青山 創星

1970年開始、1971年開始、・・・と開始時期を1年ずつずらして、それぞれ20年間預金とMSCI World Indexに連動した投資信託で積立てていった場合の資産評価額はどうなったでしょうか?~インデックス型投資信託で複利効果は有効なのか?(その4)~

こんにちは、青山創星です❢

前回は、1970年1月から20年間、毎月3万円ずつ積み立てていった場合、預金なら1,267万円に、MSCI Worldインデックスに連動した投資信託なら16百7万円になっていたというお話をしました。

しかし、これはこの期間のMSCI Worldインデックスの動きが横ばいまたは急上昇したからなのです。
他の期間ではどうなっていたでしょうか?

今回は、1年ずつ積立の開始時期をずらした場合がどうだったかをシミュレーションしてみましょう。

このグラフの見方をご説明します。

一番下の棒グラフです。
これは、1970年1月に積立を開始して1989年12月に積立を終了して現金化した場合のその時点の資産総額がいくらになっていたかを示したものです。

毎月3万円ずつ1年定期預金で積み立てて行き、1989年12月には1,267万円になっていました。

毎月3万円ずつMSCI Worldインデックスに連動する投資信託を買って積み立てて行き、1989年12月には16百7万円になっていました。
これは前回詳しくシミュレーションしたものです。

赤の点線は、20年間の積立総額720万円を表わしています。

その上の棒グラフは、積立開始時期を1年後にずらした場合を表わしています。

このように積立開始時期を1年ずつずらしていき、2002年1月開始、2021年12月終了までの33の場合についてシミュレーションしてみました。

預金の場合は元本割れはありません。
MSCI World Indexに連動した投資信託で投資した場合は元本割れもあり得ます。
33の場合のうち20年後に元本割れをしていた(現金化した資産総額が積立総額を下回っていた)のは1989年~2008年と1992年~2008年の2つの場合だけでした。

元本割れの金額が最も大きかったのは赤枠で示した1989年~2008年の間積み立てた場合でした。
積立総額720万円に対して資産総額は626万円となり、94万円のマイナス
でした。

逆に、投資成果が最もよかったのは1979年~1998年の間積み立てた場合でした。
積立総額720面円に対して資産総額は18百12万円
となりました。

また、33の場合のうち預金で積み立てたほうがMSCI World Index連動の投資信託て積み立てた場合より資産総額が上回っていたのは4つの場合だけでした。

これかの結果からどのようなことが言えるでしょうか?

元本割れの確率は低く、また、その場合の元本割れの金額も莫大なものではないもののMSCI World Indexに連動する投資信託では元本割れする場合もあるのでこちらは避けた方かよいといえるのでしょうか?

元本割れの確率は低く、また、その場合の元本割れの金額も膨大なものではない。
しかも、33の場合のうち約3分の2の場合ではMSCI World Index連動の投資信託で積み立てた場合の方が預金で積み立てた場合に比べて資産総額が大きく増えているのでこちらを選んだ方がよいといえるのでしょうか?

実は、1970年代前半に積立を開始した場合、MSCi World Indexに連動した投資信託で積立てした場合に匹敵する投資成果となっていたのはその時期が高金利の時代だったからなのです。
1年定期預金の金利が6~7%という今では考えられない高金利でした。

さらに考察を深めるために、20年間だけでなく30年間積み立てた場合についてどうなっていたかもシミュレーションしてみましょう。

次回をお楽しみに。