林 智慮

【還付金詐欺】役所から「還付金を受け取れる」と電話、それは詐欺です!

制度や仕組みを、

知っていれば【貯められる】、知っていれば【殖やせる】、知っていれば【騙されない】

FP相談ねっと林です。


還付金詐欺が増加しています

銀行のATMコーナーには、「還付金詐欺に注意!」とのポスターやチラシがあります。

還付金詐欺とは、「還付金を受け取れます。ATMで手続きが必要です。」とATMに誘導し、携帯電話でATMの操作をさせます。実は、受け取りの手続きではなく、被害者の口座から詐欺グルー分の口座に送金させるものです。

還付金詐欺は今になってから始まったことではありません。

しかし、再び増加してきており、しかもATMだけでなく、インターネットバンキングを使った手口も発生しています。

独立行政法人国民生活センター 令和5年7月26日 報道発表資料
『還付金詐欺が増加しています!‐ATMだけじゃない!ネットバンキングを使う手口にも注意‐』

www.kokusen.go.jp/pdf/n-20230726_2.pdf

によると、2022年の還付金詐欺は、過去5年間で最高となっていて、60代、次いで70代の被害が特に多くなっています。


www.kokusen.go.jp/pdf/n-20230726_2.pdf

コロナ不況・円安・物価高のキーワードに、少しでも手持ちのお金を多くしたいという気持ちが揺さぶられたのでしょうか。

「還付金があります」という電話に注意すること

過去に何度も記事にしておりますが、注意するポイントを挙げておきます。

♢役所から還付金がありますと言うお知らせが電話で来たら、それは詐欺です!
 公的機関からは文書で通知が来ます。←ここ、重要
 書面による手続きをします。還付金の可能性がある場合、直接、担当の役所に聞きましょう。

♢受け取る為にATMへ行って・・は詐欺です!
 相手が振り込んでくれれば良いので、受け取る場合に操作は必要ありません。
 文書に必要事項を書き込んで、返信するのみ。インターネットバンキングでも、受け取る操作はありません。

♢パスワードを聞いてきたら、それは詐欺です!
 振り込んで貰う場合に必要な情報は、口座名義人と口座番号 だけです。それ以外を聞いてきたら疑いましょう。
 パスワードは、口座から引き出す時に使います。自分の口座に入金する時は、パスワードは使いません。

インターネットバンキングの場合、根こそぎ引き出される危険も

インターネットバンキングの場合でも、同様です。振り込んで貰う相手に伝えるのは、口座名義人と口座番号でだけです。

ATMへ行って・・の場合は、行かなければ騙し取られることはありませんが、インターネットバンキングの場合さらなる被害が待ち受けています。

インターネットバンキングの場合、ログインのID・パスワードを聞いてきたら、絶対に教えてはいけません!
ID・パスワードなんか教えてしまうと、勝手にログインされます。

次に、引き出すためにワンタイムパスワードを聞いてきます。絶対に教えてはダメです。根こそぎ持って行かれます。ATMへ行っての場合、被害金額は指定の金額にとどまりますが、インターネットバンキングの場合、口座資産を全額引き出される恐れがあります。

また、「インターネットバンキングなら手数料がお得になる」と言われて、インターネットバンキングでの被害事例もありましたが、口座振り込みで受け取る場合手数料は引かれません。

そもそも、銀行での手続きなら、通常は「窓口 または ATM」です。「いきなりATM」の時点で疑いましょう。「いきなりATM」の指示があっても、まず、銀行の「窓口」で相談すると良いかもしれません。ATMでの手続きが有利な場合は「ATMをご利用になった方が」と教えてくれます。