こんにちは!~‟元”保険ショップ店長が教えるお金と将来設計術~
確定拠出年金相談ねっと認定FP高野具子です。
この度、私たち全国にいるFPが力を合わせて、金融機関窓口に行ってイデコの説明を受けてきました!
「老後2,000万円問題」という言葉がTVや新聞、雑誌で飛び交い、
独り歩きしましたが、一方でイデコの口座開設が増えたとニュースも流れています。
とはいえ、まだまだイデコって知られていない、もしくは言葉は知っているけれどよく理解されていない、
そんな状況だと思います。
先日150名の起業家さんが集まる会に出席しました。
「イデコの専門家です!」と自己紹介した中で、
「へえ!イデコやってるんですね」とおっしゃってくださった方は、なんとお1人!
150分の1、つまり0.6%。
「“イデコ”ってやってみたいけれど、よく分からないんですよね」
「何か複雑」
「一体何がイイの?」
という声がまだまだ多いのが実態。
何かお金のことを聞こうと思うと、私たちファイナンシャルプランナーか、
「銀行」が一般の人には身近ではないでしょうか。
では「銀行」でどこまでの説明を聞くことができるのでしょうか?
今までは銀行でイデコの商品説明ができなかった
今まではイデコのことを銀行に聞こうと思っても、
銀行の窓口では案内ができませんでした。
余談ですが、今でこそ銀行の窓口で保険の話をされるのは当たり前になってきましたが、
少し前までは、同じように銀行で保険販売はできなかったんです。
2001年4月1日より段階的に緩和が始まります。
私の所属していた保険ショップができ始めたのもちょうどこの頃です。
2007年12月22日に全面的に解禁されました。
www.kokusen.go.jp/news/data/n-20171221_1.html
(外貨建て保険の説明不足問題も出てきていますが・・・)
では今までは銀行でどうしていたのでしょうか?
イデコに話を戻しましょう。今までと比較してみました。
今まで | 7/1~ | |
運用商品はこれがいいです!と お勧めすること |
× | × |
扱っている商品の一覧を提示すること | × | 〇 |
扱っている商品のパンフレットなどで、 その選定理由と内容を詳細に説明すること |
× | 〇 |
イデコの制度説明 イデコの加入勧誘 |
〇 | 〇 |
※金融機関等の営業職員における運営管理機関業務の兼務規制の緩和について(2019年7月1日施行分)
www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/kyoshutsu/kenmukiseikanwa.html
より筆者作成
(商品が全く分からない中でイデコに入れと言われても・・・商品の概要も分からない・・・)
これじゃあまるで福袋状態!
「イデコってお得だよ。何が入っているか分からないけどね(テヘ)」
と、どうしてもこんな感じの説明になってしまいますよね。
そりゃー加入者増えんわ!
やっと満を持して、イデコの説明が銀行でできるようになりました!
今年(2019)7月にいよいよ解禁され、銀行でも商品内容を説明できるようになったイデコ。
どんな情報が一般顧客に提供されるのか?
私たち「iDeCo調査隊」を組み、さっそく金融機関へLet’s Go!
テッテレ~~(ドッキリマル秘報告風←古い!)
今回、25金融機関55窓口で調査しました
FP相談ねっとのチームで全国調査を行い、私は主に東京の「3銀行、1証券会社」を訪れました。
※調査目的は、個別の金融機関を賛否することものでは一切ありません。現在の金融機関の説明状況について調査しております。
お客様モデル:40代主婦。パートを週3回。
現在は扶養内だが、そのうちパートを増やしていきたいと考えている。
投資については初心者。ただしよく分からずに株と投信には手を出したことがあり今は放置。
金融機関のチェック項目は、大きく分けて以下4項目。
初期対応:ファーストコンタクト イデコと聞いてすぐ理解されるか?
窓口対応:ハイカウンターで簡易的に説明か?ローカウンターでじっくりと?
環境調査:イデコの資料が手元にすぐ取れるところにあるか?
対応説明:加入資格、イデコの制度説明、商品内容、手数料、イデコ以外のサービスへ誘導があったか?
この項目に基づき、分かりやすくするため点数をつけております。
①:A銀行 80点
結論:非常に分かりやすい!
都心部へ予約し訪問しました。
アンケートを取り、今回私(顧客)がどのような目的で来店したかをヒヤリング。
イデコの制度説明なのか、商品説明なのか、加入方法なのか。
現在の仕事の状況や投資の経験について、予め記載しました。
このアンケートに基づき、制度説明を行ってくれます。
ひととおり、入口から出口(受取時)のことまで丁寧に説明があり、
最後はイデコの申込用紙の書き方まで教えてくれます。
特に分かりやすい!と感じたのは、
「投資に対する考え方のミニミニセミナー」を行ってくれたことです。
ここでどんなお話だったのか、共有しますね。
「投資はスポーツに喩えると何か?」→柔道。
柔道はまず受け身を取ることから学びます。
それと投資も同じ。
投資ですから、資産が増える時もあれば減るときもあります。
減ってしまうと、人は不安になります。
すると今までせっかく積み上げてきたものをこれ以上減るのは不安だからと止めてしまったり、
解約してしまったりします。
しかしイデコでの積立は長期に行うことが重要。
仮に資産が一時的に減ったとしても、しっかりと心の「受け身を取る」ことが大切。
ここで慌てずにしっかりと受け身を取り、積立続けること、これが長期積立です、
というお話でした。
何かに喩えてお話しいただけると、とても分かりやすいですね。
FPとして私も参考にしたいと素直に思いました。
ここは、銀行員ではなく一般のFPが対応だったそうです。道理で上手なはずです。
敢えて100点ではない点に触れます。
ただしあくまでも私の主観ですので、「ふーん」という気持ちでお読みください。
1時間では商品説明に至りませんでした。
商品が分からないとさすがにイデコの口座をここで開設したい!と決意できず。
顧客側としては、わざわざ予約をし、近隣ではない街に出かけています。
予約段階で、1.5時間の枠を取っていれば商品説明ができ、申し込みまで至ったと思います。
すでに説明段階で信頼のおける人と感じたからこそ、このまま商品説明もこの人に聞きたい!と思いましたが、しきりに「商品説明は口座を開いてから」「近くの支店で商品説明を聞けます」と誘導されたことが少し残念に思いました。
しかし相対的に非常に素晴らしかったの一言です!
※非常に良かったにも関わらず、窓口が閉鎖してしまいました。残念でなりません。
引き続き、次のコラムで、他の金融機関のご報告をしますね。