森次 美尊

年金ヤバい説は本当!?物価上昇・マクロ経済スライド いくらもらえるの??

こんにちは!
ファイナンシャルプランナー もりつぐ先生です!

今回は我々が老後もらえる老齢年金、年金制度について説明していきます。

老後どれだけ年金がもらえるのかなとか、少子高齢化で年金が大変とか、
年金はどうせもらえない
といったことを思われている方もいると思います。
ただ、どちらにしても我々は年金を払わないといけません。
これは義務です。

給料の中から厚生年金というものを天引きされたり、
自営業の人であれば国民年金を支払いに行ったりしています。

では、これらがどれだけの価値があるのかを分かって支払うのと、
よくわからずに取られてると言って支払うのとでは、全然違うと思うので今回は説明していこうと思います。
これを理解していただくと年金はすごい!となると思います。
日本の年金制度というのは海外の各国が真似をしようと思ってもできなかったというくらい素晴らしい制度で、
やっぱり日本の政治力は本当に素晴らしいのです。
今回はその辺りも是非分かっていただきたいと思います。

まず年金というものは世代間扶助というもので成り立っています。
これがベースなので、まずはこれを理解してください。

世代間扶助というのは何なのかと言うと、要は世代をまたいで助け合いをしていきましょうというものです。
僕は年金制度を感謝のバトンとよく言っています。
どういうことかと言うと、今払ってる年金、老後に払った分をもらえないのではないか、
損か得かで皆さん考えがちですが、年金というものは自分のために積み立てているわけではなくて、
今の老人にこの年金を使ってねと渡しているのです。
世代を超えて助け合いをしているのです。

老人の方は当然働けないので給料を稼いでこれません。
だから働ける現役の人が支えましょうということです。
そして、自分たちが老後を迎えた時は、過去に一生懸命支えたんだから今度は若い人に支えてもらいましょうということ。
若い人にちゃんと支えてもらうために、自分たちは一生懸命頑張って仕事をして日本を豊かにして、
この豊かな日本を子供たちに渡していく。
そうすれば子供たちも「ありがとう、おじいちゃん」と言って払ってくれる、そういった制度です。

なんとなく今の若い人達は、今の老人はたくさんもらっているけど、
自分たちの代はもらえないのではないか
、そう思われる方がいらっしゃいます。
確かに世代間格差というものはあります。

バブル時代を超えてきた人と、失われた30年を超えてきた人はやっぱり違います。
特にこの少子高齢化というのは、1960年代は7人の若者で1人の老人を支えれば良かったのに、
今は3人くらいで1人の老人を支えなければいけません。
そのうち1人で1人の老人を支えなければいけない時代がくるとも言われています。
そうなってくると当然負担が多いので、1人に支えてもらっても老後年金はもらえないじゃないか、
これが世代間格差と言われている所以です。

確かにこれは不安です。
ですが、今我々が当たり前にこうやって豊かに生活ができている、例えば仕事をしている、
その仕事をするにも綺麗な道が通っていて、電気が通っていて、クーラーが付いている部屋で仕事ができるのは、
戦後の焼け野原から一生懸命に日本を豊かにしてきたおじいちゃん、おばあちゃんがいてくれからです。
自分だけでは働けていないと考えた時、感謝の気持ちが生まれるわけです。
「おじいちゃん、おばあちゃん、ありがとう」という感謝の気持ちです。

もちろん若い人たちにはこの世代間格差があります。
だから一生懸命働いて、今から日本をみんなで豊かにしていきましょうということです。
まだ何十年もあるので自分たちがこの日本を豊かにすれば子供たちが支えてくれる。
是非年金制度を前向きに考えていただきたいです。

そしてこの年金制度は、5年に1回財政検証というものをやっていて、ちょうど昨年の2024年にこれがありました。
これは年金制度が100年続くためにはこういうことをやっていこうというビジョンを掲げてやっています。
これが割と良い方向に進んでいます。

年金はやばい説ということばかりを知ってる人がいらっしゃると思います。
悪い情報というものはたくさん出回りますが、良い情報はなかなか出てこない。
このコラムではその辺りも含めて、皆さん大丈夫です、安心できるという話もしていきたいと思います。

年金というものは当たり前ですが、我々が支えているということは我々の支払ったお金、
年金の財布で言う収入、皆さんから集めたお金があります。
これを今の老人に渡す支出があります。
この収入と支出がイコールになっていないとおかしい。

収入の財源の約半分は我々が支払っている保険料、社会保険料です。
給料から引かれたりして払うものです。
そして残りの半分は国の財源、国庫負担と言って税金から払ってる部分と、
GPIFという我々の権利を運用してる機関があり、そこの運用益の積み立て金、これらの2つから成っています。
このように収入があるわけです。

その収入に対して、今の老人にこれだけの年金を渡さないといけないという支出があります。
今は働く人が少子高齢化で少なくなっているので、保険料が少なくなっていっています。
その一方で老人は長生きしているので渡さないといけない支出が増えていく。

以前は支出が上がって、これだけ多く必要だから増えた分財源くださいという風にしていたのですが、
それだと若い人たちの負担はこれからどんどん大きくなり、このままでは無理と考えて大きな制度改正が過去にありました。

この制度改正で何が行われたのかというと、
収入は確定で、この収入を今の支出、今の老人にどのように分け与えていくのか、
それをこの収入の範囲で渡していきましょうと制度を変えたわけです。

これがマクロ経済スライドという制度です。

どのような制度かというと、
7人の若者がお金を払って保険料が集まり、それで1人の老人に渡していたものが、
3人しか集めれなくなって1人の老人に渡すとなると、当然収入が少なくなります。
少なくなった収入で今の老人に分け与えないといけないとなると、
年金をカットしないといけないわけです。

ところが、今の老人の年金がどんどんカットされていくのを若い人たちが見ると、
「本当に払う価値があるの?」となってしまいます。
もらえる年金をカットするということはっていうのはさすがにできない。
そこで考えられたのがマクロ経済スライドです。

何かというと、物価が上がった時、物価上昇に寄り添って年金も上げるということを抑制するという制度です。

例えば、月20万円の生活をしていたとします。
月20万円の生活をしている人が、夫婦で年金20万円をもらっていたとします。
貯金はできないけどちょうど生活できている。

ただ、今は光熱費が上がっています。
通信費も上がっています。
いろいろなものの値段が上がっ ています。
気が付くと、20万円の生活をするのに25万円くらいかかる時代が来たとなった時、年金20万円のままだと困ります。
だから年金も物価に合わして上げてください、と言って、今までは上げてもらっていたものを、今は抑制しています。

月に25万円が必要になるくらい物価が上がった、国はこれは分かっていますが、
あなた方の年金は22万円くらいにしかしませんと抑制するわけです。

この仕組みはよくできていて、年金自体は増えています。
今まで20万円もらっていたのが、夫婦で2万円増えています。
ただ実質、価値ではカットしている。
物価が上がってるわけですから、実質の価値では生活はちょっと厳しくなります。

これがマクロ経済スライドです。
物価が上がった時にだけ年金を上げ、物価上昇には寄り添わずにちょっと抑制する。
また物価が上がった時に抑制する。

釣りをする時に魚が食いついて、糸がビンビンに張っている時にガっと巻くと糸は切れてしまいます。
ですが、魚が移動した時、糸がふわっと緩んだ瞬間にガっと巻く、緩んだ瞬間にガッと巻くという感じで、
物価が上がった瞬間に抑制するといったことをしています。

(次回に続く)

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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