確定拠出年金相談ねっと 認定FP
アイマーク株式会社 代表の村松です。
年間利回りが高い投資商品を、20年、30年というスパンで運用すれば、資産を元本の2倍以上にすることは決して不可能なことではありません。その鍵は、「複利効果」になります。この記事では、複利の仕組みと、複利効果を活かして投資する方法にはどの様な方法があるかについて解説しています。
複利とは
複利は運用の結果、運用益が発生した場合に、元本+運用益を再投資する方法です。複利に対する言葉として単利がありますが、単利とは当初の元本にだけに金利が発生します。複利と単利では、運用当初は微々たる差しかありません。しかし、運用期間が20年、30年と長期にわたると、単利より複利の方が大きく資産が増える傾向があります。
複利は、20世紀最大の物理学者アインシュタインが「人類最大の発見は複利である」と言うほど複利はお金を増やすためには重要な考え方なのです。
100万円を単利、複利それぞれ3%で運用した結果を見てみましょう。
【単利と複利の運用結果の違い】
長期運用になるほど単利と複利で運用した結果に開きが出ていることもわかります。
72の法則
72の法則とは、複利運用すると何年でお金が倍になるかを計算できる計算式の事です。
【72の法則を使った計算例】
複利運用はどうしたらできる
複利運用はどの様な投資方法をすれば利用できるのでしょうか?前述の通り、複利効果は運用期間が長くなればなるほど効果は大きくなります。また元本に加えて、運用で得た利益を再投資すれば複利運用になります。
iDeCo(イデコ)の活用
複利運用をする方法の一つにiDeCo(イデコ)を活用する方法があります。iDeCo(イデコ)は、60歳までは運用したお金を受け取ることはできず、運用益は自動的に再投資される仕組みになっています。
また、長期運用を前提とした制度となっているので、iDeCo(イデコ)の口座開設をして、実際に運用商品を選んで運用をするだけで、複利運用が出来る環境が整うのです。
つみたてNISAの活用
NISAは主に、非課税期間が5年間の一般NISAと、非課税期間が20年間あるつみたてNISAの2種類がありますが、運用期間の長いつみたてNISAを活用するとより高い複利効果を享受することができます。
これは、つみたてNISAがより複利効果を活かすことができるように設計された制度だからです。つみたてNISAが生まれるまでの歴史を少し振り返ってみましょう。
NISAは2014年1月に一般NISAからスタートした制度です。しかし、一般NISAは年間の非課税金額が120万円と大きく、毎月投資でも月10万円投資をしなければ非課税枠を使い切ることができないため、非課税のメリットを活かしきることが難しいものでした。
また、投資は長期投資とつみたて投資の組み合わせで、リスクをおさえて安定したリターンを得ることができるとしておきながら、一般NISAの非課税期間はわずか5年と、長期投資のメリットを出しにくい制度設計となっていたのです。
そこでより長期投資、つみたて投資に適した制度であるつみたてNISAが登場しました。つみたてNISAなら、年間非課税枠は40万円なので、約月3万3,000円を投資すれば年間の非課税枠をフル活用することができます。
また、つみたてNISAは非課税期間が20年となり、運用益非課税のメリットを併用しながら、長期投資のメリットも活かせるようになったのです。
つみたてNISAにもリターンの大きい商品はある
つみたてNISAの商品ラインナップは金融庁が設けている一定の要件を満たしたものに限っており、投資初心者やさまざまな年代の方に利用しやすいものになっているので商品ラインナップは全体的にはリスク、リターン共に低めです。しかし、まれにつみたてNISAの商品ラインナップの中でも、リスクとリターンの大きい運用商品を取り扱っている金融機関があります。
投資信託には、比較的リスクとリターンが安定しているインデックス運用と、リスクも高い代わりに大きなリターンを狙える可能性があるアクティブ運用という2つの運用手法がありますが、つみたてNISAの商品ラインナップの中にもアクティブ運用の商品があるのです。
【つみたてNISAの運用商品の過去の実績】
■商品名:キャピタル世界株式ファンド
■つみたて額:毎月10万円
この商品の運用実績をみると、10年前と比べると投資額は10倍しか増えていないのに、評価額は約25倍になっており、元本に対して評価額は倍以上の運用実績をあげていることがわかります。
まとめ
資産運用は複利運用を活用することで資産を大きく増やせます。また、72の法則の計算式を使うと、年間利回り何パーセントの商品で複利運用をすれば、手元にある資産を倍にできるかを計算することも簡単です。
複利効果を最大限活かすためにはiDeCo(イデコ)、つみたてNISAを活用することがおすすめです。ただし投資にまだ慣れていないので、どのような商品を選んで良いかわからないという方もいるかも知れません。不明な点があればまずは、専門家にご相談ください。
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