こんにちは、確定拠出年金相談ねっと 認定FP
アイマーク株式会社 代表の村松です。
優秀で長く働いてくれる社員に入社してほしいので、福利厚生に力を入れたいけれど、あまりそこにお金をかけられないとあきらめていませんか?
今回は中小企業でも導入できるおすすめの福利厚生を紹介します。
人気の福利厚生は?
マンパワーグループが、18~60歳の過去や現在仕事をしたことがある男女972人に、会社の福利厚生として良いと思うものを聞いたところ、1位が「住宅手当・家賃補助」となっています。
また、勤務していた会社で実際にあった福利厚生で良かったものは「食堂・昼食補助」でした。
中小企業は大企業ほどの給料を支払うことが難しいケースが多いうえ、福利厚生にかけられる経費や人員も限られています。また、特定の従業員しか福利厚生のメリットを受けられないということがないように、なるべく多くの従業員が利用できるものを選びましょう。
中小企業におすすめの福利厚生
中小企業におすすめな福利厚生は具体的にどのようなものがあるのでしょうか?ここでは主なものを6つ紹介します。
食事・昼食補助
食事・昼食補助はいくつかのパターンがあります。社員食堂の導入は中小企業では難しいので、ここでまず紹介したいのは、食事の配送サービスや、クーポンの配布です。食事の配送サービスとは、電話やネット注文で、職場までお弁当などを届けてくれるサービスのことです。内勤の人が多い職場に向いています。
一方、クーポンの配布は、カフェやファミリーレストランなどで使用できるクーポンを従業員に配布する福利厚生制度です。従業員は、対象店舗で会員証やクーポンを提示すると割引きやサービスを受けられます。
ドリンク・コーヒーサーバーやお菓子スタンド
休憩時間などに従業員が軽食を取ることがあるかも知れません。そんなときにコーヒーサーバーなどを用意しておくこともおすすめです。ただ、コーヒーを飲まない従業員もいるので、従業員がドリンクやスナック菓子などの軽食などを購入できるオフィスコンビニなどを検討しても良いでしょう。サービスを提供する業者が、定期的に訪問して、商品の補充や代金の回収をする仕組みです。
オフィスコンビニの中でもお菓子に特化した、お菓子スタンドも人気があります。
テレワークへの対応
新型コロナウイルスの感染拡大により、テレワークが普及し、新型コロナ収束後も在宅勤務が一部定着する可能性もあります。テレワーク用のパソコンやプリンターの購入代金や、通信料などを会社が負担することも有効な福利厚生と言えるでしょう。
住宅手当・家賃補助
従業員の住居費を全部または一部補助する福利厚生制度です。先に述べましたが、福利厚生のなかでも住宅手当・家賃補助は従業員に人気があります。多くの従業員にとって、住居費用は生活費のうち大きな割合を占める可能性があるので、従業員にとってはありがたい福利厚生と言えるでしょう。
カフェテリアプラン
従業員が多いと、さまざまな就業形態や、ライフスタイル、価値観があるため、福利厚生を用意しても一部だけが得をするものになりがちです。カフェテリアプランとは、従業員にポイントを付与して、用意された福利厚生プランのなかから、ポイント数に応じて自分で好きなものを選べる制度のことを言います。これなら、用意した福利厚生が特定の従業員しか利用できないといった不公平は減らせます。
老後のお金に対する施策
あまり知られていませんが、もっともおすすめしたい福利厚生が老後の生活資金に関するものです。従業員の老後の生活資金を準備するための福利厚生制度として知られている制度が、確定拠出年金企業型です。同制度を導入すると、運用方法次第では従業員の老後の公的年金の不足を補うことができます。すべての従業員に老後は必ず訪れるので、公平性の高い福利厚生と言えるでしょう。
確定拠出年金企業型の従業員のメリット
確定拠出年金企業型とは、会社が掛金を拠出し、掛金を使って従業員が自分で商品を選んで運用する制度です。運用方法によっては、掛金を大きく増やして、老後資金にあてることができます。運用で利益がでても、運用益に税金はかからず、受取時にも税金の優遇があります。
確定拠出年金企業型の従業員のデメリット
確定拠出年金企業型は、原則60歳までお金を引き出すことができません。仮に60歳より前に退職しても、お金を引き出すこともできないので注意が必要です。
確定拠出年金企業型の企業のメリット
企業が支払った掛金は損金計上となるうえ、社会保険料算定の対象外、かつ課税対象外です。また、通常の退職金であれば、従業員の退職時にまとまった退職金を支払う必要があり将来的な債務となりますが、前払い退職金として、確定拠出年金企業型の掛金を渡しておけば、将来的な会社の債務は発生しません。
確定拠出年金企業型の企業のデメリット
掛金の負担や、制度の導入や維持の経費がかかります。また、従業員の給与の一部を掛金とする選択制を採用した場合、従業員と会社の社会保険料負担は減りますが、納付する社会保険料が減少するため、将来の年金や、傷病手当金なども減少する場合があります。
これを避けるために、6ヶ月間分割して賞与から天引きする方法がありますが、給与計算の担当者に大きな負担がかかるかも知れません。掛金の天引き方法については、給与天引きか、賞与天引きか社員アンケートを取るなど慎重に進めていきましょう。
また、従業員が自ら運用をするため、事業主が従業員の投資教育の場を設けることも必要です。
まとめ
福利厚生は不公平が生じないよう、なるべく多くの従業員が利用できる福利厚生を選びましょう。今回は中小企業向けの福利厚生を6つ紹介しましたが、老後はどの従業員にも必ず訪れることから、老後の生活資金が準備できる確定拠出年金企業型が特におすすめです。ただし、確定拠出年金企業型は、複数の制度設計があるので、自社の事情にあったものを選ぶ必要があります。福利厚生制度全般や、確定拠出年金企業型について詳しく知りたい人は、アイマークまで気軽にご相談ください。