こんにちは、FP相談ねっと認定FP、企業型確定拠出年金(企業型DC)の専門家、野原(のはら)です。
ふるさと納税をされているかたは、そろそろラストチャンスの時期になってくるころでしょうか。僕の弟はちょこちょこやってるようですが、ご興味あるかたはお早めに!
と言いつつ、僕はふるさと納税のコラムを書いたことが以前あったかもしれませんが、今まで積極的にオススメしたことも自分がやったこともないんです。
興味がないというよりむしろ、廃止してほしいくらいに思っていますので、その理由をたぶん知っている弟は、「めんどくさいアニキだな」と思っていることでしょう。
弟は会社の一部では「マネー野原」と言われてるようで、一般のかたの中ではお金の知識があるらしいです(笑)よく弟は兄を真似るとはいいますが、密かに色々やってるようで、そこらへんは真似っこの昔と変わってないみたいですね。
ふるさと納税の理念としくみ
総務省「ふるさと納税ポータルサイト」
ふるさと納税の魅力
一般的には節税手段として普及しているのかもしれませんが、僕が考える魅力としては、
・返礼品を選ぶのが楽しい
・返礼品を食べたり消費したり、活用するのが楽しい
・地方の特産品を学ぶきっかけになる
というような点があると思います。
これはとても素晴らしいとは思っていますが、なぜ僕が1度もやってこなかったか、いくつか理由があります。
やるかやらないかを決めるのは皆さん次第ですが、現状を知ったうえで、あとは個人の価値観の問題かと思いますので、ふるさと納税に限らず、色々知っておくことは損にはならないと思います。
ふるさと納税のデメリット
1、税額控除にならない(寄付金控除)
寄付なのだから、その全額に近い金額が丸々税金から引けても良いはずだが、課税所得を減らす効果しかない。
※例えば、住宅ローン控除は税額控除といって、税金の金額から直接差し引ける
※総務省「ふるさと納税ポータルサイト」税金の控除について
2、自己負担額が2,000円
※総務省「ふるさと納税ポータルサイト」ふるさと納税の概要
3、資金繰りを悪化させる
ふるさと納税は言いかえると「住民税を前払いすれば返礼品等をもらえる制度」です。
なので、一般的な節税手段と言われると「?」です。
年末調整や確定申告などにより確定する住民税は、翌年6月以降に支払うことになりますが、このふるさと納税は、その翌年払うはずの住民税をわざわざカタチを変えて、前年に前払いするということでもありますので、厳密にいうと「前払いによる資金繰りの悪化」となります。
そして何より僕が、ふるさと納税がダメな制度であると思っている最大の理由が下記になります。
「税制を通じてふるさとへ貢献する仕組み」を実行するのは、僕ら国民ではなく「国の役割」だからです。財源不足などの理由から困っている地方をサポートするのは、国民の役割ではないし、国民にできるレベルの話ではありません。
しかも本来は、国は税金という財源すら必要とせずに地方をサポートすることができるのです。
ふるさと納税は、いま住んでいる地域への住民税を減らし、ふるさと納税先へまわす仕組みですので、納税者の居住地は本来獲得できたはずの税金を、ふるさと納税先に奪われることになります。
限られた財源の奪い合いのような構造のイメージになってしまうのです。
首都圏を支えてくれている地方産業の面倒を見るのではなく、緊縮財政を旗印に、地方交付税交付金などを削ってきた国がその役割を放棄し、国民に肩代わりさせているともいえる構造になっているのです。
お世話になった故郷に恩返ししようとか、困っている地方のお役に立ちたい。そんな尊い考えをもった国民であればあるこそ、何かしてあげたいと思うその気持ちを、緊縮財政を堅持する国が利用しているに過ぎないのです。
緊縮財政の打破と消費税廃止を!
自民党総裁選や、衆議院議員の総選挙において、私の記憶している限り初めて、さらなる財政出動による緊縮財政の打破と消費税がテーマになりました。
正直、いままでの20年間ではありえないことです。
少しずつ少しずつ、特に若い世代が声をあげているような気がしています。
「将来世代にツケを遺すな」
とはよく言われますが、「ツケ」とは国債の債務残高という政府債務のことではなく、我々のような頭の固い大人たちのことなのかもしれませんね。
中小企業経営者にこそ知ってほしい
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