こんにちは!
ファイナンシャルプランナー もりつぐ先生です!
今月の内容は先月の続きになるので、ぜひ先月号からお読みください。
先月号では、「繰り上げ受給による年金受け取り × 10年間のNISAでの積立 × 70歳まで働く」というスキームを使えば、ほとんどの方が老後困らないというお話をさせていただきました。困るのは、70歳まで働けない体になってしまったという万が一の時だけなんです。そのリスクを回避してくれる一つの手段が「変額保険」です。
本日は、この変額保険がどういったものなのかを解説していきます。
団信のようなもの
よく変額保険は団信のようなものだと言われます。
団信とは団体信用生命保険の略で、住宅ローンを組んだときに付帯される生命保険の一種です。住宅ローンという大きな借金を背負った人たちは、健康で元気であれば、その借金を働いて返済していきます。ただ、健康を害してしまうような大きな病気にかかってしまったとき、返済が困難になります。そのときに団信が発動し、代わりに保険会社が住宅ローンを支払ってくれる。これが団体信用生命保険という仕組みです。
この老後の資産形成版が、変額保険です。仮に老後4,000万円の赤字だと分かっている人は、老後に4,000万円の借金をしている状態といえます。健康で元気であれば、働きながら未来の自分への投資や仕送りを行ったり、70歳まで働いたりすることで、老後の借金を返済していけます。ただ、その過程において健康を害してしまうような大きな病気になってしまったとき、借金の返済(つまり老後の資産形成)が滞ってしまいます。そのときに変額保険が発動し、老後の資産形成を代わりに終わらせてくれるのです。これが変額保険に付帯できる「三大疾病P免特約(保険料払込免除特約)」というものです。がん・心疾患・脳血管疾患などの所定の病気に該当した際、保険料の払い込みが免除になり、多くの場合は保険会社が80歳まで資産形成を継続してくれます。仮に夫婦でこの保険を持ち合っていれば、どちらかが大きな病気になった瞬間に、老後の資産形成が完了することになります。そもそも健康で元気であれば、「繰り上げ受給による年金受取 × 10年間のNISAでの積立 × 70歳まで働く」というスキームで老後は困りません。ですから、この団信のような変額保険を一つ持っておくことで、万が一の事態にも対応でき、どういう状況になっても老後の資産形成を完遂できるようになります。
認知症対策
変額保険を資産形成の中に組み込むメリットの一つに、認知症対策があります。
例えば NISA で積み立てている投資信託は、認知症になると売却ができず、現金化することができません。成年後見制度を利用したとしても、後見人は本人の資産を守ることが仕事なので、売却のハードルはかなり高いのが実情です。
一方で変額保険の場合は、商品にもよりますが、受取人が契約者の代理で請求できる権利があります。そのため、認知症になっても安心してお金を引き出して使うことができます。例えば「子どもに迷惑をかけないよう、認知症になったら将来施設に入るためのお金を準備したい」といった資産形成であれば、NISA などで行うよりも、変額保険を活用したほうが将来の安心につながります。
死亡時の流動性
変額保険の魅力の1つに、万が一の時の流動性というのがあります。
例えば、NISA で運用している資産はお亡くなりになると相続財産扱いになり、遺産分割協議書などをご遺族が作成し、証券会社に提出しないと名義変更ができません。ただ、未成年は遺産分割協議書を作れないので、代理人を誰にするかという時点で結構手間と時間がかかってしまいます。ところが変額保険の場合は、運用している資産を、万が一お亡くなりになったときは受取人が「受取人固有の財産」として扱えます。つまり受取人が元々持っていた資産ということになり、相続財産にはならないのです。受取人が当たり前に自分の資産を引き出すように手続きをし、現金化することができます。この受取人を設定することで、相続財産ではなく渡したい人にお金をちゃんと残せるという安心感こそが生命保険最大の魅力であり、変額保険にもその機能が備わっています。
担当者の価値
変額保険のことを知れば知るほど、「こんなにいい商品をなぜみんな知らないのか」という疑問を抱く人がいます。これはシンプルに広告を打っていないからです。
NISAなどはネット証券が大量の広告を打って、通販で募集をしていますが、保険会社は変額保険には必ず担当者をつけ、通販では販売しません。そうなると保険会社は担当者に手数料を払わないといけないので、広告を打つお金なんてないんです。なので保険会社は変額保険を通販では一切販売せず、担当者に販売させるというスタイルをとっています。つまり、広告を打っていないので認知があまり広がっていないということです。
ただ、それだけこの手の運用商品というのは出口が大切であり、担当者が必ずいた方がいいというのが保険会社の考えです。そりゃそうですよね。万が一があった時にその資産がどうなるのかを考えたら、やはり通販で簡単に始められている分、多くのリスクを抱えていると言わざるを得ません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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