こんにちは。
ファイナンシャルプランナーの森次です。
本日は【源泉徴収票】のお話です。
なんとなく皆さん「見たことあるけど、よく分からない」っていう方が
すごく多いんじゃないでしょうか?
この【源泉徴収票】、
会社員の方は毎年、年末調整が終わった後(大体1月頃)に受け取ります。
また、会社を退職したという方ももらいます。
これは何の書類なのかと言うと、
自分がその会社から、
【どれだけ収入を貰って、どれだけ税金を納めたのか】
この流れの分かる書類なんです。
例えば、自営業の方ですと、
会社員ではないので、この【源泉徴収票】は貰えません。
その代わりに自分で【確定申告】をして「決算書」を作ります。
この【確定申告】では何が分かるかというと、
『どれだけ売り上げがあって、そこからどれだけ経費を引いて、
だから利益はこれだけです。
なので、税金はこれだけかかります。』ということがわかります。
つまり、
《確定申告=売上・経費・納税額》がわかる
非常に重要な書類になります。
では、【源泉徴収票】を見ていきましょう。
まず上記の赤字「支払金額」、これはつまり「収入」ですね。
ただ課税されないものは入らないので、交通費などが抜かれた金額が記載されています。
ここでもう一度、自営業の方のお話ですが、
例えば、カフェのオーナーの場合、
コーヒーなどの”売り上げ”から、”人件費”や”原材料費”、”家賃”などの「経費」を
差し引きますよね。
ただ、会社員の場合「経費」は使えません。
なので、代わりに「みなし経費」というものがあります。
その「みなし経費」は収入額に応じて金額が決まっており、それが
「給与所得控除」と言います。
【源泉徴収票】の「支払金額」の隣の欄には、「給与所得控除」を差し引いてくれた金額が
記載されています。(下図)
では、この「給与所得控除後の金額」に対して税金がかかるのでしょうか?
実はさらにもう1ステップあります。
個人的事情ごとの控除=「私的控除」というものがあります。
例えば、
単身の方と、
おじいちゃん・おばあちゃん・奥さんや子供など、たくさん養っている方では、
生きていく上で必要な経費って大きく異なりますよね。
同じ収入額だから同じ税金をかけるのは、かわいそうということで、
たくさん扶養家族のいる方には、個人的事情を考慮してその分は税金をかけないと
いう仕組み(=私的控除)があります。
例えば、家族関係(配偶者控除や扶養家族など)がそれにあたります。
あとは、「社会保険料」です。
「社会保険料」は収入に対して保険料をかけてくれるものなので、そこに税金をかけるのはおかしいですよね。
他にも、
生命保険に入っている方は「生命保険料控除」を、
地震保険に入っている方は「地震保険料控除」を使えます。
これらの保険は国が推奨しているものなので、保険に入っている方に対しては、
税金から還付するという仕組みがあるわけです。
iDeCoなどもそうで、国が推奨しているので「私的控除」に入ります。
これらの控除してくれる合計額が「所得控除の合計額」に記載されます。
給与所得控除後の金額ー所得控除の合計額=課税所得
(注意)源泉徴収票の中に「課税所得」は記載されていません!
この「課税所得」に対して税金がかかります。
その税金をかけたものが「源泉徴収額」になります。(下図)
日本では、累進課税という方法で税率が決まります。
所得の高い人には高い税率がかかり、
所得の低い人には税率が低く設定されています。
そのため、「私的控除額」の存在は非常に大きく、
「私的控除額」が大きいと、税率が下がるなど納税額に大きな影響を及ぼします。
そして、住宅ローン。
「住宅ローン控除」は特殊な仕組みで「税額控除」と言われています。
簡単に説明すると、
住宅ローンの年末時点の残高(例:2000万円)の1%の金額(例:20万円)が
税金から還付されるという制度になります。
≪住宅ローン=年末時点のローン残高1%が還付される制度≫
例えば、
支払った所得税が28万円、住宅ローン控除が20万円還付される場合、
「源泉徴収額」には”8万円”と記載されます。
そして、「住宅借入金等特別控除」の欄に”20万円”と記載されます。
また、別のパターンで、
支払った所得税が10万円、住宅ローン控除が20万円還付される場合、
「源泉徴収額」には”0万円”と記載されます。
そして、「住宅借入金等特別控除」の欄に”10万円”と記載されます。
ですが、この場合還付されるはずだった20万円のうち10万円しか還付されていません。では、残りはどうなるのかと言うと、「住民税」の方で処理することになっています。
≪源泉徴収額から還付しきれなかった残りは、住民税で処理!≫
【源泉徴収票】は、
どれだけお金をもらってどれだけ税金を払っているのか、
という大きな流れが分かる重要な書類です。
これが分かると、
例えばiDeCoを始める際のメリットや
住宅ローンを組むときに、夫婦併用で組むのか、自分一人で組むのか、
それぞれでどの程度の還付があるのか、、、などたくさんのことを考える
キッカケにもなります。
ぜひ手元に残して、勉強していただきたいな。と思います!
こちらのYouTubeでも詳しくご案内してますので、ぜひご覧ください!
家事の合間や移動時間など、ながら聞きでお勉強できます♪
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PC版の方だとコメントできるようです
厳しい意見は傷つきやすいのでお手柔らかにしてください😂
最後までお読みいただきありがとうございます。