ファイナンシャルプランナー村松 繁

2021年 05月 25日

確定拠出年金企業型は入らないと損?

確定拠出年金相談ねっと 認定FP

アイマーク株式会社 代表の村松です。

確定拠出年金企業型の加入者の多くは、会社による制度の導入がきっかけで加入しています。そんな確定拠出年金企業型ですが入らないという選択肢はあるのでしょうか?
ここでは確定拠出年金企業型の加入資格や加入によって得られるメリットについて紹介します。

確定拠出年金企業型に入らないという選択肢はあるのか?

確定拠出年金企業型は、会社が規約に基づいて加入者も決めているため、入らないということはできません。ただし、企業によっては加入する・しないを従業員が選択できるようにしている場合があるので、その際は入らないという選択をすることが可能です。

確定拠出年金企業型は原則的に加入

確定拠出年金個人型と違い、確定拠出年金企業型は原則的には全員加入なので、加入要件に該当している従業員は加入をしなければなりません。

厳密な加入対象者は企業によって定められる

確定拠出年金企業型に加入をする際、企業は誰が加入対象なのかを決める必要があります。確定拠出年金の規約に加入対象者を定めない場合は、勤務している厚生年金の被保険者全員が対象になりますが、ほとんどの企業では加入できる社員を定めます。

その際、経営者の恣意的な判断で社員の加入が決定されることが無いよう、加入資格者の選定には一定のルールが設けられています。

加入資格を取り決めるルールとは

多くの企業では確定拠出年金企業型に加入する際、以下の基準に則っていれば加入要件を設けてよいことになっています。

職種

一定の職種に所属する従業員のみを加入の対象者に設定することもできます。
なお、職種とは事務職や営業職などとなっており、就業規則や労働協約といった労働条件が他の従業員と別に規定する必要があります。

例えば「50歳以上」を加入の対象外とし、それまでの制度で引き続き給付を保証することも可能です。

すでに60歳に近い従業員は、中長期的な資産運用を行うだけの期間がありません。そのため、仮に運用が一定期間うまくいかなかった場合、資産価値が大きく下落して回復することなく長期投資のメリットを享受しないまま受け取りを迎えてしまうリスクがあります。そのため、50歳未満に設定することはできません。

勤続期間

日本では、一定期間働いた従業員に対して退職金を支払う慣行がありますが、確定拠出年金企業型でも同様の扱いが可能です。

確定拠出金企業型についても勤続年数が一定年数を超えたら加入できるとすることが可能です。この場合、例えば加入条件に、「勤続〇年を超えたものを加入対象とする」と明示する必要があります。

加入そのものの選択

確定拠出年金は中途退職でも原則60歳までは一時金として受け取ることができません。そのため、加入の可、不可は任意で選択できるようにすることができます。

ただし、加入不可とした人に対しても、確定拠出年金に加入したのと同じくらいの代替給付を用意しなければなりません。そのため代替給付の方法として、多くの企業では前払い退職金を用意しています。

確定拠出年金企業型に入らないと損をするのか?

確定拠出年金企業型は、企業側、従業員側どちらにも非常に大きなメリットのある制度です。それぞれのメリットを理解して、加入を検討してください。

確定拠出年金企業型の加入によって得られるメリットはある

確定拠出年金企業型は、企業にとっては退職金の積立不足を補う必要がなくなり、利益の見通しが立てやすくなるというメリットがあります。
また従業員にとっても税制面で大きなメリットがあります。以下、詳しく解説します。

企業のメリット

掛金を拠出した時点で企業の負担は確定するので、退職金の積み立て不足を後から補う必要はありません。そのため、退職金の費用を見通しやすくなり、積立金の不足に悩まなくて済みます。

積立不足は従来繰り延べが認められていましたが、2014年3月期連結決算より時価と簿価の差は早期に解消するべきとして、即時認識が義務化されました。

確定拠出年金企業型の場合は、従業員に掛金を拠出した時点で払った掛金が退職給付費用となり、後から退職給付債務が発生することはありません。

従業員のメリット

確定拠出年金企業型の掛金には所得税・住民税がかからず非課税となります。
また、確定拠出年金企業型は、毎月の掛金でみずから運用商品を選んで運用するため、選択した商品によっては、大きく資産を増やせる可能性があります。さらに、受取時も一時金、年金形式どちらの方法でも税制メリットがあります。

60歳前に離転職等された場合は、これまで積み立てた年金資産は、次の確定拠出年金企業型のある企業に持っていくことができます。

個人で加入する確定拠出年金iDeCo(イデコ)もありますが、iDeCo(イデコ)は、毎月一定の手数料がかかります。しかし確定拠出年金企業型は拠出している間は企業が手数料を負担しているので、従業員には手数料がかからないという点もメリットです。

会社の制度によっては追加で拠出が可能

全ての企業で導入されているわけではありませんが、確定拠出年金企業型に加えて、マッチング拠出制度を導入している場合があります。これは、従業員が任意で自分の給料の中から掛金を上乗せできる制度で、確定拠出年金のもつメリットをさらに拡大できる制度です。

さらに中小企業が導入しやすい制度として、会社掛金+選択制という選択肢もあります。これは掛金の拠出において使用されなかった掛金枠を、選択制を導入することによってマッチング拠出よりもより高い自由度で活用できる制度となります。

確定拠出年金は税制面で非常に大きなメリットがある制度です。可能な限り老後に備えて掛金は増やして確定拠出年金企業型のメリットをフル活用することをおすすめします。

まとめ

確定拠出年金企業型は、企業、従業員ともにメリットの大きい商品です。
しかし、説明が不足すると、従業員はただ退職金について自助努力することを会社からもとめられたと誤解をして困惑することがあります。

確定拠出年金企業型は原則的に加入する必要があるため、従業員の同意を得て、制度の中身を従業員に丁寧に伝えることが重要です。

もし導入にあたり気になる点があれば、まずはお気軽に相談してみてはいかがでしょうか?


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