大地 恒一郎

【コラム掲載】「MINKABU(みんかぶ)」の「投資信託」サイトに、『「つみたてNISA」のタテヨコナナメ(8)』がリリースされました。

こんにちは、FP相談ねっとの大地恒一郎です。

12月8日付で、「MINKABU(みんかぶ)」の「投資信託」サイトにて、『「つみたてNISA」のタテヨコナナメ(8)』がリリースされました。

実は、今気が付いたのですが、11月にリリースされた 『「つみたてNISA」のタテヨコナナメ(7)』 のご紹介を、すっかり失念していたようです。

(7)では、「つみたてNISA」の対象ファンド群の一つである、「指定インデックス投資信託以外の投資信託」の要件について、ご説明しています。今更ですが、気が向いたら覗いてみてください。

さて、今回の(8)では、10月の日本経済新聞の記事で紹介された、投資信託の「一物多価」是正に関する記事に関連して、信託報酬やコストについて、書かせていただきました。

加えて、「つみたてNISA」を始める場合、金融機関選びが大切だという話も書かせていただきました。これは自分の体験もご紹介しています。

FPとして、信託報酬やコスト、また販売会社選びの重要性などを書くと、3年前まで在籍していた業界関係者には冷たい目で見られがちですし、「自分がやってきたことを棚に上げて何を言っているんだ」と言われかねないのですが、業界を離れてみて分かることや感じることがあるのも確かです。

そもそも運用会社にいた頃は、積立投資にはほとんど見向きもしませんでした。
その自分が、今は積立投資の重要性をお伝えしているのですから、驚きです。積立投資は、古くは「財形貯蓄」を、その後「ミリオン」に加入していたことがありますが、20年くらい前に止めていました。その後、退職する直前までは、会社の企業型確定拠出年金だけが唯一の積立投資でした。

そして、会社を離れて初めて、いや、今さらですか?って感じなのですが、大いなる反省と自戒の念を込めて、積立投資の大切さ、をお伝えしている次第です。
分散投資と長期投資を併せて、「分散・長期・積立」という資産形成の王道は、まとまった資金のない方、退職一時金や退職年金の制度が十分ではない企業にお勤めの方々にとっては、まさに相応しい方法ではないでしょうか。

大袈裟かもしれませんが、この国の多くの方々は、普段、株式市場を始めとする証券市場には関心のない方々だと思います。

しかし、そういう方々が少額でもいいから、お金に働いてもらう、ということに踏み切るのであれば、それはご本人にとっても、この国にとっても、とても大きな一歩になるのではないか、と思っています。

そして、この資産形成の王道、「分散・長期・積立」に最適な金融商品が、投資信託だと私は思っています。
少額で始めることができて、「つみたてNISA」では運用益が非課税にもなる、こういう制度を利用する際に、きちんとご自身で商品を選ぶことができるようになれれば、と思うのです。

銀行や証券会社などの販売会社から見て「良い投資信託」・「良い運用会社」が、投資家から見た「良い投資信託」・「良い運用会社」と全く同じであれば、何の問題もないのかもしれません。

しかし、現実には、そこには大きな乖離があるような気がしてなりません。
そして、そのような状況がすぐ改善するとは思えない以上、投資初心者であっても、自分に合った投資信託を自分自身で選べるようになっておく必要があるのではないか、と思います。

今回のコラムは、最後の部分、「つみたてNISA」を始めるにあたっては、金融機関を選ぶことが、極めて大事であるということ、本当はそこが一番言いたかったところかもしれません。

資産形成や投資という場合、「つみたてNISA」が全てではない、万能でもないということは分かりきったことですが、しかし「つみたてNISA」から始めるべきであろう人達も、また大勢いらっしゃるのだろうと思います。

自分には、資産形成や投資なんて関係ないと思っている方々も、まずは無理のない程度の金額から、「つみたてNISA」を始めてみてもいいのではないでしょうか。

今回のコラムが少しでもお役に立てるのであれば幸いです。

itf.minkabu.jp/news/1158