村松 繁

中小企業の退職金で老後資金は十分?老後資金を上乗せする4つの方法

202201中小企業 退職金

こんにちは、確定拠出年金相談ねっと 認定FP

アイマーク株式会社 代表の村松です。

中小企業にお勤めの方のほとんどが退職金を受け取ることができますが、大企業ほど多くない傾向があるため、老後の生活費として期待するにはまだまだ金額が不足しています。中小企業にお勤めの方が、会社から受け取る退職金以外に、老後資金を準備するにはどうしたら良いのでしょうか?ここでは4つの方法を紹介します。

中小企業の退職金はそう多くない

中小企業の退職金相場は業種や会社規模にもよりますが、静岡県の中小零細企業の場合、経験値ですがおおよそ300万円~多くて1,000万円位でしょうか。大金ではありますが、老後の生活費を退職金でまかないたいと考えている人にとっては、決して十分な金額とはいえません。

退職金だけで老後の生活を送ることは難しい

金融審議会、市場ワーキング・グループ報告書によると、定年退職後は高齢無職夫婦世帯で一般的な生活をするだけでも2,000万円が必要です。さらに旅行といった多少の贅沢や、家のリフォーム代金、介護費用などを考えると3,000万円は見込んでおきたいところです。

そう考えると、中小企業の退職金相場である300万円~1,000万円だけでは、老後の生活資金は到底まかなうことはできません。中小企業の方が、十分な老後の生活資金を準備するためには、現役時代のうちに老後資金を目的とした運用をスタートすることと、なおかつ定年退職後も運用資金を取り崩しながら、運用を継続していく必要があります。

退職金には税金がかからない

会社の退職金については、大きな控除が用意されています。これは、退職金は長年働いてきた功労をねぎらって支払われるものという性質があるためです。会社からの退職金は大きな金額にはなりますが、大きな所得控除があり、手取りが大きく減少するケースはあまりないので安心してください。

退職金の所得控除額は以下の通りです。

仮に勤続30年の方であれば、1,500万円までは退職金に税金はかかりません。

老後資金の準備方法

会社からの退職金に加え、自助努力で老後資金を増やすためにはどの様な方法があるのでしょうか?ここでは4つの方法を紹介します。それぞれ実際に運用した場合どれくらい資産が増えるのか、シミュレーションも見てみましょう。

預貯金

銀行やゆうちょ銀行で預貯金、定期預貯金、積立定期預貯金などでコツコツと準備していく方法です。毎月1万円を積み立てながら年利0.13%で運用した場合の運用結果は以下の通りです。

個人年金保険

個人年金保険も老後資金の準備方法としては有効な方法です。円建て、外貨建てそれぞれのケースで見てみましょう。


【円建て個人年金の場合】

契約年齢:30歳(男性)
保険料払込期間:65歳
年金支払開始年齢:65歳
年金支払期間:10年
基本年金額:60万円(10年間合計600万円)
月払保険料:14,094円(35年間合計約592万円)

【外貨建て個人年金の場合(運用実績3.5%)】
契約年齢:35歳(男性)
保険料払込期間:60歳
年金支払開始年齢:60歳
年金支払期間:10年
基本年金額:100万円(10年間合計1,000万円)
月払保険料:20,550円(25年間合計約617万円)

さらに、年間保険料80,000円超で最大40,000円の個人年金保険料控除を受けることができます。

つみたてNISA

少額投資非課税制度のことで、投資元本年間40万円までの運用益に対して税金がかからないという制度です。

つみたてNISAの制度を活用して、毎月3万円を20年運用した結果を見てみましょう。

利回りによっても将来の金額に大きく影響を与えるので、運用商品選びが非常に重要になります。

アイマークでは、つみたてNISAについて詳しく知りたい、商品選びのコツを知りたい方向けにセミナーを開催しています。希望の方はこちらよりお申込みください

iDeCo(イデコ)

iDeCoは確定拠出年金個人型の愛称で、老後の資産形成を後押しするための制度です。掛金は全額所得控除となる他、選んだ運用商品によっては大きく資産を増やすことが可能です。さらに、受け取り時も税制優遇があり、掛金、運用益、受け取り時の3つの場面で税制優遇が受けられる、非常に節税効果の高い制度といえるでしょう。

運用効果についてはつみたてNISAのケースと同様の効果があることに加え、3つの場面での税制優遇があるので、老後資金を準備するなら最優先で取り組みたい制度です。ただし、60歳までは原則引き出しができないというデメリットがある点は知っておきましょう。

老後資金も運用をやめてはいけない

老後の資産形成を目的として運用していた場合、実際に定年退職を迎えたからといって運用を全てやめていいわけではありません。それまでに運用した資金を少しずつ受け取りながらも、残った金額は運用を継続することで、資産が無くなるまでの期間を延ばすことができます。

まとめ

中小企業の退職金は会社業種や規模によって異なりますが相場は300万円~1,000万円。一時的に大きなお金を受け取れますが、これだけでは定年退職後の長い人生を送るには全然足りません。中小企業にお勤めの方は、現役時代のなるべく早い段階で資産運用を取り入れ、なおかつ、定年退職を迎えたあとも引き続き運用を継続して効率的にお金を活用していく必要があります。
もし、効率的に運用をしたいけれどやり方が分からないという方は、ぜひアイマークにご相談ください。また、日頃から資産運用に関するセミナーを定期的に開催しています。セミナー情報はこちらからご覧ください。