大地 恒一郎

NISAの日

こんにちは。
FP相談ねっとの金融教育家、投資信託ナビゲーターの大地恒一郎です。

今年最初の投稿から早1ヶ月、ゴロゴロ何もしていなかった、という訳ではないのですが、なぜか更新が滞っておりました。
そして、今日はもう2月13日です。
この2月13日は、ゴロ合わせで「NISA(ニーサ=213)の日」とされています。
ですので、ふつうなら、今朝の新聞各紙は、2024年から新しくなるNISAの大特集を組んでもおかしくないのですが、残念なことに、新聞休刊日にあたるため、朝刊は発行されませんでした。

とはいえ、「NISAの日」であることに変わりはないので、NISAについて少し書いてみたいと思います。

来年から始まる新NISAですが、個人的には、「つみたてNISA」をベースにして、今の「一般NISA」を組み込んだものと理解しています。
その「つみたてNISA」ですが、対象ファンドは、ETF(上場投資信託)の7ファンドを除いて、先週末には214ファンドまで増えてきました。

今年に入ってから、すでに4ファンド追加されています。
1月に1ファンド、2月は9日までで3ファンド、新たに対象となっています。

ちなみに、「つみたてNISA」の対象となるファンドには、「指定インデックス投資信託」と「指定インデックス投資信託以外の投資信託」、それに「ETF(上場投資信託)」があります。

今年追加されたファンドは、「指定インデックス投資信託」が2ファンド、「指定インデックス投資信託以外の投資信託」が2ファンドです。
「指定インデックス投資信託以外の投資信託」は、「アクティブ運用投信等」と表記されることもありますが、アクティブ運用のファンドだけが対象ではありません。
どういうことかというと、「指定インデックス」以外の「インデックス」に連動する投資信託も、この「アクティブ運用投信等」に含まれているのです。

今年追加された「指定インデックス投資信託以外の投資信託」2ファンドは、ともに「指定インデックス」ではない、別の「インデックス」に連動するファンドです。

ですから、「つみたてNISA」の対象となっている「インデックスファンド」は、全てが「指定インデックス投資信託」に含まれている訳ではない、ということも覚えておくといいかもしれません。
2月9日現在、いわゆる「アクティブ運用投信等」のカテゴリーに分類されている「インデックスファンド」は、筆者が数えたところ、26ファンド中11ファンドありました。(これには、株式や債券などの資産配分を機動的に動かすファンドなども含めています。)

また、「指定インデックス投資信託」と「指定インデックス投資信託以外の投資信託」とでは、指定の要件が異なっています。
まず信託報酬の上限値が異なっています。そして「指定インデックス投資信託以外の投資信託」には「純資産額が50億円以上」、「資金流入超の期間が2/3以上」という要件もあります。

加えて、「指定インデックス投資信託以外の投資信託」には、「信託設定以降、5年以上経過」という要件もあります。
逆に考えると、これはつまり、「指定インデックス投資信託」は、信託設定(運用開始のこと)以降の経過期間は要件とされていないということになります。実は要件の中には、「金融庁へ届出がされていること」というものがあります。この要件が満たされていれば、ファンドの運用が始まる前(設定前)であっても、「つみたてNISA」の対象になり得るということなのです。

実際、そのようなファンドも数ファンド指定されています。これらのファンドは、「つみたてNISA」の対象ファンドに指定された後で運用を開始(設定)しますので、はじめのうちは、ファンドの規模がとても小さいファンドとなります。

では、どうして規模が極めて小さくても運用できるのでしょうか。なぜかというと、こういうファンドは、ファミリーファンド形式(マザーファンドを組み入れる)、もしくはファンドオブファンズ形式(他のファンドを組み入れる)を採用しているからです。組み入れているマザーファンドや他のファンドは、すでに十分大きな規模で運用されていて実績を残していることが通常です。
ですので、「つみたてNISA」に採用された時点では、規模が小さいファンドであっても、インデックスに十分連動することが可能なのです。

2024年からの「新NISA」は、制度が恒久化され、非課税期間も無期限になり、1年に投資できる金額も拡大します。このように使い勝手が格段に良くなることを受け、これからも「つみたてNISA」の対象ファンドは増えていくものと思われます。

「新NISA」についての情報は、これから徐々に、当局や金融機関などから発信されることになるでしょう。
引き続き、ウオッチしていきたいと思います。