青山 創星

あなただけのローリスクな錬金術投資法を見つけよう!(6)

為替リスクを考慮してもなお米国債は魅力的

銀行預金よりも米国債が安全で「利回り」も高いことがわかりました。
米国債の中でも投資に適したものを見つけるために必要なキーワード「ゼロクーポン債(割引債)」と「利回り」についても理解することが出来ました。
米国債は日本の国債に比べて圧倒的に利回りが高いことも理解できました。

しかし、米国債で一番問題なのは為替リスクです。

多くの人は、為替リスクについてほとんど理解していません。
外貨建ての保険が飛ぶように売れていたのがその証拠です。
銀行は低金利のため今までのように貸し出しで利益を上げることが出来なくなりました。
そこで、稼ぐための商品として外貨建ての保険がクローズアップされました。
他のどの商品よりも儲かるドル箱商品です。
なぜ儲かるかというと驚異的に高い手数料のためです。

なぜそんなに高い手数料なのにそんなに売れているのか?

不思議ですよね。

その最も大きな理由は、元本が確保されるからというところにあると私は考えています。
「元本が確保される」
但し、これには「注書き」があります。
「ドルベースでは」という注書きです。

元本が確保されるうえに銀行預金とは比べ物にならないほど高いリターンが望める、からです。
しかし、これには「ドルベースでは」という注書きが付きます。

「ドルベースでは」という注書きは為替リスクがあるということを示しています。

しかし、それがどんなに大きなリスクであるかを理解している人は少ないのです。

為替リスクがどれほど怖いものかについて知っていただきたいと思います。
しかし、だからと言って米国債投資は魅力がないということではありません。
それどころか、為替リスクを十分に考慮したうえでも余りあるほど魅力的だと言えます。

為替リスクは非常に怖い

為替レートの適正水準(1ドル何円があるべき為替レートなのか)はどのようにしたらわかるのか、については昔から学者たちがいろいろな理論を展開しています。購買力平価説というのが最も一般的なものです。

これは、ビッグマック指数とかスターバックスラテ指数という名前でも知られている理論です。
例えば日本でビックマックが200円、アメリカでは2ドルだとします。
もし、ビックマックが日本で400円、アメリカで1ドルで売られていたら、日本のビックマックは買われずアメリカのビックマックが買われることになるので、日本のビックマックの値段が下がり、アメリカのビックマックの値段が上がることとなる。そして最終的には、日本のビックマックは200円、アメリカのビックマックは2ドルで均衡する。このように考えるのです。
つまり、200円=2ドルということになります。
言い換えれば、1ドル=100円の為替レートだということになります。

しかし、ことはそんなに単純なものではありません。
物価と言われるものの中にはビックマックだけでなく、野菜や肉のような農産品、テレビや車などの工業製品、送金手数料のようなサービス料金などありとあらゆるものがあります。それらを総合して為替レートを計算することはできるでしょうか。
また、日本のビックマックが400円していたとします。
高すぎるのでアメリカに行って1ドルのビックマックを食べるということを実際にするでしょうか。
飛行機代を払ってまでする人はまずいないでしょう。

購買力平価説は、理論としては説得力がありそうな気もしますが、実際にそれに沿って為替レートが決まっているとは到底考えられません。
株価については、その会社が解散するときにいくらで売れるかといったところからある程度計算でその価値を導くことが出来ます。それより高ければ売られ、安ければ買われるといったことがある程度予測できます。実際には様々な要因が株価に影響を与えるので適正な株価水準はいくらかというのも難しいのですが、株価と為替レートを比較すると為替レートのほうがはるかに適正水準を見つけるのは難しい(または不可能)と言えるでしょう。

為替レートは2つの通貨の交換比率にすぎないというところからも、絶対的な適正水準というのを計るのは非常に難しいのです。

つまり、為替レートは円高になるのか円安になるのかを予測することは非常に難しいのです。
例えば30年後にどちらになるかを当てに行こうとするのはギャンブルと同じと言ってもいいかもしれません。

実際、私は銀行で為替ディーラーを経験したことがあります。
しかし、方向性は全く読めませんでした。
その時みんなが使っている流行りのチャート(為替相場のグラフ)のパターンを見て取引したり、顧客玉(お客様からの為替予約の反対取引)に自分のポジションを乗せて大きな金額にまとめて取引することによって為替相場を自分の動かしたい方向に持って行こうとしたり、ということをするのですが、一筋縄では行くものでありませんでした。
まさにギャンブルです。

為替レートに賭けて、思惑通り動いたら利益が出る(反対に動いたら損失になる)という取引は、少なくとも個人の投資においては絶対に避けなければなりません。

誤解の無いように言っておきますが、投機取引をしてはいけないということを言っているのではありません。きちんと勉強して、経験を積んだうえで投機取引(安く買って高く売ることによって利益を得ようとする取引)することには何の問題もありません。果敢にリスクを取る投機家がいなければ、投資家が売ったり買ったりするときの取引が円滑にいかなくなってしまうからです。投機家は投資家にとっても必要不可欠な存在なのです。
しかし、そのような覚悟なしに、または知らず知らずのうちに投機取引をしてしまうのは絶対に避けなければなりません。

金融庁も3大悪玉商品として批判している商品の一つである外貨建て保険は、まさに為替リスクの塊(かたまり)であり為替について知り尽くしている人(プロでもこのレベルの人は少ないでしょう。また、知り尽くしたプロはこのような手数料の高い商品は絶対に買わないでしょう)以外は絶対に買ってはいけない商品です。

金融庁「事務局説明資料(国民の安定的な資産形成とフィデューシャリー・デューティー②)平成28年8月2日」
www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/market_wg/siryou/20160802/02.pdf

 

さて、これほどまでに怖い為替リスクを持った米国債なのになぜ米国債は投資対象として魅力的だというのでしょうか?

 

 

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青山創星