会社員の皆さんの年末の恒例行事 『年末調整』
経理や会計のご担当者様、お疲れ様です!
皆さん、こんにちは。
確定拠出年金相談ネット認定FPの竹内誠一です。
会社員の皆さんの年末の恒例行事 『年末調整』
〜期限厳守で提出しましょう!〜
デパートや百貨店の小売業界の年末といえば激しい年末商戦
そして、街中は10月31日のハロウィンが終わって徐々にクリスマスの装いに。
しかし、会社員の皆さん、特に総務課や庶務課の職員の皆さんは違った意味でそれどころではありません。
そうです。年末といえば「年末調整」。
社員の皆さんの今年1月からの所得税の精算を一手に担います。
この時期に大掛かりな人事異動はあまりないでしょうから、総務課・庶務課の皆さんにとってはまさに年内最後の大イベントでしょう。
総務課・庶務課のご担当の皆さん本当にお疲れ様です。
私も過去社会保険庁勤務時代に庶務課会計係に所属していたことがあるのでよくわかります。
それが総務・庶務の仕事だろと言われてしまえばそれまでですが、まあそう言わずに他部署の皆さんも自分の所得税のことなので、今回は一緒の「年末調整」について見てみましょう。
そもそも「年末調整」って何?
そもそも「年末調整」って何でしょうか?
一言で言えば、今年1年間の所得税の精算です。
さあ〜、精算と言えば、その前に来るのが概算ですよね。
そうです、その年1月からの毎月のお給料から引かれている所得税は、お給料の金額に対して、前年の扶養状況等の情報を元にして、いわば概算で計算された所得税を分割納付しているかたちになります。
これにその年1月以降の扶養の変更や各種保険料の納付など実情に照らして過不足の調整をして、最終的な税額を決定します。その精算を通常12月のお給料で行います。
この事務処理を「年末調整」といいます。
「年末調整」の期限はいつまで?
では、「年末調整」の事務処理は一体どういうことをするのか?
まずは、総務課や庶務課のご担当者さんが税務署から10月末から11月初めに送られてくる「扶養控除申告書」と「保険料控除申告書」を11月初旬頃に全社員に概ね11月下旬を提出期限として配布します。
年末調整の手続きは年に1度なので多くの社員の皆さんは書く方を忘れていることが多いので、配布するときに記載例を付けたり、付箋等で注意事項を記載したりされていることと思います。
では「年末調整の期限」はいつかというと、社員と会社(担当者)とで異なります。
社員にとっての期限
社員の皆さんにとっての年末調整の期限は、書類の提出期限でしょう。
年末調整で配布され、全員が必ず記入する書類は次の2つです。
- 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
- 給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書
住宅ローン控除の手続きを年末調整で行いたい方は、税務署から送られてくる「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」という書類も使います。
書類の提出期限は勤務先によって変わりますが、だいたい11月下旬とするところが多いようです。
扶養している配偶者や親族がいたり、自分で保険に入っていたりすると、記入欄が多く、ただでさえ年に1回の手続きですから慣れていない人にとっては複雑で大変面倒なのもです。しかし払い過ぎた所得税の還付を受けるには必要な手続きなので、勤務先で指定された提出期限はきちんと守りましょう。
会社(事務担当者)にとっての期限
経理など会社で年末調整を担当する総務課や庶務課では、10月末頃から準備が始まります。11月に入って年末調整書類を配り、11月半ばから月末にかけて回収した後、所得税を再計算します。それぞれの従業員がいくら還付・追納になるのか確定したら、多くの会社では12月の給料日にあわせて精算をします。
なお、法律上の最終期限は、源泉徴収票を従業員に配る翌年1月31日までとされています。年末調整書類に書いた内容に間違いや変更があったとしても、翌年1月31日までは「再年末調整」として手続きは可能です。
年末調整書類は期限までにきちんと提出しましょう
年末調整は会社員皆さんにとって、払い過ぎた所得税を取り戻す手続きです。扶養控除申告書や保険料控除申告書に必要事項を正しく記入して、所得控除の適用漏れがないよう気を付けてください。
年末調整の法的な最終期限は翌年1月31日ですが、会社としては従業員から書類を受け取った後、所得税の再計算をしたり書類を作成したりとさまざまな事務手続きを行います。提出期限に遅れて提出したり、申告漏れがあったりすると、担当者の方にとってはかなりの手間や負担になります。会社で決められた提出期限は厳守しましょう。
それでも、年末調整し忘れた所得控除に後から気づいたら、確定申告をするのが賢明です。会社員やパートタイマーなどの給与所得者が確定申告をしてはいけないという決まりはありません。年末調整という便利な仕組みがあるだけで、別に自分で所得税の精算をしてもよいのです。払い過ぎた所得税を取り戻す還付申告なら5年間の猶予期間があります。
とはいえ、やはり届いた証明書類をしっかり保管して、期限に遅れずに手続きを済ませましょう!