村松 繁

確定拠出年金の外国株式投資信託メリットとデメリットを解説

202110外国株式

こんにちは、確定拠出年金相談ねっと 認定FP

アイマーク株式会社 代表の村松です。

今回は確定拠出年金企業型の商品ラインナップのうち、最も積極的な運用に分類される外国株式投資信託にクローズアップして、その運用効果を見ていきたいと思います。
いまの商品ラインナップで大丈夫か不安な方や見直しを考えている方はぜひ参考にしてみてください。

確定拠出年金はどの商品を選べばよい?

確定拠出年金には、元本確保型商品だけでなく国内外の債券や株式で運用する投資信託、バランス型投資信託など沢山の商品があります。実際に確定拠出年金に加入している人は、どのような商品で運用をしているのでしょうか?まずは確定拠出年金企業型、iDeCo(イデコ)それぞれの動向を見てみましょう。

引用元:運営管理機関連絡協議会 確定拠出年金統計資料
www.pfa.or.jp/activity/tokei/files/dc_toukei_2020.pdf

【確定拠出年金企業型】

上の図を見ますと確定拠出年金企業型では、どの年代も比較的定期預金、保険といった元本確保型の比率が多い結果となりました。

引用元:運営管理機関連絡協議会 確定拠出年金統計資料
www.pfa.or.jp/activity/tokei/files/dc_toukei_2020.pdf

【iDeCo(イデコ)】

原則、投資は若い人ほど積極的な投資が可能と言われていますが、iDeCo(イデコ)では、確定拠出年金企業型と比べて20代、30代が運用で外国株式を取り入れている比率が高いことがわかりますね。

iDeCo(イデコ)の方がリスクに積極的な人が多い

一般的に投資は、年齢が上昇するにつれてリスク、リターンの大きい投資、つまり積極的な投資の比率は少なくしていきます。

iDeCo(イデコ)の年代別商品選択割合をみると、20代、30代で積極的な運用をして、徐々に比率は下がっています。自分で運用商品を選んで、しっかり年齢に応じた運用に組み替えていることがわかります。

またiDeCo(イデコ)の方が自分で調べて加入しているため、積立、長期運用、分散投資において、リスクとリターンの大きい商品と上手に付き合っている傾向があります。

外国株式投資信託を選んでも大丈夫?

外国株式投資信託は、確定拠出年金企業型の商品ラインナップのなかで最もリターンが大きいものの、リスクも高い商品となります。

リスクの高い商品は、プラスやマイナスになるときの値動きの幅が大きいため、もしかするとハードルが高く感じるかもしれません。

しかし、長期間基準価格が大きく上下しながら毎月積立投資をすると、徐々に資産が増えていく特徴があります。

ここでは、本人の許可をいただいて、個人情報を全て消去したうえで、取り組み事例をご紹介します。以下のデータは、毎月6万7,000円、166ヶ月(約14年)、外国株式の投資信託で運用を継続した結果です。

なんと資産は元本に対して2.5倍に増加しています。この方はすでに60歳に達しているので、現在は運用指図者として、掛金はストップしていますが運用のみ継続しています。

では、さらにその3ヶ月後のデータを見てみましょう。

元本はそのままですが、わずか3ヶ月間で資産がさらに増加していることがわかります。

最近一年の利回りが際立って高いため、注意すべき点はありますが、拠出開始以来の利回りでみても12%前後で推移している点に注目してみてください。

なお投資信託の基準価格の上下によって、プラスマイナスはありますが、外国株式投資信託を長期で運用していくと、おおよそ12%くらいの利回りで収束し、推移していく可能性が高いということになります。(必ずしも運用成果を約束するものではありません)

外国株式投資信託のメリット

ここでは外国株式投資信託が取り扱えることのメリットについて解説します。

外国株式に少額投資ができる

高い利回りで推移する可能性が高いとはいえ、リスクが小さいわけではありません。しかし、投資信託は、証券会社によっては毎月100円、1,000円といった少額から投資できるため、値動きが大きい外国株式投資信託でも大きな損失を避けることができます。

また、積立投資をすれば、外国株式投資信託で購入価格が大きく毎月上下しても、ドルコスト平均法によって、価格変動のリスクも抑えられます。

世界投資ができる

2021年9月末時点では、日本は新総理誕生後の経済政策期待から一時的に株価は上昇しているものの、日本の代表的な株価指数である日経平均株価は長い間横ばいが続いている状況です。

しかし目を世界に向けてみると、アメリカなどは主要な3指数(NYダウや、S&P500、NASDAQ)が史上最高値をつけるケースが頻繁に起こっているのです。

日本国内においては2021年9月現在、景気の回復見込や賃金上昇は期待できず、資産形成がしにくい状況になっています。海外の経済成長の恩恵を受けるためには、証券取引所を通じて海外投資へ一歩踏み出すことが大切です。

分散投資でリスクを抑えられる

海外の成長企業の恩恵を受けられるからといって、いざ海外の企業に投資をしようとしても、どの企業が成長しているのか?海外の企業といってもAppleやAmazonくらいしかわからない人もいるのではないでしょうか?

しかし投資信託なら、投資のプロであるファンドマネージャーが多くの企業を選んで投資をしてくれるので、投資家本人にあまり海外企業の知識がなくても投資商品の分散効果を働かせられます。

外国株式投資信託のデメリット

外国株式投資信託を取り扱う上でのデメリットについても解説します。

リスクは高く、我慢する時期もある

長期積立投資でリスクは抑えられるとはいえ、途中で値下がりに耐えられずに決済をしてしまうと損失が確定してしまいます。一時的には大きなマイナスが発生する時期があり、マイナス局面でもコツコツと定額を購入し続けることで、将来的に大きなプラスにつながっていくことを心得ておく必要があります。

そのため初心者のうちは、まずは少額からスタートしてみてもよいでしょう。

情報量が少ない

多くの商品に分散投資をするため、個別の銘柄に対して情報が少ない可能性があります。情報をもっておくことに越したことはありませんが、基本的に投資のプロが選別している商品であるため、多少情報量が少なくても影響は軽微です。

まとめ

外国株式投資信託はリスクが高いイメージが先行していますが、長いスパンで見てみると最も大きなリターンを出すことも可能です。海外では、日本の景気だけを見ていては気付かないくらい成長している企業や国が存在しているんです。

確定拠出年金は企業型だけでなくiDeCo(イデコ)も運用期間が延長されるので、ますますチャンスは大きくなりますよ。もし気になる方や外国株式投資信託に興味があれば、アイマークでもアドバイスできますので、ぜひご相談ください。