村松 繁

「放置年金」とは?確定拠出年金企業型に入っている人は要注意!デメリットや対処法も解説!

こんにちは、確定拠出年金相談ねっと 認定FP

アイマーク株式会社 代表の村松です。

弊社では、法人向け確定拠出年金の導入から従業員様の研修に至るまで、地域に根ざした取り組みを15年以上にわたり、ワンストップで対応してきました。

今回は、「放置年金」に関するお話です。

「確定拠出年金企業型を利用していたが、放置年金に心当たりがある」「退職者から放置年金についての問い合わせが多くて困る」など、確定拠出年金企業型の利用者様や、企業のご担当者様のなかには、このような悩みを持つ方も多いかもしれません。

放置年金とは、従業員が退職の際に手続きをせず、そのまま放置した年金を指し、確定拠出年金企業型を利用していた方が該当する可能性があります。

この記事では、放置年金の概要やデメリット、放置してしまったあとの手続き方法などについて解説します。

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放置年金とは「本人が気付かず、老後の準備金をほったらかしにしている年金」のこと

放置年金とは、「本人が気付かず、老後の準備金をほったらかしにしている年金」を指します。

放置年金は、転職や退職によって確定拠出年金企業型の加入資格を失い、必要な手続きを行わないままにしていることが原因です。このように、必要な手続きを行わず、老後の準備金を放置し、毎月手数料を徴収されている方が約110万人いるとされています。

放置年金を生み出さないためには、確定拠出年金企業型に加入している従業員の退職や転職の際、加入者資格喪失日の翌月から6ヵ月以内に状況に応じた手続きを行わなければなりません。

昨今、「社員教育をしなかったために放置年金ができてしまった」などのケースが見受けられるようになりました。このような場合、「確定拠出年金企業型の提案をした担当者などが、アフターフォローをきちんと行うことを前提に話を進めるべきだ」と私は考えます。

弊社では、「アイマークで確定拠出年金企業型の導入のお手伝いをした事業者様からは、放置年金を出しません」と宣言をして、退職者や転職者のフォローを行っています。

放置年金にはどのようなデメリットが発生する?

放置年金の発生におけるデメリットについて解説します。

運用・受取ができなくなるかもしれない

従業員が退職や転職の際、6ヵ月以内に手続きを行わないと、確定拠出年金企業型の年金資産が国民年金基金連合会に「自動移換」されます。その際、自動移換された年金資産の運用はストップし、自動移換の際の手数料が差し引かれます。

また、自動移換されている期間は、確定拠出年金企業型の加入期間と見なされないため、60歳になっても給付を受けられない可能性も出てくるのです。

3つの「手数料」が引かれる

放置年金には、以下の3つの手数料が発生します。

1.自動移換されるときの手数料:4,348円(特定運営管理機関への移換手数料3,300円・事務手数料1,048円)
2.毎月支払う手数料(自動移換4ヵ月後):52円
3.自動移換後、確定拠出年金企業型またはiDeCoに資産を移換する際の手数料:1,100円

受取時の「税制優遇額」が減る

確定拠出年金企業型の受取方法は、「年金」「一時金」「年金+一時金」の3種類です。年金で受け取る場合は「公的年金等控除」、一時金で受け取る場合は「退職所得控除」が利用できます。

退職所得控除の金額は、以下の方式で算出され、勤続年数が長いほど控除額が大きくなります。

 ● 勤続年数が20年以下の場合:40万円×勤続年数(80万円に満たなければ80万円)
 ● 勤続年数が20年以上の場合:800万円+(70万円×(勤続年数-20年))

確定拠出年金企業型が自動移換されると、移換後は加入期間として認められず、非課税上限枠が低くなるため注意が必要です。

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放置年金になってしまったときの対応方法

確定拠出年金企業型に加入している60歳未満の従業員が、企業を退職したあとに行う手続きについて見ていきましょう。

自動移換後の手続きは、「会社員」「自営業者」「公務員・専業主婦(夫)」によって異なります。また、金融機関によって異なる場合もありますのでご了承ください。なお、以下の手続きは、2017年1月1日以降に加入者資格を喪失された方が対象です。

会社員の場合

現在勤めている企業の確定拠出年金企業型の加入者となっている場合は、勤め先の確定拠出年金企業型へ移換します。勤め先の企業が確定拠出年金企業型を導入していない、導入されていても加入者になっていない場合は、以下の2つの方法があります。

 ● iDeCoの運用指図者になる
 ● iDeCoの加入者になる

iDeCoに移換する際、新規積立はせずに、運用の指図だけを行うことも可能です。次に、iDeCoに移換手続きの流れについて見ていきましょう。iDeCoへの移換手続きは、「会社員」「自営業者」「公務員・専業主婦(夫)」、すべての人に共通します。

1.必要書類を準備する
基礎年金番号・「確定拠出年金の加入者資格喪失のお知らせ」・掛金引落口座の口座番号など
2.金融機関のWebサイトなどで申込書類を作成する
3.申込書類に必要事項を記入し、金融機関に郵送する
(Webサイトで申し込みが完結する場合もある)
4.国民年金基金連合会のiDeCo加入資格の審査が行われる
5.審査や手続き終了後、移換完了通知書などの書類が送られてくる

すべての手続きが終了すると、「個人型年金加入確認通知書」を受け取った月、または翌月から掛金の引き落としが開始されます。

自営業者の場合

自営業者の定義には、学生や無職の方も含まれます。まず、現在の国民年金保険料について、以下のいずれかの承認を受けているかどうかをチェックしましょう。

 ● 退職による特例免除を含む、全部または一部の申請免除
 ● 生活保護による法定免除
 ● 学生納付特例を含む若年者納付免除

上記の承認を受けている場合は、次の2通りから選択します。

 ● iDeCoの運用指図者になる
 ● 脱退一時金を受け取る(受給要件を満たす必要がある)

脱退一時金とは、企業の退職などで確定拠出年金企業型の資格を喪失した方が、所定の要件を満たす場合に例外的に受け取れる年金資産です。

国民年金保険料について、免除などを受けていない場合に選択できる手続きは以下の2通りです。

 ● iDeCoの運用指図者になる
 ● iDeCoの加入者になる

公務員・専業主婦(夫)の場合

公務員または専業主婦(夫)の場合は、以下の2通りから選択します。

 ● iDeCoの運用指図者になる
 ● iDeCoの加入者になる

まとめ

積み上げた確定拠出年金企業型の年金資産を、放置年金にしてしまうと、受取開始年齢になっても給付されない・手数料が引かれる・税制優遇措置を受けられないなど、多くのデメリットが発生します。

デメリットが発生すると、場合によっては大きな損をする可能性もあります。もし、自分の年金資産が放置年金に該当しているかどうか、不安になったら、専門家に相談するのも一つの解決策になるでしょう。

弊社では、独自でシンプルな資産運用理論を構築し、2,000名の契約者様とともに、運用理論を現在進行形で実証中です。20年にわたる資産運用の年平均利回りは10%を超えており、高い評価をいただいています。

汎用性のある弊社の運用理論は、運用期間中に非課税で複利運用できる「確定拠出年金」にも当てはまります。確定拠出年金について、お困りごとがありましたら、お気軽にアイマークにご相談ください。

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