住宅ローン控除の確定申告ってどうやるの?

ご相談者様DATA

 

【年齢】35歳

【職業】会社員

【性別】男性

【家族構成】配偶者、子供2名

 

相談しようと思ったきっかけ

 

昨年、家を新築して住宅ローンを借りました。税金の手続きは会社の年末調整の時に会社でしてもらえると思っていたら、会社の経理担当者に「最初の年は自分で確定申告をしなければいけない」と言われました。

どうやって確定申告をしてよいのかわからず、友人に相談したところ、住宅ローンに詳しいファイナンシャルプランナーの北本さんを紹介してもらいました。

 

ご相談内容

 

 昨年、ハウスメーカーで住宅を新築したご相談者様。その時に住宅ローン控除を受ける事ができると聞いていたが、具体的にいくら、いつまで、どのくらい戻ってくるかもよくわからず、また、どうやったらお金が戻ってくるのか?が全く分からないということでした。

また、会社で手続きをしてもらえると思っていたのだけど、最初の年は確定申告が必要との事で、いつ、どこで、どうやって手続きをすれば良いのか、教えてもらいたいとの相談。

 

ご相談でお話した内容

 

まず、住宅ローン控除ですが、昨年消費税の改正(8%→10%)があったので、契約時期によって消費税が違ってきます

消費税8%が適用される住宅は、2019年3月31日までに契約をしていれば、引渡し時期が10月1日以降でも8%が適用されます。

また、2019年9月30日までに売買契約と引渡しが終わっている場合(建売住宅や中古住宅等)が対象となります。(下記参照)

そこで確認をしたところ、契約日が2019年1月であった為、今回は消費税8%なので住宅ローン控除は10年間となる事を説明しました。

 

 

控除額について

 

次に、いくらくらい控除を受ける事が出来るのかを確認したいという事でしたので、今後10年間は年末のローン残高の1%が戻ってくる事を伝えました。

例)年末のローン残高 2,500万円

   2,500万円×1%=25万円    ← 1年目で戻ってくるお金

※2年目からは返済がスタートしますので、ローン残高が減ると控除額も毎年減っていく事になります。

 

ただし全額控除ができるかは、源泉徴収票の確認が必要になります。

源泉徴収税額(実際に支払う税金の合計)が、ローン残高の1%以上であれば全額戻ってきますが、源泉徴収税額が1%未満であれば、源泉徴収税額分しか戻せない事になります。つまり納税額によっては、ローン控除を引ききれない場合があるのです。

 

もし、所得税で取り戻せないときは、住民税で差額分(最高135,000円)が翌年の住民税で控除されますので、合わせると全額控除できる可能性が高いです。

 

 例)源泉徴収税額 150,000円の場合

 上記の様に、翌年の住民税が100,000円安くなります。また、確定申告をすれば、市区町村への申告は不要となります。

 

なお、源泉徴収税額については、会社員の場合年末調整で会社から提出される「源泉徴収票」で確認できます。下図※印。

 

確定申告について

 

 確定申告をするにあたっては、下記条件を満たしていないと控除が受けられない場合がありますので、まず最初に確認欄のすべてにチェックが入るかを確認します。

                                             適 用 要 件確認欄
  1新築をした日から、6ヵ月以内に入居している。 □
  2本年の12月31日まで引き続き居住の用に供している。 □
  3本年分の合計所得金額が3,000万円以下である。 □
  4住宅の床面積(登記事項証明書に表示されているもの)が50㎡以上であり、かつ床面積の2分の1以上がもっぱら自己の居住用である。 □
  510年以上の償還期間を有する住宅ローンによって住宅を取得している。 □
  62以上の住宅を所有していない。 □
  7入居した都市およびその年の前後2年以内にマイホームを倍局した場合の譲渡所得の課税の特例を受けていない。 □

いつするのか?

   通常の確定申告であれば、今年は2月17日から3月16日(コロナウィルスの影響で4月16日に延長)までと なっていますが、住宅ローン控除のような還付申請の場合は、1月から受付をしています。

 

どこでするの?

 住所所在地の管轄する税務署にて手続きができます。 また、郵送やインターネット(e-Tax)でも手続きが可能となっております。

 

必要な書類は?

    確定申告にあたって必要な書類ですが、今回は一般住宅という事ですので、下記の書類を準備していただきます。

                 適 用 要 件 確認欄
 1金融機関等から交付された「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」【原本】 □
 2住宅の登記事項証明書【原本】 □
 3住宅の工事請負契約書又は売買契約書【写し】 □
 4

(土地の購入にかかる住宅ローンについて控除を受ける場合)

・土地の登記事項証明書【原本】

・土地の売買契約書【写し】

 □
 5

(補助金等の交付を受けた方)

市区町村からの補助金決定通知書など補助金の額を称する書類

 □
 6

(住宅取得等資金の贈与の特例を受けた方)

贈与税の申告書など住宅取得等資金の額を証する書類【原本】

 □
 7給与所得者の方は、令和1年分の給与所得の源泉徴収票【原本】 □
 8確定申告書に記載したマイナンバー(個人番号)の;本人確認書類(マイナンバーカード(個人番号カード)の写しなど) □

※パソコンで入力する場合は、原本の添付は不要となる場合があります。

 

上記の書類が揃ったら、次に確定申告書Aに必要事項を記入します。

確定申告書への記載は、源泉徴収票を基本的に転記します。

 

国税庁のHPより、確定申告書Aをダウンロードできます。

file:///C:/Users/Owner/AppData/Local/Microsoft/Windows/INetCache/IE/DTS76O3Z/01.pdf

 

  次に、住宅借入金等特別控除額の計算明細書を記入します。

  明細書は、土地・建物の登記簿謄本や売買契約書などに記載されている数字

  や金額を転記します。

 

  こちらの用紙も国税庁のHPよりダウンロードができます。

file:///C:/Users/Owner/AppData/Local/Microsoft/Windows/INetCache/IE/719YXYJD/17.pdf

 

提出方法

  1. 税務署に持参
  2. 郵送
  3. インターネット(e-Tax)

 

まとめ

 

今回、確定申告が初めてという事でしたので、税務署に行って確定申告書Aと住宅借入金等特別控除額の計算明細書を取りに行ってもらい、わかる範囲で記載したうえ、必要書類と一緒に税務署に持参する事をお勧めしました。こうすれば、万が一不備があっても、税務署の窓口で指摘をしてもらえますし、その場で訂正も可能です。

もし、記載事項でわからない事があれば、電話で対応もしてもらえます。

また、2月17日以前であれば、書類一式を持参して税務署に行くと、税務署のパソコンに自分で入力をする事もできます。わからない事があれば、税務署の職員に聞くことも可能です。

確定申告と言うと難しいイメージがありますが、住宅ローン控除の場合は、必要書類さえ、きちんと準備をしていただければ、あとは転記のみなので、比較的簡単にできる事をお伝えすると、「自分でもできそうです。」と安心され、帰りに税務署によって書類をもらって帰るとの事でした。

今回は住宅ローンの手続きをいうことでご相談にお見えになりましたが、実はお金の課題は住宅ローンだけではありません。お子さんの教育資金の準備や老後の準備も必要です。とりあえず住宅ローンの税金の手続きが完了したら、あらためて家計の見直しをしながら、今後の準備をしていくことになりました。

この記事を書いた人
北本 裕子

生活や老後の生活に不安を感じている人。少しでも不安を解消し、ゆとりのある生活に変えませんか?

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