森次 美尊

税制優遇制度NISAってなに⁉ 厚生年金制度改革とは? 年金はもらえなくなるの⁉

こんにちは!
ファイナンシャルプランナー もりつぐ先生です!

前回のコラム ▶ 厚生年金制度改革でどうなる!? ー 働き方・扶養・年金 ー

②基礎年金の納付期間を40年から45年に

2つ目は基礎年金の納付期間を40年から45年にすることです。

基礎年金は国民年金部分の一番ベースの部分、自営業の人も専業主婦の人もみんな入っているものです。
これは20歳から60歳まで40年かけていますが、これを65歳までかけるようにしようという案です。
厚生年金をかける人が増えることになります。

厚生年金は自動的に引き落としがかかります。
自動的に引き落としがかかっている金額はずっと一緒です。
今は60歳から65歳の間も働いている方がほとんどだと思います。
当然ですが、55歳とか60歳、この時も働いています。
ずっと同じ給料で働いていたとすると、55歳で働いてる人も63歳で働いてる人も
同じ給料であれば同じ社会保険が引かれています。

ただ、60歳までは国民年金と基礎年金が積み上がっていきますが、
基礎年金は60歳までしかかけないというルールがあるので60歳からも同じように引かれているのに
基礎年金は積み上がりません。
2階部分の厚生年金は積み上がりますが、1階部分の基礎年金は積み上がらない。
もともと年金というものは60歳まで払って60歳からもらう制度でした。
これを小泉純一郎さんが首相の時に、60歳からもらうものを65歳からに改革し、
5年間受け取れないとしました。
その時に払うのは60歳までのままにしていました。

このようないろいろな歪みがありますが、払うのも65歳までにして、
65歳までちゃんと積み上げていくことにすれば、
働いていれば積みあがる厚生年金に加えて、基礎年金部分も積み上がることになります。
つまり老後もらえる額が増えてわかりやすくなります。

問題は何かというと、財源をどこから確保していくかということです。
もちろん60歳から65歳まで払う人は多少は増えるでしょうけど、
国民年金で自分で払っていくっていう人もいます。

③基礎年金の給付抑制を早期停止

3つ目は基礎年金の給付抑制を早期停止です。

今はどんどん物価が上がっていっている時代です。
現役の人は物の値段が上がっていけば、給料もなんとなく上がるので、なんとなく生活は回っていきます。

一方、老後で年金もらってる時に物価がどんどん上がっていったら、年金も上げてもらわないと困ります。
これまでも物価に合わせて年金も上がってきました。
今も上がってはいますが、結構抑制しています。
例えば3%ぐらい物価が上がった時に、年金は1%しか上げていません。
実質2%のカットです。

このようにずっと抑制していく、これをマクロ経済スライドと言います。
これが基礎年金に働いていますが、この抑制期間を短くしてあげようというものです。
これができれば、老後の年金は実質価値でたくさんもらえるようになるので、とても助かります。

これも財源をどこから確保するのかという問題があります。

基礎年金は今、財政赤字ですが、厚生年金は労使折半でそれほど赤字になっていないので、
厚生年金の分を基礎年金に回せば、この制度も通りそうという議論はされているようです。

④在職老齢年金の見直し

4つ目は在職老齢年金の見直しです。

老後、年金をもらいながら働いている人もいます。
例えば会社の社長さんで役員報酬をたくさん受け取っていたりして、給料が高ければ
年金いらなくないですか、ということで年金を減らされたりします。

このような制度があるために、働く期間を調整するという人も出ていて、
扶養家族の奥さんに同じく、人手不足なのに働きたい人の意欲を奪っている、となっています。
働く分だけしっかり働いて、年金は年金でしっかりあげれば良いのでは?、
この在職老齢年金という、今までは働きながら年金をもらってる人の年金を減額していたものを、
緩和してあげる、ということが議論されています。

これも財源が問題になっています。

⑤保険料の基準額の上限上げ

5つ目は保険料の基準額の上限上げです。

毎月、給料天引きで社会保険が引かれています。
この社会保険ですが、当然給料が高い人の方が年金もたくさん引かれて、
老後もたくさん受け取れるという制度です。

この上限が月65万円です。
給料がどれだけ高くても上限が65万円なので、
同じ額を引かれて同じ額を老後にもらえるという風に65万以上はなっていきます。

この上限を撤廃して、段階的に受け取ってその分老後をたくさん返してあげる、
という意見も出ているということです。

これは、どこから変えるかが問題です。
今払っている人と老後受け取る人は同時進行です。
私たちはこういう風に払ったからこういう風に受け取らせてくれよ、という世代間格差が出てくると言われています。

いずれにしても、このまま行くと老後の年金は国に頼る時代ではない、ということです。

国も賢い人たちが何とか年金の制度を守ろうとして、
老後安心した未来を送れるような社会を作ろうとはしています。
ただ、やはり基本は自助努力の時代です。
放っておいてもエスカレーターが上がる時代は終わったのです。

だから国は階段を作りました。
これが税制優遇制度、NISAです。
ここからは階段です。
階段を作るところまでやってあげたから、自分の力で登っていきましょう、ということです。

貯蓄から投資へ。
資産運用、自助努力です。

国の制度に注目しておくのは重要ですが、
一方で自分の身は自分で守る時代である、ということも
忘れないようにしていただきたいなと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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