野原 亮

【2021年末版】NISA使用中の長期積立投資家なら、ロールーバーではなく特定口座へのリレー投資がオススメ!?

こんにちは、FP相談ねっと認定FP、0円投資マスター野原(のはら)です。

国際分散投資によって長期積立てをしているかたであれば、証券取引の非課税制度のうち、NISAを今後どう活用していくか、毎年12月は悩みどころかもしれません。

□ NISA枠で投資した分を、そのままロ-ルオーバーされたいかた

12月下旬や末日までの締切があると思いますので、お手続き忘れないようにしてください。

□ NISA口座を開設していて、そのまま特定口座へ移管されるかた

特にお手続きの必要がない金融機関がほとんどかと思いますが、特定口座の開設状況をチェックされたうえ、未開設のかたは今月末~来月初に開設手続きを忘れないようにしてください。

詳細は「●●証券 NISA ロールオーバー 手続き」などと検索するとすぐにわかると思います。

ご参考:NISAのロールオーバー<株式編>

非課税期間の5年経過後、NISAのロールオーバーする?しない?

さて、主に投資信託による長期積立投資家は、このロールオーバーについてどう考えたら良いのでしょうか?

本来であれば、NISAの非課税枠が恒久化され、ロールオーバーの是非など気にしなくてよくなるのがベストですが、政治家の発言等を聞いていると、むしろ後退しているような印象を受けます。

そこは仕方ありませんので、ロールオーバーするかしないか「2021年末版」をお届けしますが、結論からお伝えすると、今年は「ロールオーバーしないのがオススメ」ということになるかもしれません。

というより筆者は、非課税枠がもったいないのでロールオーバーすることは基本的にはオススメしていませんが、普段からリバランスを意識しながら、NISAから特定口座へのリレー投資はオススメしています。

ポイントは、非課税制度だからといって「欲張りすぎるな!」です。

ロールオーバーするかしないかの判断基準

今年2021年末に対象となっている非課税投資枠は「2017年分」ですので、あえて「2021年末版」としてコラムを書かせていただいております。

このロールオーバー問題、実は正解があるものではなく、あくまでマーケット環境次第の結果論となってしまいますが、各種リスクを軽減させながら筆者がベターな判断基準として考えている点をご紹介します。

1、年末のマーケット環境
2、リバランスに対する考え方
3、長期投資に対するほったらかし具合
4、移管時の損失リスクに対する心理状況

1|年末のマーケット環境

いまから年末相場を当てることは不可能ですし意味のないことになりますが、この数年の現状を確認しおきましょう。

筆者の場合は、2017年9月より開始した「0円投資」のためだけにNISAを活用しており、2017年分のNISA保有分の残高はもうありません。NISA保有分を売却した代金はほぼ全て特定口座で、NISA保有分と同様に長期投資のために買い直ししています。

普段より、たまにリバランス(リスクの再調整)をしていますので、そもそもロールオーバーという発想がないのですが、仮に2017年のNISA保有分があったとした場合に何を考えているかをご紹介します。

※以下、日経電子版「SmartChartPlus」より抜粋・編集した図

<2017年>日経平均株価

日経平均株価については、2017年は基本的に上昇し続けていました。積立てするたびに買値があがっていったイメージです。

リバランスするかどうかは、自分の保有資産のなかで、投資用の現金に対して投資信託などのリスク資産の比率がどれくらい上昇しているかをチェックすれば良いのですが、5年という時限的非課税制度であるNISAは、マーケット環境も気にしておかないといけません。

筆者の場合は、NISA保有分を現金化すると同時に、そのほとんどを同日に特定口座で買い直していますので、長期投資を継続したまま、NISAから特定口座への将来的な移管リスク、課税リスクを軽減させています。

※金融庁WEBサイト「NISAとは?」内「NISAの概要」より抜粋

通常、特定口座で売買し利益がでれば、利益に対して約20%が課税されるわけですが、特定口座移管の前段階でNISAを活用し、値上がりした状態で非課税で特定口座に移管できるなら、さらに値上がりしたとしても、特定口座で高めの値段で買い直しているためそこまで大きく課税されることもなくなります。

では、直近20年において、日経平均株価とNYダウがどうだったかを見てみましょう。

<直近20年>日経平均株価

<直近20年>NYダウ

長い目でみると、コロナショックですらそんなに目立たないくらいの上昇相場になっていますが、これからも果たして続くでしょうか。

続いて欲しいとは願っていますが、自分の願望によって株価という現実が動くわけではありませんので、こちらをご覧いただきましょう。

これは上図を、上下反転させた図です。

<直近20年>日経平均株価を上下反転させたもの

<直近20年>NYダウを上下反転させたもの

どう感じましたか?

これらチャートを見て「買いたくなった」というかたであれば、上下反転する前のチャートで考えると「売りたくなった」ということになります。

発想的には少し参考になったのではないでしょうか。

筆者は世界地図を見る時なども良く活用しますが、図を上下さかさまに見てみる、左右を反対にして見てみるというのは、何かの戦略を考える際には原始的なわりに意外と有効なのです。

繰り返しになりますが、リバランスは将来の相場を読んで行うものではなく自分のリスクの取り方を調整してあげることですので、「投資用の現金:投資信託の残高」の割合は、たまにチェックしておくと良いと思います。

どちらにしても金額的にはたいした話ではありませんので、どっちでも良いという内容ではあるものの、10年もたてば大きなお金になってきますので、そのつもりで読んでいただけたら幸いです。

下記「2~4」については後日追記予定ですが、下記の外部コラムにて同様の内容をご紹介しておりますのでご参照いただければ幸いです。

※「つみたてNISA」と記載ある部分もありますが、NISAにおいても基本は同様です。

2,リバランスに対する考え方
3,長期投資に対するほったらかし度合
4、移管時の損失リスクに対する心理状況
※後日追記予定

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