青山 創星

MSCI World Indexに連動する投資信託に30年間積立投資した場合で最もパフォーマンスがよかった場合と最もパフォーマンスが悪かった場合を詳細分析する~インデックス型投資信託で複利効果は有効なのか?(その8)~

前回は、MSCI World Indexに連動する投資信託に20年間積立投資した場合で最もパフォーマンスがよかった場合と最もパフォーマンスが悪かった場合について分析しました。

その結果、Indexが下落している時期に投資をやめるとパフォーマンスがよくないIndexが上昇している時期に投資をやめるとパフォーマンスがいい、ということがわかりました。

当たり前といえば当たり前の結果です。
しかし、このことは価格の変動する商品で積立投資をする場合にパフォーマンスをよくするためのとても重要な示唆を含んでいます。

今回はさらに分析を深めるために、MSCI World Indexに連動する投資信託に30年間積立投資した場合について分析してみたいと思います。

MSCI World Indexに連動する投資信託に30年間積立投資した場合で最もパフォーマンスのよかったのは、1970年~1999年の場合でした。

この期間は、ほぼ全期間にわたってMSCI World Indexは右肩上がりで推移しています。
これに伴い、積立評価額も順調に右肩上がりで推移しています。
最初の10年間くらいまででは元本割れの時期もありましたがそれ以降は比較的順調に推移しました。

MSCI World Indexに連動する投資信託に30年間積立投資した場合で最もパフォーマンスの悪かったのは、1982年~2011年の場合でした。

2002年から2003年にかけては評価額が激減しています。
これはITバブル崩壊の時期にあたります。
また、2008年にも評価額が激減し、時期によっては元本割れとなっています。
こちらはリーマンショックのころです。

そして、積立てを始めてから30年目の2011年には積立元本額を若干上回る程度となっています。
30年目の結果だけを見ると、わざわざリスクを取って株式投資信託で積立てをしなくてもタンス預金でよかったんじゃないかということになりそうです。

しかし、これは株価(MSCIインデックス)の動向に注目せず、30年目に投資を終了した場合の結果です。
下のグラフを見ていただければ、1999年や2007年前後数年間の時期に投資を終了していればそれなりの投資成果を得ることができていたともいえます。

このシミュレーションでも②や④や⑥のような相場下落局面でやめると投資成果は悪く、①や③のような相場上昇局面でやめると投資成果がよくなっています。

今回は、MSCI World Indexに連動する投資信託に30年間積立投資した場合で最もパフォーマンスがよかった場合と最もパフォーマンスが悪かった場合について分析しました。
次回は、MSCI Japan Indexに連動する投資信託に20年間積立投資した場合で最もパフォーマンスがよかった場合と最もパフォーマンスが悪かった場合について分析しました。

お楽しみに❣