こんにちは、確定拠出年金相談ねっと 認定FP
アイマーク株式会社 代表の村松です。
老後の資産形成を後押しするiDeCoが段階的に拡充されており、2022年10月からは、iDeCoと確定拠出年金企業型の同時加入要件が緩和されます。
今回の記事では2022年10月の改正の具体的な内容や、iDeCoと確定拠出年金企業型の両方に同時加入した方が良いケースについて解説します。併せて、これまでの改正内容についてもおさらいしていきましょう。
iDeCoに関連する改正点とスケジュールは、以下の通りです。
【iDeCoの改正スケジュール】
【2022年10月1日~】iDeCoと確定拠出年金企業型の同時加入要件緩和とは?
現在でもiDeCoと確定拠出年金企業型の併用は認められていますが、確定拠出年金企業型の上限をiDeCoの限度額分だけ引き下げる規約の変更が行われている場合に限定されていました。
しかし、2022年10月以降は、規約に定めがなくてもiDeCoに同時加入ができます。
ただし、確定拠出年金企業型のうちマッチング拠出を採用している企業で、マッチング拠出を選択しているときは、iDeCoに同時加入できません。
引用:法改正でますます拡充2023年からiDeCoはどう変わる?|iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)【公式】
マッチング拠出とiDeCoどっちがいい?
マッチング拠出は、毎月の手数料がかからない、事業主掛金と同じ口座で管理できるなどのメリットがあります。しかし、マッチング拠出の掛金は、事業主掛金の金額を上回ることができないため、事業主掛金が少ないときはiDeCoとの同時加入の方を検討すると良いでしょう。
その他のiDeCoの改正内容のおさらい
まず、2022年10月に行われるiDeCoの改正について紹介しました。次に、既に改正されている内容についてもおさらいしておきましょう。
【2022年4月~】iDeCoの受取開始年齢の延長
iDeCoで運用したお金の受取開始年齢は、従来60歳から70歳までの間でしたが、2022年4月以降は、60歳から75歳までの間に受け取れるようになりました。iDeCoの運用期間を延ばすことで、さらに資産を増加できる可能性があります。
一方で、公的年金は年金受給開始年齢を65歳以降に繰り下げると1ヶ月あたり0.7%増額できます。最大で75歳まで繰り下げることができるため、公的年金は最大で84%増額可能です。
では、iDeCoの運用期間を延ばす方法と、繰り下げ受給を利用して公的年金を増額する方法とどちらが良いのでしょうか?2022年4月に改正されたので、iDeCoの運用期間を延ばす方法を活用したいところですが、公的年金の繰り下げ受給を利用したほうが合理的です。
なぜなら公的年金の繰り下げ受給を利用すれば、増額した金額が一生涯継続するからです。繰り下げ受給をしている間は公的年金を受け取れないので、年金受取までのつなぎ資金としてiDeCoを活用する方法をおすすめします。
【2022年5月~】iDeCo加入可能年齢の延長
iDeCoはこれまで60歳になるまでしか加入できませんでした。しかし、2022年5月以降は、国民年金の被保険者であれば65歳になるまで加入できるようになっています。
具体的には60歳以降も公務員や会社員として働く65歳未満の人、任意加入被保険者※として引き続き国民年金に加入する65歳未満の人が対象です。
この改正により60代前半のサラリーマンでも老後に向けての運用資産が積み増しできる他、保険料が全額所得控除を受けられます。
※任意加入被保険者…国民年金の保険料納付期間が40年間に満たないため、任意で60歳以降も国民年金に加入して保険料を納めている人のこと
ただし、既にiDeCoの老齢給付金を受給している人や、公的年金を65歳より前に繰り上げ受給している人は延長できません。
引用:法改正でますます拡充2023年からiDeCoはどう変わる?|iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)【公式】
まとめ
2022年10月1日から、確定拠出年金企業型の規約に定めがなくても、iDeCoと同時加入ができるようになります。ただし、マッチング拠出を選択しているときは対象外です。
2022年4月、5月にもiDeCoは改正があり、今後もますます使い勝手の良い制度になる可能性があります。老後のための資産形成として、iDeCoを積極的に活用してみてはいかがでしょうか?アイマークではiDeCoやNISAを活用した資産形成に関するセミナーを定期的に実施しています。老後の生活資金に不安がある人は、まずはセミナーから参加してみましょう。