高野 具子

テレワークで将来受け取れる年金が少なくなる?

こんにちは!アラフォー世代の働く女性のためのMy Money Coach 高野具子です。

最近だいぶ電車も混んできて、テレワークから出社に流れが少しずつ変わってきている感じが見受けられます。先日大手企業にお勤めの方から「出社するけど個室に隔離されている」とお話を聞き、様々な工夫がなされていることを知りました。

皆さんはいかがお過ごしですか?

さて表題の「テレワークで将来受け取れる年金が少なくなる?」ですが、ニュースでも流れていました。どういうことか、解説していきますね。

テレワークで大きく変わったのはやはり通勤の有無。この通勤費ですが、実は社会保険料の算定に加わります。

社会保険料の算定に加わる…?もう少し詳しく説明します。

社会保険料の算定とは?

「社会保険」とは、健康保険・厚生年金・雇用保険・介護保険(40歳以上から開始)の4つの保険で成り立っています。

これは「税金で引かれて困る。高すぎる!」という声が多く聞こえます。しかしこの4つは「保険」とあるように、いざという時私たちに直接役立つものです。

たとえば病院に行って3割負担で済んでいるのは、健康保険のお蔭です。転職してしばらく再就職までに受け取れる失業給付も雇用保険からです。厚生年金はいわゆる老後の年金を始め、遺族年金や障害年金などもあります。

「社会保険が高い!」という前に民間保険に入りすぎていないか見直ししてみてくださいね。いわゆる「税金」は所得税と住民税です。この「税金」をお得に下げる方法も様々あり、セミナーや個別のご相談でお伝えしています!

社会保険料を計算してみよう

さて話を戻しましょう。「社会保険料」はどのように計算されているのでしょうか?実際に給与明細(例)を見ながら説明します。ここでは「35歳女性、扶養家族なし。勤務先は東京。企業に健康保険組合なし」とします。

黄色い丸で囲った「支給」欄より基本給300,000円、通勤非課税15,000円 総支給額315,000円となっています。この総支給額315,000円を基本に社会保険料が決まっていきます。

(※毎年4月から6月の総支給額の平均額が基準となります。話が込み入りますので、ここでは3か月の平均額が315,000円だったとします)

次に社会保険料の保険料表を確認します。

★の報酬月額で先ほどの給与明細で確認した「総支給額:315,000円」が含まれる等級を確認します。この場合23等級32万円の枠に入ります。

そのまま右の枠に、健康保険料が記載されています。介護保険なしの場合15,792円となります。

さらに右の枠に行くと、厚生年金保険料が記載されています。会社が半分負担してくれるので、実際私たちが支払う厚生年金保険料は29,280円となります。

保険料が増減すると?

この保険料額を見て分かるようにこの等級が上がる、つまり給与が上がれば上がるほど保険料は上がり、下がれば下がるだけ保険料は下がります。この保険料が増減することにより「将来受け取れる年金額も増減する」ということです。

したがって通勤費もこの保険料に含まれて計算されるため、通勤費の有無「将来受け取れる年金額も増減する」ということになります。

これがテレワークによって、将来受け取れる年金額が少なくなる?のカラクリでした。「残業代がなくなる」もここに当てはまります。

とはいえテレワークなのか通勤なのか、お勤めの会社次第ですからご自身ではどうにもならないですよね。

「通勤ラッシュに巻き込まれなくて随分ラクになった」「やっぱり会社に行かないとオンオフがつけられない」と様々な声をお聞きします。

本来あるものがないという大変な状況ですが、それに代わる何かを見つけていきたいですね。