村松 繁

二極化をあらわすK字経済とは

202112K字経済

こんにちは、確定拠出年金相談ねっと 認定FP

アイマーク株式会社 代表の村松です。

K字経済という言葉をご存じでしょうか。アルファベットのKのように富裕者層と貧困層の溝が広がる状態を表しています。日本では、このK字経済と表現される貧富の差が拡大していました。さらにこの傾向は新型コロナウイルスの影響により大きくなっています。日本は賃金が上がりにくい傾向にあるため、豊かな老後を送る方法を知りたい人は多いのではないでしょうか?この記事では、富裕者層の収入の仕組みについて解説します。また、富裕者層に近づく方法についても紹介しますので、ぜひ確認してみてください。

K字経済とは

新型コロナウイルスによって経済的に悪影響を受けた飲食業や運輸業もあれば、逆に巣ごもり需要や輸出業※1)など恩恵を受けた業種もあるなど、業種によって企業業績に格差が広がっていく状況をK字経済と指すこともあります。

K字経済は企業業績だけではなく、富裕者層と貧困者層の格差が広まっているという意味でも使われる言葉です。新型コロナウイルスの影響により、富裕者層と貧困者層の経済的格差はますます広がったとされています。

※1)2021年12月現在は、半導体不足などの供給制限により、打撃を受けている輸出業が多くなっています。

なぜ富裕者層と貧困者層との格差は広がっているのか?

新型コロナウイルスの影響で、なぜ富裕者層と貧困者層の格差が広がるK字経済が深刻化したのでしょうか?その原因は貧困者層の所得が労働所得、富裕者層の所得が不労所得であるという違いがあげられます。

以下では富裕者層と貧困者層の所得の違いについて解説します。

給与所得者のケース

情報参照元:国税庁 長官官房 企画課|民間給与実態統計調査www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2019/pdf/001.pdf

上記の表は国税庁が調査した給与所得者の平均給与となります。見るとわかるように日本の給与所得者の賃金は、もともとほとんど上がっていない状態が続いています。

そのような最中に新型コロナウイルスの感染が拡大すれば、平均給与への悪影響が予想されます。加えて感染拡大は長期化しているため、飲食業の営業自粛や経済活動の自粛も余儀なくされる状態が続いておりました。

また人件費をまかなえなくなった企業は、アルバイトや社員の整理や労働時間の短縮要請を開始するようになります。その結果以前よりも収入が減少するため、貯蓄を取り崩す生活も決して珍しくありません。

富裕者層のケース

富裕者層がコロナ禍で資産を増やしているのは、海外の景気回復の恩恵を享受していると推測できます。

まずは富裕者層の有価証券の保有状況についての統計を見てみましょう。

野村證券が調査した、年収別有価証券保有額を見ると、年収が上がるにつれ有価証券保有額は上昇しています。また、全体で最も多かった有価証券保有額は「100万円~300万円未満」ですが、年収1,000万円以上の世帯で最も多かった有価証券保有額は「1,000万円~3,000万円未満」でした。

余裕があるから有価証券を購入できるのか、有価証券があるから年収が高いのか見えない部分はありますが、富裕者層は、有価証券を始め、不動産などの資産を持っている割合が非常に高いのです。

それでは、なぜ有価証券をもっていた富裕者層の資産がコロナ禍で増加したのでしょうか?

海外では、多くの国が一足早く新型コロナによる苦境から脱出していた

アメリカは未だに感染者数が落ち着いてないものの、いち早く新型コロナウイルスによる経済的苦境から立ち直りを見せていました。実は、アメリカの景気を表わす代表的な指数である、NYダウ、NASDAQ、S&P500という指数は、「史上最高値」を今も頻繁に更新しています。

米国市場は過熱気味と常に言われながらも、投資家の中では依然として大注目のマーケットとなっているのです。すべての富裕者層が米国株に投資していたとは限りませんが、富裕者層はこうした有望な投資先に資金を振り向けて資産を伸ばしていたと推測できます。

富裕者層は不労所得がある

富裕者層がコロナ禍でも資産を延ばせるのは、不労所得、つまり働かなくても投資などで収入が入ってくる仕組みがあるからです。彼らは、海外で伸びている市場があれば、投資をすることで、その好景気の恩恵を受けることができます。

また、労働をしていないのでコロナ禍で職場に解雇されたり、労働時間を減らされて収入が無くなったりする心配はありません。これが貧困者層との大きな違いなのです。

今から富裕者層は目指せるか?

投資を活用すれば、富裕者層を目指すことは可能です。ただし、用意したい金額によっては、積み立て額や運用期間も必要になるため、選ぶ運用商品もリスクの高いものを選ぶことになるでしょう。

そこで、まずは富裕者層に近づくことをおすすめします。
富裕者層のように、毎月できる範囲で積み立てて、まずは資産が増えていく感覚をつかむことが大切です。

例えば、毎月1万円を年間利回り3%で運用した事例を見てみましょう。

毎月1万円を20年間3%で運用すると、元本240万円が328万円に増加します。30年運用すれば、583万円に増加します。富裕者層の金額には程遠いですが、投資をするとかなり資産を増やせるという感覚がわかるのではないでしょうか?

少しでも早い段階で投資をしておけば、老後に向けての準備資金も育てられるので、直前で始めるよりも準備が楽になるでしょう。

また、日本は今後も賃金の伸びが引き続き停滞する可能性が高いため、より投資をして資産を効率的に増やしていく必要があります。

まとめ

新型コロナウイルスをきっかけに貧富の差はさらに拡大を続けています。しかし資産運用を取り入れることで、富裕者層に近づくことは決して無理なことではありません。投資で大きな資産にしていくためには時間が必要です。出来る範囲でなるべく早く投資の一歩を踏み出すことが大切です。投資でわからないことがあれば、ぜひアイマークへご相談ください。

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