塚越 菜々子

子供名義の口座はどこがおすすめ?銀行選びのチェックポイント

子供が生まれると、ありがたくも現金でのお祝いをもらうことも増えますね。出産祝いやお宮参りのお祝いをもらうと「分けてとっておいたほうが良いのでは?」と思うことが出てきます。子供の名前が書かれたお祝いを、なんとなく親の銀行に入れてはいけないような気がするのです。とはいえ、新生児にまだ銀行口座はない・・・。子供用の口座をつくるならどこの銀行がおすすめ?
利率がいい・使いやすい・そのほかにどんなことを気にしたらいいでしょうか。

今回は子ども名義の銀行口座の賢い選び方をご紹介いたします。

子供名義の口座はあったほうがいい?

そもそもまだ意思を示すことの無い子ども名義の銀行口座が必要かどうかがまず気になりますね。

混ざることを避けるためだったら、親名義の別の口座を開設すればいいのでは?と思うかもしれません。もちろんそれも選択肢の一つです。親の名義での口座開設でしたら、夫婦どちらかで時間の融通が利く方が口座開設をすれば構いません。平日どちらが忙しいのだとしたら、ネット銀行を検討して郵送等で口座開設手続きを行うということもできます。

あえて子どもの名義で開設するメリットは、なんといっても「手を付けにくくなる」ということです。親がもらったお金だからどう使おうとも子供が文句を言うことはありませんが、なんとなく精神的にも子供のために使わないといけないような気がします。車検代が足りなくてちょっとこっちから拝借・・・・というようなことが起こりにくいのがいいですね。

親の名義の口座であっても、混ざらないように管理できるのなら使い方によっては子どもの名義にしないほうが良い場合もあります。
次の3つのチェックポイントで、自分の家計にはどちらが適しているかチェックしてみてください。

チェックポイント1:口座はどんな目的で使う?

口座を開設して、その口座をどんな目的で使うかというのが大事なチェックポイントです。
大きく3つに分けると

  • 子供の教育費に「使う」ため
  • 大きくなったら子供に「あげる」ため
  • 子ども自身が「お小遣いを管理する」ため

このような目的になるのではないでしょうか?

もしかしたら、教育費用にためて残った分は結婚のお祝いに渡すなどという、二つが混ざったケースのあるかもしれませんね。口座を開設する目的をはっきりさせて「誰のため?」と考えることで、どこの銀行を選ぶべきかは変わってくるかもしれません。

また「貯める一方」のつもりでいるのか「貯めながら使う」つもりでいるのかによっても、気をつけるポイントは変わりますね。
ずっと貯めていくつもりなら、利息が良かったり引き出しにくいほうが良いかもしれませんが、習い事の支払いや子供用品の購入のために使う予定があるのなら引き出しやすさを重視した方が良い場合もあります。

チェックポイント2:口座はゆくゆくどうするつもり?

今から貯めていって、ゆくゆく教育費に「使って」しまうのだったらあえて子どもの名義にしておく必要はないかもしれません。習い事や学費を払い込むのは親であることがほとんどでしょうから、子供名義にしておくと支払いの時に面倒になる可能性も捨てきれません。

大きくなったら最終的には子供に通帳ごと「あげる」ためだったら、子供名義で作っておけば通帳と印鑑を丸ごと渡すだけで済むので、現金を引き出したり振り込んだりする手間は省けますね。ただし、金額によって(目安110万円)は、通帳を渡した時点で「贈与」とみなされるケースもありますので注意したいところです。

生まれてすぐではなく、小学生ぐらいになると子ども自身が「お小遣いを管理するため」に銀行口座を開設することもあります。お年玉を本人が受け取って自分のものと認識するようになると、現金で手元に置いておくのではなく銀行に預けることになるかもしれません。この場合は印鑑やカードを含めて「誰の名義で、誰の責任下で管理するか」まで話し合っておくのが金銭教育の一端にもなりますね。

チェックポイント3:口座が子供名義であるデメリット

子どもの名義で銀行口座を作るメリットは色々ありますが、気を付けていただきたいデメリットが大きく2つあります。

ひとつは上記にも書いた通り「贈与を疑われる」可能性があるということ。「名義預金」などと言われて、名前だけ子どもになっていても、実際のお金は親のもの。印鑑や通帳などを渡して子供がつかえるようになったタイミングで「贈与」と認定されるケースがまれにあることです。名義預金のトラブルは、多くは相続の時に起こるもので、さほど大きな金額でない場合は神経質になることはありませんが、そういったルールもあることだけは気にかけておいたほうが良いでしょう。

そしてもう一つのデメリットは「子どもが大きくなると親が引き出しにくくなる」ということです。近年は不正な口座の利用を防ぐために、金融機関等の窓口でお金を動かそうとすると「本人を連れてくるか、委任状を」と言われるケースが増えています。例えば予備校費用や大学の費用を払うようなときに、子供本人を平日の昼間に銀行に連れていくというのは手間がかかるかもしれません。誰のお金かは証明しようがありませんから「名義人」の手続きが必要になるということは注意しておきたいところですね。

それもふまえて、FPの我が家の銀行選び

我が家の場合は、児童手当を分別管理したくて生まれてすぐに子ども名義の口座を開設しました。親が使っている地元の地銀で開設しました。保険証と本人を連れてくるように言われたので、抱っこ紐に抱えて窓口まで行った記憶があります。

児童手当は親の口座に振り込まれますから、その都度動かすという手間は起こりますが、それでも年に3回ですのでさほど手間とは考えていません。この口座は基本的な子供のお金として使い切るつもりですので、贈与とみなされるほどの額を入れていく予定もありません。開設と同時にネットで取引できるようにしてあることで、本人確認を要求される手間も省けています。
さらに証券会社の口座を開設し(未成年口座&ジュニアNISA)この子供名義の通帳から運用に回しています。その点でも子供の名義の口座があるのは便利です。

また、印鑑は子どもそれぞれの「下の名前」で作りました。親の印鑑と混乱しないようにするためと、お嫁(またはお婿)に行っても印鑑を変えずにそのまま使ってもらってもよいかな~なんて思っています。
(私自身、結婚して改印をするのがすごく面倒だったのです・・・)

教育費に使うなら期限と目標額の設定を決めましょう

子供名義の口座を開こうかな、と思うタイミングはご家庭でそれぞれだと思います。
一番多いのはやはり「子どもの教育費を貯める」ためですね。長い期間をかけて貯めていくものだからこそ、少しでも利率のいい銀行を探しているケースが多いようです。
教育費を効率よく貯めていくために大事なことは「いつまでに、いくら」というゴール設定です。使うまでに時間がある場合や、家計の状況によっては普通預金や定期預金ではなく、保険や資産運用なども検討の余地があるかもしれません。
どのくらい貯めたらいいのかな?いつごろいくらぐらい使うのか?ということが分かれば、適切なお金の置き場がわかるかもしれません。

・学年ごとにかかる教育費(学校に払うお金・その他にかかるお金)
・進路によってどれくらい金額が変わるのか
・そのために、今月いくらためたらいいか
については、

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