客様の大半が大切なお金を投入している『海外株式』の中心地がテロの標的となっていて、お客様が海外の株式の情報を私に求めてくることは容易に想像できたからです。
おそらくお客様の周りに海外の株式投資を開始した人は、お客様以外はゼロだったころです。
翌日の日本の株価は680円を超える大暴落。お客様が不安がっている。お客様をどう導こう?損切りを勧めるべきなのか?インターネットもまだそれほど普及していない当時、頼りはテレビの情報だけです。
そんな中、何だこの運動は!という映像が流れてきました。ニューヨーカー・アメリカ市民がプラカードを掲げて、
『株式市場が再開されたら株をみんなで買い支えよう』
と大声で道を行きかうデモの映像。
なぜか、私の眼から涙がこぼれてきます。日本の株式市場では想像できないような市民の動き。そうなのか!もしかしたら、米国民は株式市場をシンボルとして守ってきたのか。そのシンボルとは資本主義なんだ!このことを実感した瞬間でした。
私は翌日からお客様を訪問します。玄関先でお客様とお会いすると、今から何件も訪問しないといけないので玄関先で、とお願いして次のことをお伝えしました。
『今、世界は経済の中心地アメリカで起こったテロのショックで株式市場は大変なことになっています。まだ米国株式市場は再開していませんし、いつ再開するかも分かりません。しかし、私は確信を持ちました。米国は自分たちのシンボル、資本主義のシンボルを攻撃されたことでより強固な感情を持って株式市場を守ります。ですから、どうか損切りしようとか、ファンドを変更しようとか思わないでください。アメリカ人は今、自分たちの力で株式市場を守ろう、再開しようと力をひとつにしています。それを信じましょう。では、次のお宅に伺いますのでこれで失礼いたします。』
こんなやり取りをどのくらいの玄関でおこなったことでしょうか。ニューヨーク証券取引所での株取引が再開されたのは9月17日でした。
では、この事件の前後で私がご案内したファンドがどのように動いたのかを振り返ってみましょう。
2001年9月1日の数値を100だと仮定するとファンドの指数は一時90まで下落します。おおよそ10%の下落です。しかし、ファンドは思いのほか早く回復し、2001年の12月には9月1日のデータを越えてさらに上昇局面へと入っていきます。約3ヵ月で回復。この経験は私に確信をもたらしました。
『株式市場、特に資本主義の株式市場は自ら元に戻る力を持っているんだ。これが日本には無いので日本の株価、日経平均はバブル後何年経ってもバブルのピークに戻れない。』
この確信は今でも私の心に深く刻まれています。
まとめ
【仮説1】世界経済が成長を続けると、その価値の集合体の先進国の株式市場は必ず上昇する
2018年 トランプ政権による保護主義の動きに呼応するように世界の株式市場は日々大幅な上下動を繰り返しています。ヨーロッパのEU不信や頻発するテロなど株式市場をおおう不安定要素は数限りなく存在します。しかし、アイマークはそれでも先進国の株式市場は成長しつづけると信じています。1600人のお客様のデータは少なくとも今現在まではそれを証明してくれています。