こんにちは、確定拠出年金相談ねっと 認定FP
アイマーク株式会社 代表の村松です。
投資初心者の方が投資を始めるなら、つみたてNISAやiDeCoのように、長期投資がおすすめと言われています。なぜ、長期投資は初心者におすすめなのでしょうか?
この記事では、長期投資が初心者におすすめの理由と、メリット・デメリットについて解説します。
長期投資とは
長期投資の「長期」がどれくらいの期間を指すのか意見が分かれるところですが、目安としては15年以上の期間、継続する投資が長期投資にあたります。長期投資は主に、教育費や老後資金など、大きなお金のかかるライフイベントの資金準備に用いられます。
長期投資と短期投資はどう違う?
長期投資は企業や国の長期的な成長を期待して、投資をするので収益が出るまでに時間がかかりますが、複利効果により時間をかけるほど投資効果は大きくなります(複利効果については後述します)。
一方、短期金利は短期的な金融商品の値動きを狙って売買をして、小さな利益を積み上げていく投資手法です。
短期的に大きな収益を得ることが可能になるものの、ある程度値動きが大きい商品を選ぶ必要があります。値動きの大きな商品で運用が必要になるため、短期投資は長期投資よりもリスクが高くなりやすいです。
長期投資のメリットとデメリット
長期投資のメリットとデメリットについて解説します。
メリット① リターンが安定する
長期投資のリターンについて理解する前に、「リターン」と「リスク」という言葉を一旦おさらいしてみましょう。
投資におけるリターンとは投資の成果を表す言葉で、投資で損失が出ればマイナスのリターン、収益がでればプラスのリターンと言います。
一方、リスクとは、一般的には「危険」を意味しますが、投資におけるリスクとは、プラスのリターンとマイナスのリターンの振れ幅の大きさのことを言います。
また、投資商品において、リターンとリスクは表裏一体の関係にあり、リターンが大きい商品はプラスに向かうときの値動きも大きくなりますが、マイナスに向かうときの下落幅も大きいという特徴があるのです。
逆に、リターンの小さい商品は、プラスマイナスの値動きの幅も小さいという特徴があります。
しかし、投資商品はリターンとリスクが大きくても、長期間運用を継続するとプラスとマイナスを相殺しながら値動きの幅が小さくなり、リターンもリスクも安定していくという特徴があるのです。
メリット②複利の効果が働く
複利とは、元本に利息が上乗せされた金額を再投資する運用方法です。ちなみに、利息が上乗せされず、当初の元本だけで投資する運用方法を単利と言います。
さらに、複利は投資期間が長ければ効果が大きくなり、15年以上の長期運用になると大きく資産を増やせる可能性があります。
100万円を3.0%の利回りで運用できたとすると、単利と複利でどれくらいの違いになるか見てみましょう。
【単利と複利の違い】
メリット③精神的な負担が少ない
短期投資は短期間の間に発生する株価や為替レートの値動きを見計らって利益をあげることが必要なので、常にパソコンやスマートフォンなどで株価や為替レートをチェックし続けることが求められます。
しかし、長期投資は複利効果を利用して大きく資産を膨らませていく投資方法なので、基本的に日々の値動きに一喜一憂する必要はないでしょう。
そのため、特に投資に忙しくて時間をかけられない人は長期投資が向いています。
デメリット① 時間がかかる
長期投資の複利効果は、時間をかけるほど効果が大きくなりますが、裏を返せば時間をかけなければ資産を増やしにくいと考えることができます。
十分な期間がないと、投資効果は限定的になることを知っておきましょう。
デメリット②余裕資金で行う必要がある
長期投資の場合、投資をした元本は売却をしなければ手元に戻ってきません。
そのため、あまり大きな金額を投資してしまうと、急にお金が必要になった場合に投資に費やしていたお金を売却しなければならず、結果的に長期投資の効果が活かせないことになります。
長期投資は途中で取り崩すことがないように、余裕資金の範囲で行うことが重要です。より長期投資の投資額を大きくしたいときは、生活費を節約するなどの工夫も併せて取り入れていく必要があるでしょう。
分散投資と積立投資を組み合わせるとさらに効果的
長期投資だけでも投資のリスクを抑える効果はありますが、値動きの特徴が異なる複数の商品で運用する分散投資や、毎月一定額を積み立てながら運用する積立投資を併せて取り入れると、投資のリスクはさらに抑えることができます。
より長期投資の効果が発揮できるのは投資信託
投資信託はプロのファンドマネージャーが複数の商品を選んで運用をしてくれます。そのため、投資のリスクを抑えるうえで一番のネックである分散投資は、投資信託を選ぶだけで解消します。
つみたてNISAとiDeCoは長期投資に向いている制度
つみたてNISAとiDeCoは長期投資に向いている制度なので、長期投資をしたい人は積極的に活用すると良いでしょう。
つみたてNISAは取扱商品が投資信託に限られており、20年間は投資で利益がでても運用益に対して税金がかかりません。
また、iDeCoは原則60歳まで引き出しができないデメリットがありますが、運用益に税金がかからないうえ、掛金が全額所得控除となり所得税と住民税が軽減できる場合があります。
まとめ
長期投資は投資のリスクを抑える手法の1つです。長期投資は投資のリスクを抑える効果があるうえ、複利効果によって資産を大きく増やせる可能性があります。
しかし、資産を大きく増やすには十分な時間が必要で、投資しているお金は自由に使うことができなくなるというデメリットもあります。
そのため、長期投資はなんのための投資か、いつ頃まで運用をするのかといった投資目的をあらかじめ決めておくことが大切です。
投資の目的をどのように設定したら良いか分からない、あるいは投資をしたいけれどいくらから始めたら良いか分からないなど、投資に関する疑問がある人は、アイマークのセミナーへ気軽にご参加ください。