森次 美尊

iDeCo 長期資産運用にバランス型は必要?


こんにちは。

ファイナンシャル プランナー もりつぐ先生です。

今回のテーマは投資信託を選ぶ時に出る「リスクを抑え込む方法論」についてです。

2021年3月のニッセイ基礎研究所が出してる資産運用について、
面白いデータがあったのでこちらを参考に、
投資信託を選ぶ時にいろいろな商品を分散するバランス型というやり方が正しいのか、
一方で僕がずっとお伝えしている世界株一択という考え方を選んだ方がいいのか。

この辺りの情報を読み解きながら、お話ししていきたいと思います。

確定拠出年金・iDeCo

確定拠出年金 とは、加入者自らが拠出された掛け金を運用し、
その運用結果に基づいて給付額が決定される年金制度です。

もしかすると皆さんが既に入っているかもしれませんが、
企業型確定拠出年金DCといい、
自分でこの積み立て先を決めてやっていく仕組みのもので、
会社の退職金制度として導入されています。

企業型のほかに、自分で金融機関に口座を作って運用する
個人型確定拠出年金=iDeCoがあります。

確定拠出年金制度は色々な運用商品があって
いろいろな商品が選べるのですが、
中には預貯金保険というものがあります。

これは元本確保型と呼ばれる、
保険商品でいうと年金保険のような元本保証されたものです。
そのかわり利益は全然増えません。

元本確保型

確定拠出年金の元本保証型の商品は
全体の45%くらい
で、昔は50%以上あったので
だいぶ減ってきてはいますが、それでも多いなと思いますね。

減っている理由としては、確定拠出年金は
今入れたら60歳まで出せないと分かっているからです。

今後増々上がっていく物価を考えた時に、
まったく金利がつかないような元本確保型に置いておくことは、
お金の価値を目減りさせていくことになります。

どんどん目減りさせて、
将来お金を使うことは決定しているのに資産が増えないのは
元本保証というより、価値としてはマイナスになりますので、
やはりこういった部分をちゃんと考えてみてほしいなと思います。

バランス型

次に多いのがバランス型で、
こちらは確定拠出年金全体の18.3%です。

ここで僕が言いたいのは、しっかりといろんな運用商品や、
その特性を勉強した上でバランス型がいいと思われた方は
是非これを選んでください。

僕の見立てでは、勉強不足でどの商品を選んでいいのか
よくわからない上にリスクも怖いから
バランス型を選ぶという人が結構多いようなのですが、
この傾向は良くないんじゃないかと思っています。

というのは自分で色々勉強した結果、
『預貯金』や『保険』を選んだという人は
あまりいないはずだからです。

預貯金・保険。バランス型
つまり一番多い上位の『元本確保型』と『バランス型』を
選んだ人達というのは基本的にこの制度の中にお金は入れているけど、
積極的にこれを選んでるというよりは、
「選ぶ商品がよくわからないからこれにした」という、
消極的な理由で選んだという人たちなのではないかと思うんですよ。

ですので、よくわからないから選んだという人たちを
「これがいいから選ぶんだ!」というかたちに持っていける
金融教育が今最も必要とされてるのではないかと読み解けますよね。


そしてバランス型とはどういう商品かという話をする上で、
2021年までの間で月2万円の積立をした場合、
各金融商品がどのように増えていったのかという
面白いデータの話があります。


バブル崩壊の直前の1990年ぐらいからだと
30年以上のかなり長い期間で積立できるので、
2021年まで積立をすると
768万円の積立をしたことになります。


米国株式や外国株式に積立した人、
国内、国外も全部含めた世界全体の株に積立した人で、
後はハイリスク商品、外国債券と中リスク商品、国内株式、債券など
たくさんある中で「どの株に積み立てしたら、どれだけ増えたか」
というお話をランキング形式でしていきます。

バブル崩壊直前から1番伸びた投資先は…

第1位.米国株式
Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft などといった
米国株式です。やはり強いのはこれですよね!

第2位.外国株式
こちらは1位の米国株式に比べて、
もう少し世界全体に分散したものになっています。

第3位.国内も含む国内外の株式

国内の比率がどうしても多いので、金額的には少ないけれど
ベスト3に入っています。


次は少し後の時代で、
ITバブル崩壊があった2000年ぐらいから
現在までずっと積立していくと524万円になっていて、
元金はどうなってるかというと
やはり1位・2位・3位 が変わっていないんですよ。


30年という長期間で積み立てをすると、
760万→6000万になりますが、
ITバブル崩壊直前からの20年はそこまでの時間もないので、
500万→2400万です。
それでもすごく増えている数字ですよね。


この次にリーマンショック直前の2007年ぐらいから見たら
元金340万なんですが、
これもやはり
米国株式:1300万
外国株式:1000万
国内外株式:800万と増えていて、
やはり1位・2位・3位の順位が変わっていないんですよね。

コロナショックという大きなマイナスがきた時から見ても同じで、
過去のどんな不況があっても最終的に
資産の上昇率1位・2位・3位の順位は変わっていません。

つまり、
バブル崩壊、ITバブル崩壊、リーマンショック、コロナショックという
大きなマイナスがくる手前から積立をスタートした人は
大きなマイナスがくると
「自分の株価は下がるときがあるんだ」という経験を
させているというわけです。

しかも日本のバブル崩壊直前から積立をスタートした人は、
その経験を4回もしていて、
ITバブル崩壊やリーマンショックのあとに積立した人も
それぞれに経験しているんですが、
結果的に資産の上昇率は全然変わっていないし、
これだけ皆さんの積立が増えているという事実があるわけです。

本日のまとめ

積立投資とは、
下がった時にたくさん買えるというメリットもありますので、
上がり下がりというリスクをうまく味方にしましょう。

投資信託はリスクと共存していくという投資方法なんですね。

なので、上がり下がりのリスクはよくないから
色々くっつけてバランス型にしましょうというような考え方が
ありますが、あえて減らさなくても
リスクとうまく付き合った方が結果的に資産は増える
というのが事実としてあるということなんです。


だから僕はこういったことをわかっているので、
やはりバランス型ではなくて
外国株式といったところに投資資産を置いた方が、
いいんじゃないかと思っています。


まとめます!
今回の重要ポイントとして、
積極的に『 外国株式と世界株式 』がいいですよと言っているわけです。

皆さんも是非、自分の資産を投資する時には
やはり自分で積極的に選んで欲しいと思います。

よくわからないままで、
『とにかくリスクが少ないからバランス型!』を選ぶのではなく、
リスクとは何かをしっかり理解していただきたいですし、
一番良くないのは、積立の方法を勉強しても全然わからない状態で
とりあえず預貯金にしようということだと思います。


まずはしっかりと理解していただいて、
自分で判断してこれだと思うところまで来てから
スタートして欲しいなと思います。


最後までお読みいただきありがとうございました。


本日のコラムは、こちらのYouTube動画でご案内してます。