森次 美尊

資産形成のセオリー

こんにちは。ファイナンシャルプランナーの森次です。

今日は資産形成におけるセオリーのお話をしたいと思います。

我々が普段付き合っているお金というのは大きく分けると2つに分かれます。
【固定】するものか【変動】するものか

例えば、住宅ローンで言うと
【固定金利】【変動金利】があります。
とっても分かりやすいですね。

あとは資産運用で言うと iDeCoや会社の確定拠出年金などで、
【元本確保型】といういわゆる固定のものから、
【元本変動型】という投資信託を選ぶものもあります。

他にも子供の資産を貯めたいなと思った時に、
【学資保険】だと、大体が固定金利ですし、
【ジュニアNISA】などのNISAで貯めていくとなると変動していくタイプになります。

このように【固定】OR【変動】を皆さんに選んでいただかないといけないんですね。

この選ぶ際の答え・正解というのは、ありません。
あなたに合ったものはありますが、

それはあくまでケースバイケース

なぜか?

あなたは今、何歳ですか?
あなたのゴールは何歳ですか?
そして、あなたの資産状況は?

例えば、
めちゃくちゃ資産を持っている人が住宅ローンを組むのなら、
【変動】でもいいかもしれないけど、
もうギリギリの生活をしてるよって人が住宅ローンを組む場合は、
金利が上がると困るから、【固定】の方がいいよね。とか。
こういったことがあります。

あとはやっぱり、自分の想いや好き嫌いもあるでしょう。
経験値というのも、もちろんあります。

投資信託も、素人の人がやるのとプロがやるのでは
やっぱり全然違うじゃないですか。

こんな風にいろんなものがありますので、
特に僕が重要視しているのは『ライフプラン』を作って、
今あなたがお金を貯められる時期【貯め期】なのか、
学費とかでお金がかかってくるから運用を頑張る【運用期】なのか、
いよいよお金がかかってくる【取り崩し期】なのか。
これによって違ってくるんです。

なので、この辺りをちゃんとヒアリングしてから、
我々は現場で提案しています。

なんですが!
そうは言っても、実は「基本はこうだよ」っていう
【セオリー】っていうものはあるんです。

これは是非皆さんも知った上で、いろんな状況に臨んいただいた方が
いいんじゃないかな?と思いますので、
今日はこの【セオリー】についてお話していきたいと思います。
 

戦後最低金利の日本

借金の場合

今、日本は戦後最低金利というくらいに本当に低金利です。

ということは、
「住宅ローン借ります」と借金をした時に、
この金利ってどうなる可能性が高いですか?

これ以上さらに下がるっていうのは考えにくいでしょう。
戦後最低金利と言われるほどで、これ以上下げようがないくらいに下がっているわけです。

ということは、
長い目で見たら、これからは上がっていくに決まってんじゃないの?と。
この可能性の方が(可能性で言うと)圧倒的に高いですよね。

ということは、この低い金利で固定させておく方がいい。
これがセオリーです。

なので、世の中が低金利の時に借金をするのであれば、
【固定金利】がいいんです。

資産運用の場合

一方で、借金の反対、資産運用の場合。お金を貯めていく作業をする時はです。

例えば、缶ジュース。
昔は100円の時代もありましたが、今では130円です。
長期的に見ると、いろんなモノの値段・物価って上がっていってるんです。
物価は上がってるんですが、今って本当に低金利なんですよね。

ということは、銀行に置いている100円が
20年後に130円になるかって言うと、この低金利じゃ到底無理です。

つまり、これだけの低金利だと、物価の上昇に金利が追い付いていないという状況が起きてるんです。

ということは、固定金利にすればするほど、お金の価値って減っていきます。
買えるものが少なくなっちゃうんで、価値も減っていくんです。

なので、この低金利の時代にお金を将来に持っていく、貯めていく、
ということは【変動】させていった方がいいよねっていう風になるわけです。
これがセオリーです。
 

【セオリー】
・借金=固定
・資産運用=変動

そう考えると答えは決まってきました。
住宅ローンに関しては借金なので【固定金利】を選ぶのがセオリーだし、
確定拠出年金・iDeCoなどの資産運用は元本確保型より元本変動型の【変動】タイプの方がいいんです。

例えばiDeCoの場合、60歳まで引き出せないよって時間を差し出さないといけないわけですから、
これでお金が増えていかなかったら、実質価値が下がっていきますよね。
だったらこれは、【変動】を選ぶのがそもそもセオリーですよ、となるわけです。

実際の現場では?

じゃあ、実際の現場ではどうなのか?というと、、、※2020年調べ

セオリーで言うと借金は固定がいいんですが、
全期間固定の住宅ローンを選んでいる人って全体の2割弱なんです。
※最初固定金利→途中から変動金利になるものは変動金利として計算

セオリーでは借金=固定なんです。
でもそのセオリーを選んでいる人が2割弱で、ほとんどは変動を選んでいるということです。

これはなぜかと言うと、
変動金利にはリスクがあって、そのリスクは誰が取るのかというと、
「お客さんに取ってもらいましょう。銀行はリスク取りませんよ」ということで、
銀行にしてみたら変動金利を勧めたいんですよね。

とか、
変更金利はお客さんがリスクを取る分、金利が安いので、
見た目10万円の支払いか11万円の支払いかってなったときに、全然違う印象ですよね。
なので、住宅メーカーにしてみたら、変動金利の方が提案しやすいんです。

このようなポジショントークとかもあって、
実際はセオリーと逆を言っているということは知っておかないといけないですよってことです。

一方で、貯める場合。
確定拠出年金・iDeCoの中で、大体半分のお金が元本確保型に入っています。
つまり【固定】ですよね。
先ほどもお伝えしたとおり、60歳まで引き出せないんです。
しかもこれ、iDeCoを自分で開設したら手数料として口座の管理料みたいなものを毎年払うんですよ。
わざわざ増えないところに置いてたら、これ、全然価値ないですよねって話なんで
しっかり時間使うんだったら、やっぱり資産運用しましょうよって思うんですが、
結局半分の方はセオリーとは逆のものを選んでいるということになります。

もちろん、一概には言えません。
あくまで、ケースバイケース。

皆さんそれそれが答えなんだっていうのが、今日の結論なんですが、
だからこそ、
「セオリーはある」と頭に入れた上で
自分で判断していっていただきたいなという風に思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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