こんにちは
確定拠出年金相談ねっと 認定FPの村松です。
今回は、企業型確定拠出年金を導入している企業の従業員が
退職された場合、確定拠出年金の担当者として、
注意すべき点についてご案内させていただきます。
2018年5月の法改正で、
『企業型年金加入者が資格喪失した場合における事業主の説明義務』
が追加されました。
説明義務が追加されたことにより、退職者が受け取る確定拠出年金に関する書類が若干丁寧になったように思います。
画像は、『確定拠出年金 個人別管理資産の移換に関する説明確認書』の一部分ですが、説明を受けて理解したしました。ということで署名する欄が設けられています。
各、運営管理機関が工夫して、自動移換者を出さないようにしているわけです。
では、自動移換者は実際減ってきているのかを確認してみましょう。平成28年度から3年間の推移をグラフにしてみました。
残念ながら、自動移換者は増加していますが、増加数の伸びは抑えられていますね。なおかつ、自動移換者の42%程度が資産額が0円の方になっています。どうせ、資産がゼロかごくわずかなので、手続きしないで放っておこうという方も多数いらっしゃるだろうと推察します。
では、自動移換されると、どのような費用が発生するのか確認してみましょう。
- 自動移換時に 4,348円(特定運営管理機関3,300円、国民年金基金連合会1,048円)
- 自動移換後4か月目から、毎月52円
- 自動移換から資産を別のところに移す手数料 1,100円
- 脱退一時金として受け取る場合 4,180円
以上の手数料を払って、なおかつ金利は全く付きません。もちろん運用もされていません。
せっかく積み立てられたお金が、手続きせずに放置され、なおかつ手数料も取られ続ける状態は悲しい限りです。
結局は、退職者が出た際に確定拠出年金に詳しい方が、iDeCo口座の開設を促し、移換手続きを手伝ってあげないと、自動移換者は減らないのだと思います。
私が経営するアイマーク株式会社では、『アイマークで導入をお手伝いした事業所からは自動移換者を出しません』と宣言して退職者をフォローしています。
answer.hoken-i-mark.jp/support/
数か月前のことです。
静岡から愛知の実家に戻るので、退職されることになった事業所の社員さんが愛知で再就職されることになりました。
iDeCoの口座を開設することになり、転職先の事業所の証明が必要になります。
その方は、新しい事業所にどう説明していいか分からない、ということで、アイマークから新しい事業所さんにお電話してご説明させていただきました。
その事業所ではiDeCoの加入者がいらっしゃらず、この転職者さんが初めてのiDeCo手続き者だったとのことで、担当者さんも制度に初めて触れたとのことです。
お互いが分からない状態では、先に進むのは至難の業ですよね。
これからも私たちは、事業所様と一体となって、退職者さんの老後を支える仕組みを、継続していただけるようにサポートしていくつもりです。