こんにちは。ファイナンシャルプランナーの森次です。
今日はお子様の大学費用を考えてみたいなと思います。
お子様がおぎゃあと生まれたら、
十何年後にはお子様から「大学に行きたいんだ」と言われるかもしれませんよね。
こう言われた時に、何も準備していないのと、今から準備しておくのとでは、
当然ですが全然違ってきます。
『お子様が大学へ行きたいと言ってきたら、学費など出してあげたいですか?』
このように質問をすると、1番多い答えとしては
『余裕があれば出してあげたい』なんです。
ただ、考えてみてください。
皆さんの年齢とお子様の年齢について。
お子様が18歳になったときに、皆さんはおいくつになりますか?
もちろん、いろんな方がいるかと思いますが、
ほとんどの方はお子様が大学へ行く年ごろになると、
老後が差し迫っている、という方ばかりじゃないでしょうか?
ということは、大学費用も大事ですが、
その後にとんでもなく大きな『老後』っていう暗闇が待っているわけですから、
余裕なんてないよってことなんです。
ほとんどの人が子供の大学費用がかかるタイミングで余裕なんてないんです。
それなのに、みんな「余裕があれば出してあげたい」って言いますが、
「いや、それじゃ出せないですよね」って話なんです。
ということで、本当に出してあげたいのであれば、今のうちにちゃんと
しっかり考え、準備していただくことが必要なんじゃないかなと思います。
それではどのように準備していったらいいのか、
そしてどのくらいかかるのか、などを考えていきたいと思います。
学費
まずは学費について。
1番多いタイプ
・私立
・文系
・4年制大学
・自宅通い
この条件で大学へ通う場合、授業料だけではなくお小遣いなども含めて、
平均的にいくらくらいかかるのか、というのが4年間で約738万円だそうです。
※平成27年度日本政策金融公庫の指標参照
おぎゃあと生まれた瞬間から18歳でお金がかかるところまで、
216ヵ月の準備期間があります。
そう考えると、単純に割り算したら月34,000円くらいになります。
つまり、34,000円をおぎゃあと生まれた瞬間からずっとコツコツ毎月貯め続けていくと、
めでたく738万円に到達するわけです!
さあ、それで738万円を出して、
子供を【私立・文系・4大・自宅】から通わせようかっていうので、いけると思いますか?
実はそんなに甘くありません。
なぜか?
物価が上がっていくからなんです。
過去の投稿でも何度かお話していますが、
缶ジュースだって昔は100円だったのに、今では130円になっていたり、
いろんなものの値段が上がっていってますよね。
当然なんですが、この学費に関わる費用も上がっていってるよってことなんです。
じゃあ、どのくらい上がっていってるのかなんですが、
1970年から見ると、ものすごい上がり方です。
1970年が100%だったとした時に、
2021年時点で大体の学費っていうのは674%
つまり、6.7倍ぐらいまで上がっていってるよってことなんです。
これ、年率に直すと大体、年3.8%ぐらいの年利回りですから、
学資保険入るよとか、資産運用してお金をジュニアNISAで貯めるよと言っても、
年率3.8%ぐらいの利回りっていうのは、
ちゃんと計算しないと溜まっていかないよってことになるわけです。
ただこの時代から考えたときに、高度経済成長とかがあったわけで、
ちょっと現実的じゃない部分もあります。
では、2000年から見たらどうなのか?
実は面白いことに、2000年から比較するとほとんど上がっていないんです。
だから正直この先どうなるかというのは分からないところはあるんです。
学資保険で貯めるなら・・・
ただ、一応学資保険って大体はちゃんと増えるもので、
自分の支払ったお金の105%ぐらいにはなっています。
お金を貯めたいから学資保険に入るんだっていう目的の場合、
自分がいくら払って、いくら貰えるのかって、めちゃくちゃ重要ですよね。
それが大体105%ぐらいなんです。
酷いもの、というよりも今だと
半分以上は払ったものよりも減っているということもありますから、
これはめちゃくちゃ注意が必要です。
自分の目的が「お金を貯めたい」だった場合に、
払った金額よりも減っているなんて話にならないわけですよね。
「学資保険に入っている」「月2万円払って貯めてるんです」
と、それだけで満足することなく、
トータルで幾ら払うのか?
それに対していくら受け取れるのか?
これをちゃんと見ておいてください。
これがポイントです。
そして、もう1つ重要なのは
月2万円払ってるということに満足するんじゃなくて、
最終いくら受け取りたいのかという最終目標額をしっかり見ておかないと
「一生懸命貯めたけど、結局全然足りないわ」
これでは全く意味がないわけですから、まずはしっかり目標設定をして
それに対して自分は今いくらぐらいかけているんだ、ということを把握するということです。
それが良いもので、今105%ぐらいです。
ちょっと前まではもうちょっと増えるやつもあって、それでも115%ぐらいでしたが、
年率3.8%とかいう次元で言うと、もう全然レベルが足りない!!
もうこれ、実質価値では減ってんじゃない?!みたいなレベルの話です。
ただ、直近のこの20年ぐらいで言ったら、これでもまあいいんじゃないかな?
ていう、こんなイメージかもしれないってことです。
奨学金は子供が背負う借金
じゃあ、もし貯めてたけど足りなかったらどうするの?って言うと、
奨学金を借りたりするわけですよね。
奨学金というのは、その方の親の所得などによっても変わるんですが、
かなり優遇された制度になります。
すごく安い金利で借金ができます。
ただ、この借金はお子様が背負うんだよっていうのも分かっておいてください。
なので、
一生懸命、今iDeCoをやってるんですっていう子育て世代の方がいます。
自分の老後のために一生懸命貯めています。
このiDeCoっていうのは、始めたら途中では引き出せないんです。
一生懸命自分の老後のためにお金を貯めて、途中で子供に借金を背負わすって
これ、本当にアリなんですか?とかね。
あとは住宅ローンを早く返したいからって言って、繰り上げ返済しますって言って
自分の借金を一生懸命返していくんですよね。
それでもその過程で奨学金を借りる、つまり自分の借金を返して子供に借金を背負わすって
これ本当にアリなんですか?っていうことです。
もちろんそれもちゃんと分かった上で、金利とかを計算して、
これが得だからこうするんだっていう、ここまで計画を立てるのはもちろんアリです。
アリなんだけども、そういうことも何も考えずに、
「いいじゃん、奨学金で!」くらいの軽いノリでやっちゃうのは違います。
これは子供の借金だよっていうことはちゃんと分かっていただきたいな、という風に思うわけですね。
結局どうすればいいの?
やっぱりこれからのご時世、金利っていうのはどんどん下がっていきます。
というか、今もうすでに最低金利ですよね。
もう下がんない、、というくらい、
今現状、戦後最低金利ぐらいのところまで下がりきっているんです。
ということは、この先長い目で見たら、上がる可能性の方が高いですよね。
だって世の中の金利って、今もう下がりきってるので。
学資保険というのは、この下がりきっているパーセンテージで固定させるんです。
学資保険って入った瞬間に、○○円払えば、18歳で●●円もらえるよ、
というように最終金額が決定してるんですよ。
これってつまり固定金利ですよね。
つまりこの最低金利のところで固定させるわけですから、良い訳がないんです。
だから元本割れしたりとか、全然増えない、となるわけです。
なので、やはりこのご時世、これだけ金利が下がってきたら
これからは資産運用っていうのが、
学費を貯めるというときにも必須になってくるのかな、と思っております。
積立NISAは20年間非課税期間が取れたりします。
この20年って微妙だけど何に使えるのかな?って考えたら
学資保険代わりにピタッとはまるかもしれないですよね。
他にも、子供に資産が移ってしまうという理解が必要ですが、
ジュニアNISAという選択肢もあります。
今のご時世、これからは学費を貯めるのも資産運用って考えてもらえると
この年率3.8%も難しい数字ではないんじゃないかな?という風に思っております。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
こちらの記事でご案内してます。