ファイナンシャルプランナー村松 繁

2021年 04月 20日

確定拠出年金企業型で運用可能な商品の種類と選定のポイント

確定拠出年金相談ねっと 

認定FP アイマーク株式会社 代表の村松です。

確定拠出年金企業型は多くの取扱商品が存在します。毎月の掛金をこれらの投資商品の中から選んで投資をしていくのですから、しっかりとそれぞれの商品特徴を理解しておきたいですよね。この記事では確定拠出年金企業型で使用される商品の分類方法と、商品選定のポイントについてご紹介します。

確定拠出年金企業型の運用商品は大きく分けて2種類

確定拠出年金企業型で取り扱っている商品は、預金や保険商品、各種投資信託などさまざまな商品を取り扱っています。多くの商品があって迷いますが、まずは大きく元本確保型商品と元本変動型商品の2つに分類することができます。

元本確保型

元本確保型商品は満期まで持っていれば原則元本割れしない商品の事です。主に「定期預金」や「保険」商品があり、リスクは極めて少ないですが、大きく増えることも期待できません。

元本変動型

一方、大きな収益が期待できる反面、元本割れをする可能性もある商品が元本変動型商品です。確定拠出年金においては元本変動商品の取扱いは「投資信託」のみとなっています。

商品の選定ポイント

確定拠出年金企業型は元本確保型商品と元本変動型商品がありますが、特に元本変動型は商品数が多いため、それぞれの商品の特徴やリスク、リターンについても理解をしておく必要があります。

運用方針や運用方法

元本変動型商品である投資信託はその投資対象によって以下のように分類されます。

株式投資信託投資信託の銘柄の中に株式を組み入れている
投資信託のことです。国内株式投資信託と海
外株式投資信託があります。
債券投資信託国や企業が必要な資金を借り入れるために発
行する債券に投資をする投資信託です。こち
らも国内債券投資信託、海外債券投資信託が
あります。
不動産投資信託オフィスビルや商業施設など複数の不動産を購入し、その家賃収入や売買益を投資家に分配する投資信託です。
国内、海外ともに不動産投資信託を用意している金融機関もあります。
その他の資産(商品など)原油や農産物、金など価格の変動に連動した投資信託のことです。社会情勢や天候、気候などで価格が変動します。
資産複合(バランス)株式投資信託や債券投資信託などを複数組み合わせた投資信託です。

一般的には元本確保型商品が最もリスクもリターンも小さく、債券投資信託と不動産投資信託、その他資産がミドルリスク・ミドルリターン。株式投資信託はハイリスク・ハイリターンに分類されます。

また、同じ債券投資信託、株式投資信託のなかでも、国内よりも海外の商品の方が為替リスクの影響があるため、リスクもリターンも大きい傾向があります。

退職金は運用は会社が行なっているので、会社の方針におまかせをすることになりますが、確定拠出年金企業型は異なります。確定拠出年金企業型は、複数の商品ラインナップのなかから、それぞれの投資商品のリスクとリターンを考えながら自分で選択して行く必要があるため、その特徴をしっかり理解しましょう。

パッシブ運用とアクティブ運用

投資信託は個別の株式を選ぶことが難しい人が、投資のプロであるファンドマネージャーにお金を預けて運用をおまかせするというものです。

そしてその投資信託にはそれぞれ運用方針があり、パッシブ運用とアクティブ運用の2つの手法に分類されます。

一般的には、パッシブ運用の方がリスクもリターンも低め。アクティブ運用はリスクもリターンも高い傾向があります。投資信託には信託報酬という手数料がかかりますが、手数料はアクティブ運用よりも、パッシブ運用の方が低くなります。

その投資信託がパッシブ運用か、アクティブ運用かも商品を見極めるポイントです。

なお、パッシブ運用よりも、圧倒的成果を出しているアクティブ運用があることも事実ですが、実際のデータでは、アクティブ運用の8割はパッシブ運用に負けてしまっているというデータもあります。信託報酬が高いアクティブ運用の方が、大きなリターンを出しているわけではないという点には注意が必要です。

最終的にはそのファンドがどのような方針で運用していて、過去の運用実績がどうなっているのかを確認することが大切です。

コストやリターンのバランス

確定拠出年金企業型は老後の資産形成を目的として、時間をかけて積み立てながら運用をしていくものです。投資信託の信託報酬も長期間に及ぶと決して見過ごせないコストになってきます。

報告書などの表記されている運用成果はあくまでも、信託報酬が引かれたあとの結果となります。そのため、アクティブ運用の場合は信託報酬の高さを基準に投資するファンドを選択するのは間違いです。

逆に、パッシブ運用の場合、信託報酬の高い、低いがパフォーマンスに影響することになりますので、同じアセットクラスであれば、信託報酬を選択基準とすることは問題ありません。

配分割合変更やスイッチングで調整も可能

確定拠出年金企業型で商品を一度選択したら、その後ずっと変更できないわけではありません。選んだ商品はいつでも変更をすることができます。変更方法には配分割合変更とスイッチングという2つの方法があります。似ていますがその仕組みは実は全く違います。

配分割合変更

毎月購入する運用商品を変更するのが配分割合変更です。毎月10,000円の掛金でA商品に5,000円、B商品に3,000円、C商品に2,000円という配分で運用していたものを、翌月以降はA商品が0円、B商品3,000円、C商品に2,000円そして5,000円で新たにD商品で運用するというように、翌月以降の掛金の配分先を換えることを配分割合変更といいます。

スイッチング

スイッチングはこれまで積み上げてきた資産を売却して、手持ちの資産構成を組み替えることです。

なお、スイッチングをするとコストがかかる投資信託があります。信託財産留保額の数字が入っている商品には注意しましょう。

またひとつのファンドを売却し、そのお金で2つのファンドを買うスイッチング作業の場合は、スイッチングの作業を2回行う必要があります。その際は口数で売却する場合がほとんどです。

例:2500口保有しているAファンドを売却し、BファンドとCファンドを購入したい場合

  • 1. Aファンドを1250口売却 ⇒ Bファンドを購入
  • 2. Aファンドを1250口売却 ⇒ Cファンドを購入

まとめ

確定拠出年金企業型の商品群は「元本確保型商品」と「元本変動型商品」に分類されます。

また、元本変動型商品にあたる、投資信託も債券投資信託、株式投資信託、不動産投資信託、その他資産(商品など)、そして、複数の債券、株式投資信託をミックスさせたバランスファンドがあり、債券よりも株式の方が、また国内よりも海外商品の方がリスクもリターンも大きい傾向があります。
商品選択に悩んだら、専門家に相談してみましょう。


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