塚越 菜々子

【相談事例】iDeCoはできないと会社で言われました。どうしたらいい?

iDeCoは誰でもできるからやった方がいいと言われて、いろいろ調べて会社に用紙を持っていったら「うちの会社はiDeCoはできないよ」と言われました。そんなことってあるんですか?というお問い合わせを受けました。

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確定拠出年金ねっと認定CFPの塚越菜々子(つかごしななこ)です。

せっかくいろいろと調べて、申込書まで書いたのにできないと言われたらショックですよね。「会社員なら誰でもできるんじゃなかったの!?」と思うのももっともです。ご質問に答えるとともに、iDeCoができない場合の対策を考えてみます。

メルマガ読者様からのご質問

メルマガ読者の恭子さんから、こんなご質問をいただきました。(掲載の許可はいただいています)

idecoは多少原本割れしようとも所得税がかからないのはとてもメリットが大きく、すぐにでも加入しようと思ったのですが、会社の承認が必要だそうで、私が勤める会社ではidecoに加入することができないそうです。
企業型確定拠出年金に加入しているとidecoに加入できないのでしょうか???
会社方針の差でしょうか???

 

ご質問ありがとうございます。
せっかくiDeCoを始めようと思ったのに残念な気持ちになってしまいましたね。

iDeCoに加入できないケースとはどんな場合があるのか解説していきます。

確定拠出年金には二通りある

確定拠出年金は二つに分かれています。個人型と企業型です。
個人型のことをiDeCo。企業型のことをDCといいます。(企業型は日本版401kともいわれることも)

会社で企業型(DC)に加入していると個人型(iDeCo)はできないケースが多いです。ケースが多い、と書いたのはルールによっては企業型に加入していても個人型に加入できる場合もあるからです。

企業型の確定拠出年金(DC)は、会社の福利厚生や退職金制度として導入されていることが多いですが、実は加入していることに気づいていない(忘れている)人もいます。説明なしに加入されられることは原則ありませんが、「説明された気はするけど覚えていない」というケースは意外にあるのです。会社が掛けてくれているけれど、自分は掛け金を負担していない場合にそんなことがありますね。

意識している・していないにかかわらず、企業型の確定拠出年金に加入している場合は多くの場合は個人型のイデコ(iDeCo)はできないことが多いと覚えておきましょう。

個人型イデコ(iDeCo)ができない場合の対策

せっかくiDeCoを始めようと思ったのにできなかった・・・残念ですが、会社のルールでそう決まっていたら仕方がありません。
(もう少し自由度が高かったらな、と個人的には思いますが)
そんな場合はどうしたらいいでしょうか。

ここでは二つの対策を提案いたします。

マッチング拠出ができないか調べてみる

企業型DCに加入している場合は、『マッチング拠出』ができないか調べてみましょう。

マッチング拠出・・・
企業型確定拠出年金で会社が掛けてくれている掛け金に上乗せして、自分も給与天引きで追加で掛け金を積み増せる制度です。

会社が出してくれている金額との合計が55,000円以下、かつ会社が会社が掛けてくれている金額と同額までしか積み増せない(会社が1万円出してくれていたら、自分も1万円までしか出せない)などの制約はありますが、老後のための資産運用を検討しているならとても有利です。
マッチング拠出の掛け金はiDeCoと同じように所得税・住民税の対象外から外してもらうことができます。

自分で個人型確定拠出年金イデコ(iDeCo)の場合は、口座を維持するために最低167円かかりますが、企業型確定拠出年金DCの場合は手数料は会社持ちのことがほとんどです(こちら負担の場合もあります)

つみたてNISAなども検討してみる

マッチング拠出もできない(もしくは少額しか追加できない)iDeCoもできないという場合もあります。
私のお客様でも会社が4000円出してくれていているけれど、自分が出せるのも4000円。合計で8000円しかできない・・・という残念なケースもありました。

そんな場合は、確定拠出年金以外の方法を検討しましょう。

所得控除がしたいから確定拠出年金なんだ!と言われてしまえば身もふたもないですが(笑)

NISAやつみたてNISAは確定拠出年金と違って、掛け金が所得控除(税金の対象から外れる)できませんが、運用で出たもうけは非課税になるなどのメリットがあります。

また、焦って資産運用を始めるより、家計の見直しをして支出を減らしたり、住宅ローンや奨学金・自動車ローンなどを繰り上げる方が効果があるかもしれません。

 

せっかくイデコ(iDeCo)を始めようと思った出鼻をくじかれてしまいましたが、ぜひこの機会に会社の制度を調べてみると同時に、自分の家計の全体を見直してみてはいかがでしょうか?

資産形成を含めた、家計の全体の見直しのご相談に乗っています。