相談事例集|確定拠出年金(企業型・iDeCo・個人型)の相談事例をまとめました。

相談事例集|確定拠出年金(企業型・iDeCo・個人型)の相談事例をまとめました。

会社を辞めた時、会社に支払うお金があると言われました。これってなんですか?

ご相談者様DATA

【年齢】 28歳

【職業】 会社員

【性別】 女性

【家族構成】独身

 

相談しようと思ったきっかけ(アンケート抜粋)

転職のため会社に退職願を出したときに、「確定拠出年金の手続きして下さい。早めに支払って下さい。」と会社から言われました。何のことか分からずどうしようと思っていたとき、メデイアコスモスでの確定拠出年金セミナーのチラシを持ち帰った事を思い出し(都合で聞きに行けなかったのですが)相談しました。

 

ご相談内容

二年半前に今の会社に入社したのですが、自分のスキルアップのために転職することになりました。

会社に退職を申し出たところ、「早めに確定拠出年金の手続きをして下さいね。会社に支払ってもらうものがあるので。」と言われました。

確かに、今の会社では確定拠出年金というものに入社時から加入しています。皆さん入っているからと、よくわからないまま入りました。

でも、会社に払うってなんのことですか?何も会社に迷惑掛けてないのに。。。

 

ご相談でお話しした内容

 

企業型のルール

まず、簡単に企業型確定拠出年金についてご説明します。

企業型確定拠出年金は企業退職金の一つです。

退職金は、会社の為に長く勤務した方に対して退職時に感謝を込めて会社から支給するお金ですが、確定拠出年金は前払いのような形で会社在籍中の従業員の個人口座へ掛金を直接拠出します。

そして、会社が拠出した掛金を元に、従業員がそれぞれ運用して退職金作りをします。

 

企業型確定拠出年金規約は、労使合意(過半数を代表する労働組合、過半数代表者との合意を得て制定します。

個人型確定拠出年金のように個人の意志で加入するのではなく、全て規約に基づきます。

加入者資格は、企業型の場合その会社に在籍していることです。

退職する場合加入者資格を失いますから、移換等の手続きが必要になりますが後に述べます。

一定の資格を定めて加入者の制限も出来ますが、加入者とならなかった者が差別されないようにされています。

 

もし、短期で退職となった場合、今までは長く勤めないと受け取れなかった退職金が短期でも貰えてしまうことになります。

それを防止するための規定を規約に定めることが出来ます。

 

事業主返還

確定拠出年金の事業主への資産返還です。

使用期間3年未満の場合、規約に定めることにより、事業主は負担した掛け金の返還を求めることが出来ます。(確定拠出年金法第3条3項)

資産返還規定は使用期間3年未満であれば会社により定めることが出来ますので、例えば使用期間を2年とすることが出来ます。定めない会社もあります。

退職時にその会社での勤務年数が規定に満たない場合は、事業主が支払った掛け金を返金しなければなりません。

ここでご注意いただきたいのが、この勤務年数は現在の会社においての勤務年数で、確定拠出年金の通算加入期間ではありません。

ご相談者様の場合、この規定が3年であり、事業主掛金の返還が生じたと思われます。

 

次に返金についてご説明します。

返金は必ず金銭により行われます。

運用中の確定拠出年金の口座の資産を現金化して返金します。本人がお金を振り込むのではなく、確定拠出年金の資産残高から差し引かれ金融機関を通じて会社に返金されます。

運用成績が悪く、事業主拠出金より少なくなってしまっていても、現金化した個人別資産額を返還すれば良いのです。

例えば、月々2万の拠出金で2年半(30ヶ月)、合計60万の事業主拠出があったとします。

退社のため現金化したら55万しかなく、事業主拠出金に5万円不足する場合でも、55万円を返還すれば良いのです。不足分を個人負担する必要はありません。

マッチング拠出の様に加入者個人の掛金も一緒に運用している場合、加入者個人の掛金の原資は返還の必要はありません。現金化した金額から、加入者個人掛金の原資を引いて返金します。

先ほどの例で、月々2万のうち5千円は個人拠出だったとします。事業主45万円、個人15万の拠出です。

現金化した55万円から、個人拠出分の15万を引いた残りの30万を返還すれば良いのです。

もし、前職も企業型に加入していて制度移換がある場合も同様に、移換原資を引いて返還します。

 

ところで、会社に支払った残りの個別資産の額が、

15,000円以下の場合

退職時に企業型で脱退可能です。(脱退一時金)

 

15,000円以上でも、

①保険料免除者である

②障害給付金の受給者でない

③拠出期間が一ヶ月以上3年以下であるが、または個別管理資産の額が25万円以下

④最後に「企業型」年金の加入者資格を喪失した日から起算して2年を経過していない

⑤「企業型」年金の脱退一時金の支給を受けていない

を全て満たせば脱退可能です。ご加入の運営管理機関にお問い合わせ下さい。参考iDeCo公式サイト

 

脱退でなければ、資格喪失後(企業退職後)6ヶ月以内に自分で移換手続きを行います。

転職後に企業型があれば転職後の会社に、個人型に加入するなら個人口座開設の手続きを自分でします。

資格喪失日は退職した日の翌日です。

もし、資格喪失した月の翌月から起算した後6ヶ月以内に手続きされなかった場合、自動移換され「その他の者」となります。

例えば、1月末に退社した場合、資格喪失日が2月1日となり、手続き期限が8月となります。

自動移換されたら、費用が掛かるだけで運用出来ないばかりか障害給付金も出ません。

(ただ、転職先に企業型があるが、入社まで6ヶ月以上になる場合はご相談下さい。)

ご相談者様の場合、会社に事業主返還規定があるため、会社に支払うお金が発生しました。会社に迷惑を掛けたからとかではありません。

逆に会社に迷惑を掛け解雇された人でも、授業主返還の期間を満たしていれば返還の必要がないのです。

罰金とかではなく、ただの規定です。

早めに手続きされて会社に支払いを済ませ、新しい会社で心機一転、スキルアップのスタートしましょうとお伝えしました。

※2018年5月 一定の条件を満たす方については自動移換された資産は、ご本人の手続きなく企業型あるいはiDeCoに移換されるようになりました。詳細こちら

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林 智慮
今のことしか考えられない現役世代の方!「今も」ゆとりができる「年金作り」、始めませんか。

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