林 智慮

【闇バイト】ネット上での知人が教えてくれた「海外で儲かる仕事」は危険です!

制度や仕組みを、

知っていれば【貯められる】、知っていれば【殖やせる】、知っていれば【騙されない】

FP相談ねっと林です。



警察庁は2/28~3/31まで、トラックの側面に「闇バイトは犯罪です」とラッピングしたアドトラックで広報活動を行っています。

SNSやネット掲示板には、「誰でも簡単高収入」をうたい、犯罪の実行者を募集する投稿が掲載されていることがあります。

「簡単に高収入を得られるなら」と応募すると、強盗や詐欺といった犯罪に加担するはめになり、逮捕されてしまう人が多くいます。

そして、「闇バイト」は、国内だけに留まりません。「海外で儲かる仕事」と海外へ誘われて監禁させられ、特殊詐欺に加担することを強要される事案も発生しています。

たとえば、オンラインゲームやインターネット等では、自宅に居ながらにして、国内だけでなく国外の不特定多数の人とも知り合うことができます。しかし、便利である一方で、知り合った相手が本当に教えて貰ったとおりの人かは分かりません。

オンラインゲームで知り合った面識もない人から「海外で儲かる仕事」に誘われ、渡航費も滞在費もタダと言われて海外渡航した結果、脅迫・監禁され、犯罪に加担させられる事案が発生しています。

渡航したら、更に国境を越えて知らない地域に連れて行かれて、特殊詐欺に加担することを強制されます。儲かるどころか、助けを求めることすら難しく、殺されてもおかしくないのです。

以下は、警察庁に相談があった事例です。

・オンラインゲーム上で知り合った人から海外の仕事を紹介され、タイへ渡航後、ミャンマーへ密入国させられた。そして、マシンガンで武装した者が監視する建物に連れて行かれ、詐欺をさせられた。

・インターネット上で知り合った人から海外での仕事を紹介され、タイへ渡航後、ミャンマーへ密入国させられた。ノルマを課され、出来なければスタンガンで暴行される環境下で詐欺をさせられた。

・ 知人への借金返済に窮していたところ、知人の関係者から、借金返済のために海外の仕事を紹介された。カンボジアへ渡航後、詐欺をさせられた上、軟禁された。

・知人から海外の仕事を紹介され、中国へ渡航すると、詐欺をするように言われた。帰国したいと言うと、暴力団の名前を使って脅された。領事館へ助けを求め、保護された。

・ 知人から海外の仕事を紹介され、はじめはカンボジアに渡航し、偽の仕事について説明を受けた。そして、ベトナムに行くよう指示され、渡航後、詐欺をするよう言われたため、逃げてきた。

(引用:警察庁HP 「海外で儲かる仕事」は危険です!)

他国で特殊詐欺を働くには、その国の言葉を話せることが必要なので、その国の人を連れてくるのが手っ取り早いのです。海外での闇バイトは、「犯罪者になる」 だけでなく、 命まで奪われるかも知れないものなのです。


そもそも、オンラインゲームやインターネットで知り合っただけで、実際に会ったこともない人が、渡航費を負担してくれるというのは、そのくらい負担してもそれ以上のお金が取れるからなんですよね。

オンラインゲームで繋がっているだけの人でも、何度かチャット等でやりとりしていくうちに、「ネットの人」から「知っている人」になってきます。知っている人になったら、なんとなく信頼できる感覚になってきますよね。色々突っ込んだ話をするうちに、どんどん信頼できる関係だと思いこんでしまいます。

でも、忘れないでください。ネットの向こうは”知らない人”です。

未成年者が、オンラインゲームで仲良くなった相手から海外の仕事を紹介されて、親に言わず渡航した結果、現地では特殊詐欺に加担させられたという事件、どこかで防げなかったのでしょうか。

未成年者が契約する場合、親の承諾が必要です。未成年がパスポートを取得申請する際に、法定代理人の署名が必要です。未成年者が働く場合、労働契約になるので保護者(親)の承諾が必要です。

そう、親御さんの承諾を得るためには黙っていては始まりません。自分で決めても実行前に、親御さんに話すこと

思春期世代のお子さんは、親に反発することもある時期です。親と話したくない時もあるでしょう。しかし、意見の食い違いはあれど、子のことを一番に考えているのは親であることを忘れないでください。



渡航したために犯罪に加担させられた一方で、警察に相談して渡航しなかった事例があります。
・海外在住の知人に、海外で仕事をしないかと誘われ、個人情報を教えてしまったが、マレーシア行きのチケットの写真が送られてきたことで怖くなり、警察に相談した。
(引用:警察庁HP 「海外で儲かる仕事」は危険です!)

親や身内などの「リアルな知人」や警察に、実行前に相談することで、危険を避けることができます。

(出典)

警察庁生活安全企画課 令 和 7 年 2 月 2 0 日発表資料

www.npa.go.jp/news/release/2025/kouhou20250220.pdf

「海外で儲かる仕事」は危険です!

www.npa.go.jp/news/release/2025/shiryou202502.pdf