高野 具子

緊急事態の備えは?

このたびの地震により被害を受けられました皆さまに、心からお見舞い申し上げます。

確定拠出年金相談ねっと認定FPたかのともこです。

FPは資産運用方法だけではなく、日々の生活費から不動産、相続、保険に至るまで、多岐にわたる「お金の専門家」です。

今日は運用から一歩離れ、リスク管理についてお伝えしていきたいと思います。

 

災害は全く他人ごとではありません。日本はそもそも災害の多い国ですが、地球ごと全世界からみて、何%が日本で起こっている災害かご存知ですか?

 

なんと20%

日本に住み続けている限り、常に20%は災害被害の可能性があるということです。

「私のところだけは災害なんて起きるはずがない」という根拠のない自信は捨てて、まずは身の回りを確認してみましょう。

 

 

  • 「お金」に関して、まず行うこと、日ごろから準備できる心構えは?

緊急時の保険について

◇被害に遭われたら

・火災保険(地震保険) 現場の写真撮影をしておくこと。日付も重要です。

 実際に「いつ」起こった被害かにより、正しい請求かどうか整合性を取ります。

・保険(生命保険・火災保険)手元に証券がなくても請求ができます 

 

◇保険料の支払いは?どうやって請求するの?

災害救助法が適用されます

1.保険料(掛金):払込猶予期間が延長されます。

2.保険金・給付金・契約者貸付等の支払いについて:一部書類を省略し簡易的な手続きが可能となります。

3.請求先をメモしておきましょう。保険会社の連絡先は家族の次に必要です。

  請求がなければ、宝くじと同じで、給付金は下りてきません。

 

◇請求期限は?

・生命保険・損害保険ともに 3年で時効になります。

損害保険のように緊急性の高いものに関しては、速やかに請求する必要がありますが、

入院、手術はよほどの長期入院でない限り、一通り治療が終了してからでも十分間に合います。その際、領収書を必ず保管しておきましょう。

 

保険会社によっては、期限を過ぎても支払ってくれる場合もありますので、

請求漏れがないか再度確認しましょう。

 

日頃の備え

◇キャッシュカード、クレジットカードだけに頼っていないか?

銀行機能がストップしてしまうと、預金があっても下ろすことができなくなります。

現金を用意しておきましょう。なるべく1,000円札・小銭(100円)を用意しておくことがポイントです。諭吉さんはちょっと使い勝手が悪いです。ここは英世くんの出番です。

 

 

◇保険内容を把握していますか?そしてその保険は十分に足りていますか?

 ・死亡保障

今、ご主人が万一亡くなってしまったときに、いくら下りるか即答できますか?そしてそれは十分に足りる金額でしょうか?遺族年金はいくら受け取れるか?民間の保険でどこまで補い切れるか?確認していますか?

 

・地震保険

地震保険は加入していますか?これだけ地震の多い国であるにもかかわらず、日本全体での地震保険の加入率は50%。地震保険に入っていなければ、地震による山崩れでの自宅倒壊、地震による津波に遭ってしまった場合でも給付金は下りてきません。

 

地震保険は「地震保険だけ加入する」ということはできません。必ず火災保険とセットでの加入が必要です。

 

保険金額は火災保険の50%までです。仮に自宅が2,000万円の価値があり火災保険で同額の補償に入っていたとします。地震保険は半分の1,000万円までしか加入できず、倒壊度合いによりその補償額が下りてきます。

そもそも火災保険は「元通りにする」ことを目的としていますが、地震保険は「とりあえず生活を立て直そう」という考え方に基づいて成り立っています。そのため半額のみの補償となっています。

日本は周知のとおり地震の多い国であり、地震保険は国の保険です。つまりどこの保険会社で加入しようと、一律保険料(掛金)は同額です。

 

自分のところだけ地震が起きない保証は全くありません。ご自身の保険で加入しているかどうか今一度確認してみましょう。火災保険の証券をみて、「地震保険」の欄に金額が書いてあれば、加入しています。もし空欄になっていたら未加入ですので、ぜひ加入を検討していきましょう。

 

◇備えあれば・・・

すべてに100%備えることは不可能だと思います。もし保険ですべて準備できれば安心を買えますが、日ごろの保険料も高くなっていきます。

いざというときに大きなお金が必要なところに、保険を用意しておくべきです。

・何のために

・いくら

ここをポイントに、保険を考えていくことが重要です。

あなたは、どう備えていきますか?